473 / 765
千年王国
大公の暴挙
しおりを挟む
カルの叫びに呼応するかのように、石棺の中からズルリと出て来たものが居る。
瘴気に塗れ、ぬらぬら、うねうねと動く形の定まらないそれは、魔物と見て間違いないだろう。
ズルズルと這い出して来る魔物に、剣を引き抜き身構えた時。魔法陣が紫色の光を放ち展開し、現れたばかりの魔物をどこかへ転移させてしまった。
その様子に既視感を感じると同時に、やはりと納得する思いだ。
同族が呪具に侵されている姿を見て、じっとしていられない様子のカルの肩を掴み、無理やり引き戻した。
「気持ちは分かるが、一旦落ち着け。ここなら転移陣の外側だ。いきなり襲われる事も無い」
「そうですよカル。なし崩しで戦闘にならなかったのは、儲けものです。作戦会議は大事ですよ?」
カルを宥めるマークに、頷いて見せたエーグルが、俺に話しを振って来た。
「閣下、外郭の魔物はここから転移させていると思いますか?」
「その可能性は高いだろうな。元々レジスの怨念から生まれた魔物が、ここから転移させられ、レジスの怨念の呼びかけに応えて、ここに戻ろうとしている。と考えれば、首都の外郭に魔物が集まってるのも納得できる」
「何と言うか。こんな回りくどい事をする必要が有りますか?」
「普通はしないな。だがあの呪具と、転移陣の犯人がヴァラクなら有りだ」
十中八九、ヴァラクか、その指示に従った者の仕業だろう。
「そのヴァラクと言う魔族は、頭がおかしかったのか?」
エーグルが呆れるのも当然だろう。
首都を滅ぼしたいのなら、魔物を転移などさせず、野放しにするだけで良かった筈だ。
それをせず、わざわざ、こんな回りくどい上に、手が込んでいる割りに効率の悪い事をするのは、ヴァラク以外に考えられない。
ヴァラクは、数えきれない人間の体を乗っ取り続け、体の持ち主の人格の影響を受けた、意識の集合体だ。
あの魔族の中にいた人格は、一人では無かった。
遣る事に整合性が無く、統治能力は欠如しているが、その分陰湿で質が悪い。
ヴァラクの影響を色濃く受けたゴトフリーのあの様を見れば、何をか言わんやだ。
レジスの呪いに苦しみ続ける、ウジュカの人間なら、ヴァラクも思い通りに支配する事も、体を乗っ取る事も易かっただろう。
「閣下!レジス様の柩と、アーロン様を前にして、何故何もしないのですか?!そんな処でいつまでもコソコソと!何をなさっているのです?!」
「大公。浄化と解呪の手順の相談だが?」
「何を悠長な事言って居られるのですか?!さあ、早くレジスの呪いを打ち消し、アーロンを解き放ってください!!」
おいおい。
敬称が抜けているぞ?
興奮しすぎだろ。
「急いては事を仕損じる。とも言うぞ?気持ちは分かるが、少し落ち着かれてはどうか」
俺の忠告が効いたのか、大公の袖を引き、首を振るヨーナムに負けたのか、大公は大人しくなったが、その瞳に灯った剣呑な光は、消えることは無かった。
「アレク降ろして?」
「レン危ないぞ?」
番は俺の腕を軽く叩き。
「私は、アレクとみんなを信頼しているから、大丈夫」
そうニッコリと微笑んだ番は、腕の中からするりと床に降りた。
こういう言い方は狡いと思う。
こんな言い方をされたら、どんなに心配でも、レンの言う事を聞くしかない。
「私はこれから、レジス様とアーロンさんに浄化を掛けます。アレクは、瘴気が収まって来たら、アーロンさんに着けられた呪具を、破邪の刀で斬って下さい」
「それでいいのか?」
「力業ですけど、取り敢えずアーロンさんを呪具から解放してあげないと。呪具の浄化は後でも出来ますからね」
「分かった。シッチン、あの転移陣は解除できるか?」
「う~~ん。自分一人だと魔力が足りなくて無理そうっすね」
「なら、転移陣は浄化が終わる迄、放置だな」
『いいの?』
目の動きだけで、大公を指したカルの顔は、懸念と怒りが入り混じった、複雑な表情をしていた。
「浄化の最中に、魔物があふれると面倒だ。どうせ外郭の魔物は討伐するのだから、何体か向こうに増えても変らんだろう」
「ねえ。ぼくたちは~?」
「レン様のそばでい~い~?」
「お前達は、俺と一緒にレンを護るんだ」
「は~い!」
『私には、誰もついてくれないの?』
「お前・・・・ここで一番強いのはお前だろ」
『そうだけど。気分がね!』
寂しがりの甘えん坊か?!
