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第2部 キャラクター

3 テンプレ主人公(1)

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名前:
 個人名は、ラ行、特にリまたは レ、次いでアで始まるヨーロッパ系の人名が圧倒的に多い。それ以外は、テオドール、マリウス、ジャックが多い。地球での個人名が上記のような名前であることも少なくないが、転移・転生を機にそのような名前に改める者も少なくない。
 王侯貴族への転生者の場合は必ず苗字があるが、平民への転生者の場合、苗字がある場合とない場合がある。いずれにせよ、転生前の名は名乗らない。
 転移者の場合は、貴族と間違われることを嫌って苗字を名乗らない者が多いが、クラス召還系の場合は日本名をフルネームで名乗る。

(1)身体的特徴
性別:

目・髪色・髪型:
 転移はもちろん、転生であっても、黒目・黒髪とする作品が多い。髪型に言及する作品は少ない。
身長:
 言及する作品は少ないが、言及する作品では165~170cmが多い。婚約破棄追放系や悪役令嬢系の男性キャラに転生する作品では、言及することがあり、通常は高身長である。
体型:
 言及する作品は少ない。婚約破棄追放系や悪役令嬢系の男性キャラに転生する作品では、言及することがある。悪役男性貴族系の場合、初期はデブであり、ダイエットに成功することになる。
顔の善し悪し:
 平凡とするか、言及しない作品が多い。ローティーン以下に転生する作品や、婚約破棄追放系や悪役令嬢系、悪役男性貴族系の男性キャラに転生する作品では、(ダイエット後は)イケメンとする。

(2)性格的特徴

唐変木の朴念仁
ぶっきらぼう
老婆心、釘指し多め。世話焼き、おせっかいが過ぎる
良識人・紳士ぶろうとするが奥手
不必要な話し合い(無駄に理由を確かめる)、説明、合意を重視する
相手の疑問や心配に対して、やってみせれば早いことをくどくど説明して、納得や同意を得てから、ようやくやってみせる
無駄に場所・時間を改める
些末なことでも訂正したい
無駄に手順を重視
過剰な謝意・謝罪
些細なことでも礼を言う、謝る
他人のことでも礼を言う、謝る
感謝と謝罪にこだわる。
関係ないのに、自分がまるで後見人か代表者かのように、礼を言ったり頼んだりする。
些細なことや、むしろ相手側の義務ですらあるようなことに対して「~してくれるのは本当に有り難い」と語る。
些末なことで有り難がる
謙遜がしつこい上にズレている。
無権限で指図しまくりで解説好きで余計なお世話な傲慢野郎のくせに謙虚ぶっている
貴族や騎士団長、商会長とのコネクションができると、仲間の女2、3人を引き連れて地方政府や騎士団、商会に赴き、経営改革などを指導するが、決して正式な役職に就こうとしない。
先に相手方が頼んできたのに、それを忘れて、「○○してもいいか?/させてくれ。頼む」などと自分の願いとして頼み込む。
無償または格安で物やサービス、チップを提供し、恩を(押し)売ったり、貸しだ借りだと言ったりすることが好きだが、恩や貸しを回収しない。
低知能
鈍感で無神経
察しが悪い。ヒントや伏線があったことに気付くのがかなり遅い。
解説好きで脇道に逸れがちな上、考察が足りない、つまり頭が弱い
他の地元民がずっと繰り返していて問題が生じていなかったことについて、少し話を聞いただけで問題点らしきものをズレた感じに指摘して、納得しきれずに地の文でグズグズいう。あるいは変な納得の仕方をする。
不確定な仮定的情報が確証もないのに瞬く間に確定し、固着する。
解説好きで饒舌だが、脇道に逸れすぎて文芸作品としては無駄が多いし、洞察が浅かったりする
金銭感覚
金に無頓着か、贅沢せず小市民的にケチかの2パターン。明日大怪我して稼げなくなるとは夢にも思わず、商人が提示した買取金額を大きくした回る額で売ったり、また稼げばいいんだと言って孤児院や教会に有り金全部を寄付したりする。
性根は小市民のくせに、物語中盤以降は金に頓着しなくなる。
孤児院を見かけると寄付をする。
教会には便宜を図ってもらうために寄付をする。
自衛主義・平和主義
平和主義者ぶっている
攻撃されなければ手を出さない。攻撃されれば容赦なく殺す主義。
熱くなる。正義感を発揮する。
統治経験などないのにできると思い込む。
恋愛関係については、ヘタレ、似非紳士、突発性難聴、神懸かり的間の悪さで睡眠
相手が主人公に好意を寄せていることにようやく気づいた場合は、相手は感謝の気持ちを恋愛感情だと思い込んでいるだけだという理由で断ろうとする(本気でそう捉えているかについては描写されない)。
「そういう意味では敵に感謝しなきゃな」などとといった思考をする。
用心度
物語中盤までは、不必要な用心をして、別段喋っても害はないのに説明を控える。
些細なこと(アイテムボックス・マジックバッグ、特殊スキル)をとにかく隠そうとする。
増長して気が大きくなる。
言質を取ったら安心してしまう。録音もできない世界なのに。
パーティーメンバー等に対して
しつこく毎回全員に同意確認とか参加意思確認等をする。
休日の予定も申告させる。
イツメンにとにかく指図する。
視点の狂い
一人称視点での地の文にもかかわらず、「俺は~のように笑う」というように、まるで三人称視点かのように自己を描写する。ほぼ100%作者の描写ミスに過ぎないが、ミスでないとした場合、主人公が意図的にそのような動作(笑い方など)をしようとしているということになり、主人公の異様さが際立つ。なお、他のキャラクターが主人公の当該動作(笑い方など)を見たときに、主人公の狙い通り「~のように」見えるかどうかは不明。
近場にあるものを指称するときは、「これ」ないし「それ」というはずだが、なろう主人公はまるで対象が遠くにあるかのように「あれ」という。
知り合った人物に対し、内心で評価を付け、相手の言動によって評価ポイントを上下させる。
「俺はニヤリと不敵に嗤うと、まるで幽鬼のようにゆらりと歩を進める」などというように、第三者からどう見られているかを意識し、自己演出をするのが常。第三者から意図した通りに見られているかは不明。(実際には作者が、基本的に一人称視点で書いてきたはずなのに、時折書き間違えて三人称視点を混入しているだけだが)
(3)趣味・趣向
飲食
日本出身の転生者・異世界転移者は、異様に米・醤油その他の大豆製品・和食を食べたがる。
和食やスイーツ(特にアイスクリーム、プリン、ケーキ、カレー)をパーティーメンバーや村人に強引に振る舞い、旨いと言わせて満足する。
地球では一人暮らしで(天涯孤独で)自炊しており、凝り性だったため、料理や菓子作りの知識は相当ある。

