ダンジョンに村人が住み着きました

日向悠介

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報告書3『彼女はダンジョンすらも把握しているらしい』

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「うわーまじかよ。ダンジョンで迷子とか致命的だよ」

 俺は辺りを見渡しどこもかしこも同じ景色が続くダンジョンを見て絶望する。
 さてここからどうするか。
 1、自分でなんとかする
 2、助けを待つ
 3、適当に歩いてゴールを目指す

 ここはやはり自分で招いたこともあるし1か3だな。ここで俺に何が出来るかを頭の中で整理してみる。
 大声で叫び助けを待つ。
 結局助けを待つに繋がってしまう。

「はぁどうしたもんかな……」

 くたびれて俺はダンジョンの小岩に腰を下ろした。こうしていても何も起きないと分かっている筈なのに現実逃避をしたいのか何も考えなかった。
 ――カタッ
 小さな足音。俺はモンスターかと警戒し剣を構える。

「そんな恐いものこっちに向けないで。心臓飛び出るかと思ったわよ」

 そこにいたのはスズネだった。本当に助けに来てくれるとは……

「どうやってここに?」

「レイドが核を入れる袋を持たずにどっかいっちゃうから核を収納出来ず困ってるだろうと思って出来る範囲私が拾おうと思っただけ」

 そういってズボンをジャラジャラと鳴らす。俺は動きやすいように布地の服を羽織っているだけだがスズネはまともな服を着ていたらしくそのポケットに落ちていた核を収納したらしい。

「ん? て事は俺その核を辿ってけば帰れたじゃん!」

 なんて俺はバカなのやら、自分でも頭を抱えてしまうくらいに頭脳が弱い。
 けどその頼みの綱であった核はもうない。ということは――

「スズネも迷子になったってことか!」

「迷子? フフッ、何言ってるの。私はダンジョンの構図まで全て知り尽くしてるわよ。ダンジョン一層から九十九層まで全てね」

「へ? ここから帰れるの? てか九十九層ってダンジョンはこの平面だけじゃなく地下まであるの?」

 俺の疑問にスズネは当たり前でしょとでもいいたげにこちらを見た。
 いやいや当たり前なわけがあるはず無い。まず層の存在を知らないのが一般的なのだが……

「まぁいいや。早く帰ろうぜ」

 俺は痺れを切らしたかのようにスズネに言った。スズネはそうだねと俺に同意すると踵を返し帰り道を先導してくれる。

 そして俺達の居た場所にしっかりと戻って来れた。道中のモンスターは俺が駆除して核をスズネが拾い集める。
 そして溜まった核の数々を無作為に散りばめた。ごつごつした核がダンジョンに広がる。集合体恐怖症の人は見ることも忌避するだろう光景に俺も内心ちょっと引く。
 同じようなものがここまで多く集められると気持ち悪くなると初めて気づいた。

 まぁそんな事は置いておき、スライムの核から咲いた花に水の実が実っていました。
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