「どう考えても、お前は守る側だろ」
「カル!がんばれっ!」
呑気なドラゴン達の発言で、瘴気と呪具を前に常になく、ほんわかした雰囲気が流れる中、ウジュカの大公はぎりぎりと歯噛みを繰り返している。
大公には見えていないのだろうが、瘴気がしつこく絡みついて来るし、アーロンからは苦し気な息がゴロゴロと響いて来ている。
のんびり出来る雰囲気では無いのだが、このメンバーなら仕方ない、と言えなくも無い。
それにしても、ヨーナムは瘴気の影響で、次第に顔色が悪くなって行っているが、この瘴気の中、アミュレット無しで平然として居られる大公は、異常だと言えるだろう。
「ねえねえ。あのおじさんをたすけるの~?」
「・・・おじさん」
神と崇められる龍も、この子供達に掛かると、形無しだな。
クオンのおじさん発言が聞こえたのか、アーロンの発するゴロゴロ音も、若干強くなった気がする。
「みんなであの、おじさんを助けてあげましょうね」
ジリジリと苛立ちを見せる大公と、具合の悪そうなヨーナムに、後ろに下がっている様に声を掛けると、老いた側近に袖を引かれた大公は、渋々後ろにがって行った。
「始めます」
大公達が充分な距離に離れ、レンの掛け声で、全員が臨戦態勢に入った。
レジスの柩と碧玉の龍に近い場所に、俺とカル。その後ろにマーク達3人がレンを囲むように配置についた。
そしてレンを挟んで、二匹の子ドラゴン。
呼吸を整えたレンから、異界の歌が流れ始めた。
瘴気が充満し、冷たくどろりと纏わりついて来ていた背中が、ほんのりと暖かく温まって来る。
レンの衣の衣擦れがさらさらと聞こえ、その手に握られた破邪の刀が振られる度に、腰に下げられた抜丸の鍔鳴りが、チャリ、チャキッと聞こえてくるのが、まるでレンの歌の合いの手の様だ。
そして、浄化の光が舞い始めた時。
「殿下!!いけませんっ!!」
ヨーナムの叫びに振り向くと、階段前まで下がっていた大公が、こちらに向かい、鬼の形相で走って来るのが見えた。
全力で走る大公の手には、拳大の魔晶石が握られ、大きく振りかぶっている。
「レンッ!!」
「レン様っ!!」
俺とマークは、咄嗟にレンの背後に結界を張り、子ドラゴン達が両腕を広げ、大公に立ちはだかる。
しかし、大公の目には結界が見えていないのか、その足が止まる事はなかった。
「殿下!止まって!止まって下さい!!殿下ぁっ!!」
ぶつかる!!
ヨーナムの悲痛な叫びと、大公が結界に突っ込んだのは同時だった。
その場の誰もが結界に阻まれ、弾き飛ばされる大公の姿を想像した。
ビタンッ!!
