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序章〜少年の旅が始まる〜
ep0. 物語の始まり
しおりを挟む今、人類は宇宙へと旅立っている
星々を股にかけ、自らが住みやすいように作り変えていく作業を行なっている。いわゆるテラフォーミングというものである
銀河の果て、周囲7光年に他の恒星系が存在しない寂しい恒星系が存在した
《 ロスライト星系 》という
この星系に存在する惑星は、地球型惑星3つと木星型惑星2つの比較的小規模な恒星系であった
そこに存在する地球型惑星の中で、生命居住可能領域内にあるのは2つ
恒星に近い順から、〈 ロストライト2 〉、〈 ロストライト3 〉と名前が付いている
この2つの惑星は、人類が本恒星系を発見した時に居住が有力視されていたものとして有名であった
しかし、ここで問題が発生する
「最寄りの基地から途中補給もなしで、どのようにして当該恒星系へと向かえばいいのか。開拓物資や追加物資の運搬に掛かる時間と費用はどうするのか」
この2つの問題は、開拓期初期の人類にとって大きな障害であった
結局、居住候補から外されたロストライト星系は長い間人々から忘れられる存在となってしまった
そんな星系にあるロストライト2という惑星に1人の少年が居た
名はジェム
ジェムは、10歳の男の子で、この惑星に生きるたった1人の人間である
ボロボロの衣類を身にまとい、1人洞窟を拠点に暮らしている
家族は居ない。すでに死んでいるからだ
彼がこの惑星にいる理由、それは両親、そして妹と共に惑星探査旅行に出た最中、不意に小惑星の破片が船を突き抜けた為だ
船に風穴が空き、操縦不能になった船は救援信号を送りながら宇宙空間を漂うこととなった
ジェムを含め、彼ら家族は、自らの安全のためにコールドスリープ装置に入ることを余儀なくされた
ーーそこまでは良かった
だが世の中というものは世知辛いものである
不運にも、彼らが出した救難信号に気がつく者が居なかったのである
どれくらいの時が経ったか分からない。しかしある時、ある惑星の引力に捕まり、そこへ不時着することになった
それがこのロストライト星系第2惑星のロストライト3である
当然の疑問である、なぜ両親と妹は死んだのか。
それは、不時着時の衝撃で両親のコールドスリープ装置が壊れてしまった為だ
ーーー運が悪かったとしか言いようがない
宇宙船のAIが行った船外周辺環境調査によって安全が確認されると、ジェムの入っていたコールドスリープ装置のロックが解除された
たった1個のコールドスリープ装置が、プシューッという音を立てて中に入っている男の子を眠りから覚ます
「………ここは……どこ?」
ここからジェム少年の惑星探査が始まっていく
(これ以降の話は、過去に時を戻してスタートします!!)
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