日本出身の転生者・異世界転移者は、歴史や科学技術、料理に詳しい者が多い。
日本出身の転生者・異世界転移者は、東方の島国(日本風国家)に行きたがる
(4)特徴的行動
転移者の場合、転移先異世界は苗字があるのは貴族だけなので、苗字を名乗ると貴族に間違われるとして、苗字を隠す。自分は外国人だから苗字はあるけど貴族ではないと説明することはないし、貴族だと称することもない。
自らが転移・転生者であることを基本的に隠し続ける。
転移・転生者であることを隠し通そうとする。
現地での常識がないことが露見した際、転移者であることを隠すが、なぜか「外国人だから」ではなく必ず「田舎から出てきたので」と言い訳する。
外国人だといえば、密入国で捕まるのではないかと考えているのかもしれないし、日本人だと言ったとして現地人が当該世界に日本国が存在していないことを認識している場合にトラブルになりかねない、と考えたのかもしれない。また、(日本の)田舎出身ではあるのだとしても、(現地国の)田舎出身だと思われれば現地の支配層に被支配層として扱われるリスクが生じることは考えていないか、甘んじているようである。
マジックバッグを持っている場合、いかに戦闘力が強くとも、それを持っていることが知られると襲われたり貴族に利用されかねないとして、自ら卒先して、または初期に知り合ったキャラに忠告されて、ひた隠しにする。
強い戦闘力や有用な能力を持っていることを隠そうとする者もいる。
主人公が日本で得た知識を元に料理や技術などを披露した際に、褒められると、「自分が開発したわけじゃない」として罪悪感を感じたりする。また、脇キャラからどこで知ったかを尋ねられ、「自分の田舎の村で」などと誤魔化す。
情報屋でない者(酒場で話を聞いた相手など)に対し、情報料ないしその代りとしての飲み代を支払い、地の文で「情報は大事だからな」などと読者に対して理由付けをする。
物を売る際、自分は相場価格がわからないとして、買主商人や代理商に値付けを任せる。
「適正価格」といわれると、少しは疑うケースもあるが、値上げ交渉などせずに、その価格で売却する。
少額の出費にはケチケチするくせに、金銭感覚が破綻しており、または高額貨幣に対する金銭感覚が麻痺しており、平気で多額の寄付をする。
外交に関する知見がないため、証人が欲しいなどとして、戦後の講和会議において、参戦していない国・勢力に属する知人を全員呼び出して関与させる。いきなりトップ会談にしたり、権限者を権限者とみなしたりする。
会議を開くときは幹部だけでなく、手近にいる外国・国際組織の主要人物までとにかく集める。
機密の概念がなく、外部者も参加する会議で、もったいぶらずに手持ちの情報をひけらかし、参加者にも開示を要求する。
講和条件として、賠償や領土割譲ではなく、謝罪と今後の良好な関係だけを求めることが少なくない。
何かにつけて教え諭そうとする。
大金を得た後は、孤児院や教会、破壊された街に寄付をしたり、孤児院や学校を設立する。
マジックバッグや収納魔法などを持っている場合、街を離れる前に、常連となっている宿屋兼食堂やレストランのシェフに大量の料理を作らせ、持ち歩く。
街ごとに最初に利用した宿泊施設や飲食店の常連となる。少なくとも、宿泊施設の新規開拓への意欲はない。
自分の目で現地を確認せず、たまたま知己を得た人物に宿泊施設、飲食店、その他の商店を紹介してもらいたがる。
ほぼ精霊や従魔の戦闘力によって稼いでいる主人公の場合、どケチであり、精霊や従魔が酒や料理を欲しているのに酒や料理の購入・消費を制限する。
街中で屋台を見かけると、何の肉か疑いもせずに買って食べる。
ゲーム異世界や準ゲーム異世界の場合、レベルアップやスキルなどの検証を行う。
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