結界にぶつかった大公は、カエルそのもの格好で無様に結界に張り付いた。
そこまでは、想像通りだった。
しかし、ここで予想外な展開が待ち受けていた。
結界に張り付いた大公の身体から、赤茶色の粘着質な何かが抜け出したかと思うと、ズルリと結界を通り抜け、大公の手が握っていた魔晶石を、呆然と立ち尽くすレンの足元に投げつけたのだ。
瘴気に塗れ、ぬらぬら、うねうねと動く形の定まらないそれは、魔物と見て間違いないだろう。
ズルズルと這い出して来る魔物に、剣を引き抜き身構えた時。魔法陣が紫色の光を放ち展開し、現れたばかりの魔物をどこかへ転移させてしまった。
その様子に既視感を感じると同時に、やはりと納得する思いだ。
同族が呪具に侵されている姿を見て、じっとしていられない様子のカルの肩を掴み、無理やり引き戻した。
「気持ちは分かるが、一旦落ち着け。ここなら転移陣の外側だ。いきなり襲われる事も無い」
「そうですよカル。なし崩しで戦闘にならなかったのは、儲けものです。作戦会議は大事ですよ?」
カルを宥めるマークに、頷いて見せたエーグルが、俺に話しを振って来た。
「閣下、外郭の魔物はここから転移させていると思いますか?」
「その可能性は高いだろうな。元々レジスの怨念から生まれた魔物が、ここから転移させられ、レジスの怨念の呼びかけに応えて、ここに戻ろうとしている。と考えれば、首都の外郭に魔物が集まってるのも納得できる」
「何と言うか。こんな回りくどい事をする必要が有りますか?」
「普通はしないな。だがあの呪具と、転移陣の犯人がヴァラクなら有りだ」
十中八九、ヴァラクか、その指示に従った者の仕業だろう。
「そのヴァラクと言う魔族は、頭がおかしかったのか?」
エーグルが呆れるのも当然だろう。
首都を滅ぼしたいのなら、魔物を転移などさせず、野放しにするだけで良かった筈だ。
それをせず、わざわざ、こんな回りくどい上に、手が込んでいる割りに効率の悪い事をするのは、ヴァラク以外に考えられない。
ヴァラクは、数えきれない人間の体を乗っ取り続け、体の持ち主の人格の影響を受けた、意識の集合体だ。
あの魔族の中にいた人格は、一人では無かった。
遣る事に整合性が無く、統治能力は欠如しているが、その分陰湿で質が悪い。
ヴァラクの影響を色濃く受けたゴトフリーのあの様を見れば、何をか言わんやだ。
レジスの呪いに苦しみ続ける、ウジュカの人間なら、ヴァラクも思い通りに支配する事も、体を乗っ取る事も易かっただろう。
「閣下!レジス様の柩と、アーロン様を前にして、何故何もしないのですか?!そんな処でいつまでもコソコソと!何をなさっているのです?!」
「大公。浄化と解呪の手順の相談だが?」
「何を悠長な事言って居られるのですか?!さあ、早くレジスの呪いを打ち消し、アーロンを解き放ってください!!」
おいおい。
敬称が抜けているぞ?
興奮しすぎだろ。
「急いては事を仕損じる。とも言うぞ?気持ちは分かるが、少し落ち着かれてはどうか」
俺の忠告が効いたのか、大公の袖を引き、首を振るヨーナムに負けたのか、大公は大人しくなったが、その瞳に灯った剣呑な光は、消えることは無かった。
「アレク降ろして?」
「レン危ないぞ?」
番は俺の腕を軽く叩き。
「私は、アレクとみんなを信頼しているから、大丈夫」
そうニッコリと微笑んだ番は、腕の中からするりと床に降りた。
こういう言い方は狡いと思う。
こんな言い方をされたら、どんなに心配でも、レンの言う事を聞くしかない。
「私はこれから、レジス様とアーロンさんに浄化を掛けます。アレクは、瘴気が収まって来たら、アーロンさんに着けられた呪具を、破邪の刀で斬って下さい」
「それでいいのか?」
「力業ですけど、取り敢えずアーロンさんを呪具から解放してあげないと。呪具の浄化は後でも出来ますからね」
「分かった。シッチン、あの転移陣は解除できるか?」
「う~~ん。自分一人だと魔力が足りなくて無理そうっすね」
「なら、転移陣は浄化が終わる迄、放置だな」
『いいの?』
目の動きだけで、大公を指したカルの顔は、懸念と怒りが入り混じった、複雑な表情をしていた。
「浄化の最中に、魔物があふれると面倒だ。どうせ外郭の魔物は討伐するのだから、何体か向こうに増えても変らんだろう」
「ねえ。ぼくたちは~?」
「レン様のそばでい~い~?」
「お前達は、俺と一緒にレンを護るんだ」
「は~い!」
『私には、誰もついてくれないの?』
「お前・・・・ここで一番強いのはお前だろ」
『そうだけど。気分がね!』
寂しがりの甘えん坊か?!
