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ヴァラクという悪魔
糸杉への祈り
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レンとクレイオスの忠告を受け、侯爵が監視所を兼ね、防衛線として設置した柵の外まで一旦下がることにした。
そこから少し北寄りの丘の上に幕舎と天幕を張り、臨時の司令所を設置する。
陣を敷くにも、ただ闇雲に人員を展開させればいい物ではない、敵が攻めやすい場所には、壕と堀を穿ち、中には杭を打ち込み、柵を巡らす。
丘の上に司令所を置けば、敵からは丸見えだが、こちらも敵の全体像が把握しやすい。
籠城をするのではないから、難攻不落の砦などは必要無いが、敵の動きを読み、より多くの敵を屠る為には、指揮官の作戦立案能力と統率力が不可欠だ。
帝国を守護すると言うことは、いかに効率よく人を割り振りするかが重要になる。
必要な所に必要なだけ、人と物資を投入し、どれだけ被害を最小限に抑えることができるのかに掛かってくる。
戦いとは、最終的に立って動けるものが、相手より多ければ勝ちとなる。
多くを救うために、より少ない命を犠牲にすることを許容しなければならない。極論で言えば、人の命をどう効率良く切り捨てられるかが勝敗の鍵になるのだ。
これが人同士、国家間の争いなら、外交交渉と言う手段がある。
交渉に当たる人間にとっては、交渉の場も戦さと変わらない戦いの場だが、言葉が通じるだけ、まだマシなのでは無いだろうか。
魔物との戦いは、言葉も通じず、唯ひたすらに命のやり取りに終始する。犠牲を一つも出さない等、無理な話だ。
それでも、一人でも多くの騎士達に生き残って欲しいし、出来る事なら、その後の人生を幸せに生きる為、大きな傷は負ってほしくない。
過去、極限状態に追い込まれ、感情を失いカラクリの様に只々がむしゃらに剣を振り、魔法を放ち、多くの仲間を失ったこの場所に立つと、その思いが強くなる。
飢餓に苦しみ木の根を齧りながら、折れた剣の代わりに、死んだ仲間の剣を拾って戦い続けたあの時とは違う。
食糧もある。
武器の替えも用意した。
物資も騎士の数も潤沢だ。
魔物の倒し方が分からず、手探りで戦う必要もない。
戦いに挑むのは、魔物の討伐に対するしっかりとした訓練を受けた猛者ばかりだ。
なにより、俺は強くなった。
あの頃とは違う、皇子だから、若いからと言う理由だけで護られ、目の前で騎士が死ぬ姿を見ることはない。
だから大丈夫。
今度は大丈夫なはずだ。
「アレク?」
気付くと目の前に、銀の虹彩が煌めく番の黒く大きな瞳があった。
「ん? どうした?」
俺の顔を覗き込む番の頬にサラサラの髪が一房、流れ落ちた。
流れた髪を指で耳にかけてやると、番はくすぐったそうに首を竦めて頬を染めた。
その仕草にささくれ立った心が癒される。
「・・・・・ちょっとお散歩しない?」
「散歩? いや、でも」
「大丈夫。ミュラーさんも到着したし、ロロシュさんは、マークさんと一緒の方が張り切って働くでしょ?」
「まあ、そうだが」
「それに、ずっと難しい顔をしてたら、せっかくの綺麗な顔に、シワができちゃう」とレンは白い指で俺の眉間に触れ、優しくクルクルと揉んでくれた。
俺の顔を綺麗と言うのはレンだけで、誰もそんなこと気にしないと思うのだが・・・。
「ねっ? おねがい」と首をコテンと倒した上目遣いとか・・・。
「グハッ!」
心臓が・・・・。
久しぶりのおねだりの破壊力よ。
「どっどうしたの? 大丈夫?」
「問題ない・・・・分かった、散歩に行こう」
団服の胸を掴んでバクバクと脈打つ心臓を抑え込んだ俺はレンを左腕で抱き上げ、垂れ布をめくって幕舎を出た。
すると顔色を悪くした部下達が、こちらの様子を窺い見て居た。
他人の逢瀬を窺い見るとは、コイツら暇なのか?
仕事をしろと睨め付けると。何故か揃ってホッとした顔をしている。
睨まれてホッとするとは、最近はそう言う変な趣味が流行っているのか?
「何処に行きたい?」
そう問うと「あそこがいい」とレンは森とは反対の位置に生えている糸杉を指差した。
「あれか・・・」
あの糸杉は、散って逝った騎士達を偲び、慰霊碑代わりに侯爵が植えた物だ。
あの時は俺の膝辺りまでの苗木だったが、大きく育ったものだ。
そうレンに説明すると、レンは「じゃあ、お祈りしなくちゃね」と静かに微笑んだ。
草原を渡る風に髪を揺らし、糸杉の下に立つと、レンは膝を折り静かに祈り始めた。
なんの神に祈っているのか・・・・。
アウラか?異界の神か?
俺もレンに倣って、胸に手を当て首を垂れた。
だが俺に許されるのは、懺悔だけだろう。
お前達を救えずにすまない・・・・と。
「ねぇアレク、ここは幽鬼がたくさん出るのでしょう?」
「そうらしいな」
「それって、未練とか怒りとかそんな強い想いを抱えて、亡くなった方が沢山いたって事ですよね?」
「ああ、そうだ」
事実だが、レンの口から言われると、心を抉られるな。
「私の居た日本では古くから、非業の死をとげた人物の怨霊、御霊を鎮めるために、神社と言う、こちらの神殿に当たるものが建てられて来たんです」
「そうなのか?」
「はい。怨霊が鬼になって、悪さをしない様に慰める意味もあるのですが、御霊って、人であったときの恨みの念が強ければ強いほど、神様、荒霊って言うのですが、荒ぶる神となった時の力が強くなるって信じられているんです」
「怨霊や悪霊が神になるのか?」
「そうですよ?なんたって八百万ですから。荒霊は、神様の中でも最も強力な力を持つ神様になるんです。強い恨みの念を祀る事で、神様として守護してくれるようにお願いするんですね。そして神社には神様が宿る御神木と呼ばれる大木があるのです」
「木に神が宿るのか?」
「木も生きて居ます。それに人より長生きでしょ?木は自分で動いたりできないけれど、人より多くのことを知って居ますから、木の心は人よりも、神様に近いかもしれませんよ?」
「なるほど?」
よく分からんが、なんとなくレンの言いたいことは分かる。
だが、それとここで死んだ騎士と何か関係があるのか?
「私はこの糸杉の木が御神木になってくれれば良いなって思うんです。ここで亡くなって、空に帰ることも出来ず、今も彷徨っている魂が居るのなら、この木に宿り神様になって、マイオールを守護してくれたら良いなって」
嗚呼、そう言うことか。
ここでレイスなどの幽鬼と成り果てたもの達も、元は街を人を守ろうとした騎士達だ。
あのひどい戦いで散った者達の恨みの念は、幽鬼となるほどに強い。
それでも、その恨みをマイオールに仇なす者に向けたとしたら?
瘴気に触れレイスと成り果てようが、レンの元へ自ら浄化を求めた彼等と同じ様に、騎士の精神を忘れて居なければ、立派な守護神となるだろう。
「だから、私はここで彷徨う魂達に、マイオールを守ってくださいって、お願いしたんです」
「そうか・・・死して尚、国を守るか・・・騎士の本懐だな」
幕舎に戻った後、俺はこの話しをミュラーやロロシュ達に語って聞かせた。
ミュラーとマークはレンの考えに感銘を受けたようで、面倒臭がるロロシュを引っ張って、糸杉に祈りに行ったそうだ。
その姿を見て居たものが話しを聞き、また祈りに行く様になり。
駆けつけた侯爵も、この話しに心を打たれた様だった。
後日談だが、この時の祈りが高じてシルベスター侯爵領では、騎士の任命式をこの糸杉の前で行うようにになったのだった。
そこから少し北寄りの丘の上に幕舎と天幕を張り、臨時の司令所を設置する。
陣を敷くにも、ただ闇雲に人員を展開させればいい物ではない、敵が攻めやすい場所には、壕と堀を穿ち、中には杭を打ち込み、柵を巡らす。
丘の上に司令所を置けば、敵からは丸見えだが、こちらも敵の全体像が把握しやすい。
籠城をするのではないから、難攻不落の砦などは必要無いが、敵の動きを読み、より多くの敵を屠る為には、指揮官の作戦立案能力と統率力が不可欠だ。
帝国を守護すると言うことは、いかに効率よく人を割り振りするかが重要になる。
必要な所に必要なだけ、人と物資を投入し、どれだけ被害を最小限に抑えることができるのかに掛かってくる。
戦いとは、最終的に立って動けるものが、相手より多ければ勝ちとなる。
多くを救うために、より少ない命を犠牲にすることを許容しなければならない。極論で言えば、人の命をどう効率良く切り捨てられるかが勝敗の鍵になるのだ。
これが人同士、国家間の争いなら、外交交渉と言う手段がある。
交渉に当たる人間にとっては、交渉の場も戦さと変わらない戦いの場だが、言葉が通じるだけ、まだマシなのでは無いだろうか。
魔物との戦いは、言葉も通じず、唯ひたすらに命のやり取りに終始する。犠牲を一つも出さない等、無理な話だ。
それでも、一人でも多くの騎士達に生き残って欲しいし、出来る事なら、その後の人生を幸せに生きる為、大きな傷は負ってほしくない。
過去、極限状態に追い込まれ、感情を失いカラクリの様に只々がむしゃらに剣を振り、魔法を放ち、多くの仲間を失ったこの場所に立つと、その思いが強くなる。
飢餓に苦しみ木の根を齧りながら、折れた剣の代わりに、死んだ仲間の剣を拾って戦い続けたあの時とは違う。
食糧もある。
武器の替えも用意した。
物資も騎士の数も潤沢だ。
魔物の倒し方が分からず、手探りで戦う必要もない。
戦いに挑むのは、魔物の討伐に対するしっかりとした訓練を受けた猛者ばかりだ。
なにより、俺は強くなった。
あの頃とは違う、皇子だから、若いからと言う理由だけで護られ、目の前で騎士が死ぬ姿を見ることはない。
だから大丈夫。
今度は大丈夫なはずだ。
「アレク?」
気付くと目の前に、銀の虹彩が煌めく番の黒く大きな瞳があった。
「ん? どうした?」
俺の顔を覗き込む番の頬にサラサラの髪が一房、流れ落ちた。
流れた髪を指で耳にかけてやると、番はくすぐったそうに首を竦めて頬を染めた。
その仕草にささくれ立った心が癒される。
「・・・・・ちょっとお散歩しない?」
「散歩? いや、でも」
「大丈夫。ミュラーさんも到着したし、ロロシュさんは、マークさんと一緒の方が張り切って働くでしょ?」
「まあ、そうだが」
「それに、ずっと難しい顔をしてたら、せっかくの綺麗な顔に、シワができちゃう」とレンは白い指で俺の眉間に触れ、優しくクルクルと揉んでくれた。
俺の顔を綺麗と言うのはレンだけで、誰もそんなこと気にしないと思うのだが・・・。
「ねっ? おねがい」と首をコテンと倒した上目遣いとか・・・。
「グハッ!」
心臓が・・・・。
久しぶりのおねだりの破壊力よ。
「どっどうしたの? 大丈夫?」
「問題ない・・・・分かった、散歩に行こう」
団服の胸を掴んでバクバクと脈打つ心臓を抑え込んだ俺はレンを左腕で抱き上げ、垂れ布をめくって幕舎を出た。
すると顔色を悪くした部下達が、こちらの様子を窺い見て居た。
他人の逢瀬を窺い見るとは、コイツら暇なのか?
仕事をしろと睨め付けると。何故か揃ってホッとした顔をしている。
睨まれてホッとするとは、最近はそう言う変な趣味が流行っているのか?
「何処に行きたい?」
そう問うと「あそこがいい」とレンは森とは反対の位置に生えている糸杉を指差した。
「あれか・・・」
あの糸杉は、散って逝った騎士達を偲び、慰霊碑代わりに侯爵が植えた物だ。
あの時は俺の膝辺りまでの苗木だったが、大きく育ったものだ。
そうレンに説明すると、レンは「じゃあ、お祈りしなくちゃね」と静かに微笑んだ。
草原を渡る風に髪を揺らし、糸杉の下に立つと、レンは膝を折り静かに祈り始めた。
なんの神に祈っているのか・・・・。
アウラか?異界の神か?
俺もレンに倣って、胸に手を当て首を垂れた。
だが俺に許されるのは、懺悔だけだろう。
お前達を救えずにすまない・・・・と。
「ねぇアレク、ここは幽鬼がたくさん出るのでしょう?」
「そうらしいな」
「それって、未練とか怒りとかそんな強い想いを抱えて、亡くなった方が沢山いたって事ですよね?」
「ああ、そうだ」
事実だが、レンの口から言われると、心を抉られるな。
「私の居た日本では古くから、非業の死をとげた人物の怨霊、御霊を鎮めるために、神社と言う、こちらの神殿に当たるものが建てられて来たんです」
「そうなのか?」
「はい。怨霊が鬼になって、悪さをしない様に慰める意味もあるのですが、御霊って、人であったときの恨みの念が強ければ強いほど、神様、荒霊って言うのですが、荒ぶる神となった時の力が強くなるって信じられているんです」
「怨霊や悪霊が神になるのか?」
「そうですよ?なんたって八百万ですから。荒霊は、神様の中でも最も強力な力を持つ神様になるんです。強い恨みの念を祀る事で、神様として守護してくれるようにお願いするんですね。そして神社には神様が宿る御神木と呼ばれる大木があるのです」
「木に神が宿るのか?」
「木も生きて居ます。それに人より長生きでしょ?木は自分で動いたりできないけれど、人より多くのことを知って居ますから、木の心は人よりも、神様に近いかもしれませんよ?」
「なるほど?」
よく分からんが、なんとなくレンの言いたいことは分かる。
だが、それとここで死んだ騎士と何か関係があるのか?
「私はこの糸杉の木が御神木になってくれれば良いなって思うんです。ここで亡くなって、空に帰ることも出来ず、今も彷徨っている魂が居るのなら、この木に宿り神様になって、マイオールを守護してくれたら良いなって」
嗚呼、そう言うことか。
ここでレイスなどの幽鬼と成り果てたもの達も、元は街を人を守ろうとした騎士達だ。
あのひどい戦いで散った者達の恨みの念は、幽鬼となるほどに強い。
それでも、その恨みをマイオールに仇なす者に向けたとしたら?
瘴気に触れレイスと成り果てようが、レンの元へ自ら浄化を求めた彼等と同じ様に、騎士の精神を忘れて居なければ、立派な守護神となるだろう。
「だから、私はここで彷徨う魂達に、マイオールを守ってくださいって、お願いしたんです」
「そうか・・・死して尚、国を守るか・・・騎士の本懐だな」
幕舎に戻った後、俺はこの話しをミュラーやロロシュ達に語って聞かせた。
ミュラーとマークはレンの考えに感銘を受けたようで、面倒臭がるロロシュを引っ張って、糸杉に祈りに行ったそうだ。
その姿を見て居たものが話しを聞き、また祈りに行く様になり。
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