「どう考えても、お前は守る側だろ」
「カル!がんばれっ!」
呑気なドラゴン達の発言で、瘴気と呪具を前に常になく、ほんわかした雰囲気が流れる中、ウジュカの大公はぎりぎりと歯噛みを繰り返している。
大公には見えていないのだろうが、瘴気がしつこく絡みついて来るし、アーロンからは苦し気な息がゴロゴロと響いて来ている。
のんびり出来る雰囲気では無いのだが、このメンバーなら仕方ない、と言えなくも無い。
それにしても、ヨーナムは瘴気の影響で、次第に顔色が悪くなって行っているが、この瘴気の中、アミュレット無しで平然として居られる大公は、異常だと言えるだろう。
「ねえねえ。あのおじさんをたすけるの~?」
「・・・おじさん」
神と崇められる龍も、この子供達に掛かると、形無しだな。
クオンのおじさん発言が聞こえたのか、アーロンの発するゴロゴロ音も、若干強くなった気がする。
「みんなであの、おじさんを助けてあげましょうね」
ジリジリと苛立ちを見せる大公と、具合の悪そうなヨーナムに、後ろに下がっている様に声を掛けると、老いた側近に袖を引かれた大公は、渋々後ろにがって行った。
「始めます」
大公達が充分な距離に離れ、レンの掛け声で、全員が臨戦態勢に入った。
レジスの柩と碧玉の龍に近い場所に、俺とカル。その後ろにマーク達3人がレンを囲むように配置についた。
そしてレンを挟んで、二匹の子ドラゴン。
呼吸を整えたレンから、異界の歌が流れ始めた。
瘴気が充満し、冷たくどろりと纏わりついて来ていた背中が、ほんのりと暖かく温まって来る。
レンの衣の衣擦れがさらさらと聞こえ、その手に握られた破邪の刀が振られる度に、腰に下げられた抜丸の鍔鳴りが、チャリ、チャキッと聞こえてくるのが、まるでレンの歌の合いの手の様だ。
そして、浄化の光が舞い始めた時。
「殿下!!いけませんっ!!」
ヨーナムの叫びに振り向くと、階段前まで下がっていた大公が、こちらに向かい、鬼の形相で走って来るのが見えた。
全力で走る大公の手には、拳大の魔晶石が握られ、大きく振りかぶっている。
「レンッ!!」
「レン様っ!!」
俺とマークは、咄嗟にレンの背後に結界を張り、子ドラゴン達が両腕を広げ、大公に立ちはだかる。
しかし、大公の目には結界が見えていないのか、その足が止まる事はなかった。
「殿下!止まって!止まって下さい!!殿下ぁっ!!」
ぶつかる!!
ヨーナムの悲痛な叫びと、大公が結界に突っ込んだのは同時だった。
その場の誰もが結界に阻まれ、弾き飛ばされる大公の姿を想像した。
ビタンッ!!
結界にぶつかった大公は、カエルそのもの格好で無様に結界に張り付いた。
そこまでは、想像通りだった。
しかし、ここで予想外な展開が待ち受けていた。
結界に張り付いた大公の身体から、赤茶色の粘着質な何かが抜け出したかと思うと、ズルリと結界を通り抜け、大公の手が握っていた魔晶石を、呆然と立ち尽くすレンの足元に投げつけたのだ。
85
あなたにおすすめの小説
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる