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第1章 私はただ平穏に暮らしたいだけなのに!
11 一番大切なもの
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森であったことを話し終えた子ども達は口惜しいような悲しいような恥ずかしいような腹立たしいような、いろいろな感情が混ざった苦しげな顔をして俯いている。
そんな子供達を見回して、私は子供達に告げるべき言葉を告げる。
「あなたたち……偉い!」
私は心の底から子ども達を褒めた。子ども達は苦しげな顔から一転して、キョトンとした顔をして私を見た。突然、私に褒められたけど、なぜ褒められているのか分からないようだ。
「貴方達は間違っていないわ。貴方達はとても賢い選択をしたのよ。でも、それはとても難しいことなの。貴方達はその一番難しいことができた。とっても偉いことよ」
「でも、村の子達にルメルの実を奪われたんだよ。私達は籠に少ししか採れなかった」
「村の子達が村のルールを破ったのに、それを正せなかった。私達は村の子達に負けたんだ」
「酷いことたくさん言われたのにやり返せなかった。口惜しいよ!」
「私達は何も悪いことも間違ったこともしてないのに、逃げたんだよ!格好悪いよ」
「僕達は何もできなかった。全然偉くなんかないよ」
子ども達は私の言葉に納得出来ずに反発している。
私はそんな子ども達に優しく微笑みかけ、子ども達が理解出来るように分かりやすい言葉で語りかけた。
「もちろん村のルールを破った子ども達は間違っているわ。間違っていることに抗うことも、間違いを正そうとすることも大切なことよ。でも、孤児院にも『村の人間と争い事を起こしてはならない』というルールがあるわね。あのまま村の子達とルメルの取り合いをしていたら、どちらが正しいかということは関係なく、争いになっていたでしょう。ルメルを譲って争い事を避けて孤児院のルールを守ったあなた達は偉いわ。それは逃げたのではなく、争いを避けただけ。恥ずかしいことではなく、賢い選択をしただけよ。何も口惜しがることも恥ずかしがることも無いのよ」
「それって孤児院のルールを守るのが1番正しいってことなの?」
「必ずしもそうとは言えないわ……。孤児院の『村の人間と争い事を起こしてはならない』というルールは何のためにあると思う?」
「村の人たちと仲良くするため?」
「村人に迷惑をかけないため?」
子ども達は色々と答えを言っているが全て的外れなものだ。
「正解は『自分達を守るため』よ」
子ども達は私の答えが予想もしなかったものだったみたいで「え~!」と言ったり「嘘だ~」「なんで?」と驚いたり、信じられなかったり、疑問に思ったりしている。
「村人と揉めると、恨みや怒りや憎しみが生まれ、それが孤児院に向けられます。そうなると孤児院に対して非協力的な態度をとられたり、避けられたりしてしまうわね。中には孤児院にいる子どもに直接危害を加えようとする村人も出てくることも考えられるわ。村人との関係悪化は孤児院のみんなを危険にさらすことになるの。だから、孤児院を、ひいては孤児院の子ども達を守るために『村の人間と争い事を起こしてはならない』というルールがあるのよ。わかった?」
子ども達は私の答えに納得が出来たようで、何も言わずに大人しくなった。私は脱線した話を元に戻して先ほどの子どもの疑問に答える。
「孤児院のルールは孤児院や孤児院の皆を守るためのものよ。孤児院のルールに何も考えずに従うのではなく、自分にとって一番大切なものをどうしたら守れるのかを考えて行動することが自分にとっての『正しいこと』よ」
「自分の一番大切なもの?」
「自分の一番大切なものは人によって違うわ。家族、恋人、仕事、お金、趣味、自分のプライドとか本当にいろいろよ。今回みんなはルメルの実よりも、村の子達との勝ち負けよりも、孤児院のルールを守ることを選んだ。それは孤児院のルールを守ることが一番大切だからではなく、孤児院を守ることが大切だったから選べたことよ。自分達の欲よりもプライドよりも孤児院を守ることを選んだのよ。みんなのおかげで孤児院は守られたわ。みんな、ありがとう」
ルメルを譲るという判断をしたのはマリーだ。褒めるべきなのはマリー1人でいいのかもしれないが、そのマリーに大人しく従ってみんなもルメルを村の子達に譲った。マリーほどの判断ではないかもしれないが、他の子ども達も自分の欲やプライドよりもマリーの、孤児院の仲間を優先した。それは褒められるべきことだ。
「私は嬉しいわ。あなた達が村の子達と喧嘩をして傷だらけになって、村の子達との仲が悪くなってまでルメルの実を籠いっぱい採って帰って来るよりも、村の子達にルメルの実を譲って、村の子達と喧嘩をせず、ルメルの実が籠に少ししかなくても、怪我なく無事に帰って来てくれる方がよっぽど嬉しい」
子ども達には「孤児院を守るためなら何でも我慢しなくてはいけない」という勘違いはしてほしくはない。
常に自分にとって一番大切なものは何か、優先順位の上位は何かということを自分で考えて、自分で決められる人間になってほしい。
これを他人任せにすると悲惨だ。奴隷や社蓄や軍国主義者とかを生み出すことになる。国や会社や村や他人に押し付けられた価値観で、自分の大切なものや自分の中での優先順位を決めたら、自分が本当に大切にしたいものが犠牲になる。
家族が大切なのに、村のために家族を犠牲にしてしまったり、自分の命が大切なのに、国のために自分の命を犠牲にしてしまう。
孤児院のためなら、自分の感情を全て犠牲にして孤児院のルールを守るべきだ、なんて強制したくない。
もちろん、孤児院のルールを破って孤児院の存続が危ぶまれる事態は孤児院に所属している人間として子ども達も避ける義務はある。私も孤児院のシスター見習いとしてそのような危険は予防と回避をしなければならない。そのため、孤児院のルールを守らない子どもには厳しく注意したり叱ったり、罰を与えることもある。
孤児院を守ることは孤児院で生活している仲間や自分自身を守る事にもなる。子ども達には孤児院が好きだから、孤児院の仲間が大切だから孤児院を守ろうという気持ちを持って、自分の意思で孤児院を守りたいと思って、行動してくれたら嬉しい。
世界は不平等で理不尽で残酷だ。大切なものを何もかもを守ることはできない。自分にとって譲れないもの、本当に大切なものだけでも守り通してほしい。そのためには、優先順位の低いものは犠牲にしていくしかない。それを間違えないでほしい。そこを間違えたら取り返しのつかないことになる。
今回の場合、優先すべきだったのは「自分達の身の安全」と「孤児院のルールを守る」ことだ。
村の子達と喧嘩をして怪我をすることと孤児院のルールを破って罰せられることをさけることが自分達にとって最も優先すべきことだ。
飢え死にするほど食べることには困っていないので、ルメルの実を採ることを一番に優先する必要はない。それを優先して得られるものはルメルの実だけだ。ルメルの実を優先して、村の子達と喧嘩をして怪我したり、怪我をさせたりした場合、ルメルの実を得たとき以上に多くのものを失うことになるだろう。
本当に大切なものを守るために、何に抗い、何に耐えるか。それを間違えない人になってほしい。
欲に溺れるのではなく、怒りに捉われるのではなく、正しさに酔うのでもない。1番大切なものを見失わずに守れる人になってほしい。
私のような取り返しのつかない過ちを犯さないでほしい。
そんな願いや思いが込められているとは子ども達はわからないだろう。
私の言ったことを正確に理解はできないにちがいない。
でも、子ども達の心の片隅に私の言葉が、私の思いが残ることを期待している。いつか大人になったときに思い出して、私の伝えたかったことをほんの少しでも理解してくれたら嬉しい。
私がそんなことを考えていると、子ども達は私が褒めたことに納得出来たのか、子ども達の顔に笑顔が戻ってきた。
「さあ、森で収穫したものを片付けましょう!みんな、今日は何を採って来てくれたの?頼んでいた蔓は採って来てくれた?」
それからは子ども達もいつも通りに戻った。森で採ってきたものを自慢げに披露し合い、それらを整理して片付ける。
それから夕食にして、子ども達はいつも通りに元気に過ごして就寝した。
ただ1人、マリーだけがずっと落ち込んだままだった。周りに心配をかけないようにと、いつも通りの顔を取り繕っていたけど、ふとした時に取り繕っているものが取れて沈んだ顔を除かせていた。
そんな子供達を見回して、私は子供達に告げるべき言葉を告げる。
「あなたたち……偉い!」
私は心の底から子ども達を褒めた。子ども達は苦しげな顔から一転して、キョトンとした顔をして私を見た。突然、私に褒められたけど、なぜ褒められているのか分からないようだ。
「貴方達は間違っていないわ。貴方達はとても賢い選択をしたのよ。でも、それはとても難しいことなの。貴方達はその一番難しいことができた。とっても偉いことよ」
「でも、村の子達にルメルの実を奪われたんだよ。私達は籠に少ししか採れなかった」
「村の子達が村のルールを破ったのに、それを正せなかった。私達は村の子達に負けたんだ」
「酷いことたくさん言われたのにやり返せなかった。口惜しいよ!」
「私達は何も悪いことも間違ったこともしてないのに、逃げたんだよ!格好悪いよ」
「僕達は何もできなかった。全然偉くなんかないよ」
子ども達は私の言葉に納得出来ずに反発している。
私はそんな子ども達に優しく微笑みかけ、子ども達が理解出来るように分かりやすい言葉で語りかけた。
「もちろん村のルールを破った子ども達は間違っているわ。間違っていることに抗うことも、間違いを正そうとすることも大切なことよ。でも、孤児院にも『村の人間と争い事を起こしてはならない』というルールがあるわね。あのまま村の子達とルメルの取り合いをしていたら、どちらが正しいかということは関係なく、争いになっていたでしょう。ルメルを譲って争い事を避けて孤児院のルールを守ったあなた達は偉いわ。それは逃げたのではなく、争いを避けただけ。恥ずかしいことではなく、賢い選択をしただけよ。何も口惜しがることも恥ずかしがることも無いのよ」
「それって孤児院のルールを守るのが1番正しいってことなの?」
「必ずしもそうとは言えないわ……。孤児院の『村の人間と争い事を起こしてはならない』というルールは何のためにあると思う?」
「村の人たちと仲良くするため?」
「村人に迷惑をかけないため?」
子ども達は色々と答えを言っているが全て的外れなものだ。
「正解は『自分達を守るため』よ」
子ども達は私の答えが予想もしなかったものだったみたいで「え~!」と言ったり「嘘だ~」「なんで?」と驚いたり、信じられなかったり、疑問に思ったりしている。
「村人と揉めると、恨みや怒りや憎しみが生まれ、それが孤児院に向けられます。そうなると孤児院に対して非協力的な態度をとられたり、避けられたりしてしまうわね。中には孤児院にいる子どもに直接危害を加えようとする村人も出てくることも考えられるわ。村人との関係悪化は孤児院のみんなを危険にさらすことになるの。だから、孤児院を、ひいては孤児院の子ども達を守るために『村の人間と争い事を起こしてはならない』というルールがあるのよ。わかった?」
子ども達は私の答えに納得が出来たようで、何も言わずに大人しくなった。私は脱線した話を元に戻して先ほどの子どもの疑問に答える。
「孤児院のルールは孤児院や孤児院の皆を守るためのものよ。孤児院のルールに何も考えずに従うのではなく、自分にとって一番大切なものをどうしたら守れるのかを考えて行動することが自分にとっての『正しいこと』よ」
「自分の一番大切なもの?」
「自分の一番大切なものは人によって違うわ。家族、恋人、仕事、お金、趣味、自分のプライドとか本当にいろいろよ。今回みんなはルメルの実よりも、村の子達との勝ち負けよりも、孤児院のルールを守ることを選んだ。それは孤児院のルールを守ることが一番大切だからではなく、孤児院を守ることが大切だったから選べたことよ。自分達の欲よりもプライドよりも孤児院を守ることを選んだのよ。みんなのおかげで孤児院は守られたわ。みんな、ありがとう」
ルメルを譲るという判断をしたのはマリーだ。褒めるべきなのはマリー1人でいいのかもしれないが、そのマリーに大人しく従ってみんなもルメルを村の子達に譲った。マリーほどの判断ではないかもしれないが、他の子ども達も自分の欲やプライドよりもマリーの、孤児院の仲間を優先した。それは褒められるべきことだ。
「私は嬉しいわ。あなた達が村の子達と喧嘩をして傷だらけになって、村の子達との仲が悪くなってまでルメルの実を籠いっぱい採って帰って来るよりも、村の子達にルメルの実を譲って、村の子達と喧嘩をせず、ルメルの実が籠に少ししかなくても、怪我なく無事に帰って来てくれる方がよっぽど嬉しい」
子ども達には「孤児院を守るためなら何でも我慢しなくてはいけない」という勘違いはしてほしくはない。
常に自分にとって一番大切なものは何か、優先順位の上位は何かということを自分で考えて、自分で決められる人間になってほしい。
これを他人任せにすると悲惨だ。奴隷や社蓄や軍国主義者とかを生み出すことになる。国や会社や村や他人に押し付けられた価値観で、自分の大切なものや自分の中での優先順位を決めたら、自分が本当に大切にしたいものが犠牲になる。
家族が大切なのに、村のために家族を犠牲にしてしまったり、自分の命が大切なのに、国のために自分の命を犠牲にしてしまう。
孤児院のためなら、自分の感情を全て犠牲にして孤児院のルールを守るべきだ、なんて強制したくない。
もちろん、孤児院のルールを破って孤児院の存続が危ぶまれる事態は孤児院に所属している人間として子ども達も避ける義務はある。私も孤児院のシスター見習いとしてそのような危険は予防と回避をしなければならない。そのため、孤児院のルールを守らない子どもには厳しく注意したり叱ったり、罰を与えることもある。
孤児院を守ることは孤児院で生活している仲間や自分自身を守る事にもなる。子ども達には孤児院が好きだから、孤児院の仲間が大切だから孤児院を守ろうという気持ちを持って、自分の意思で孤児院を守りたいと思って、行動してくれたら嬉しい。
世界は不平等で理不尽で残酷だ。大切なものを何もかもを守ることはできない。自分にとって譲れないもの、本当に大切なものだけでも守り通してほしい。そのためには、優先順位の低いものは犠牲にしていくしかない。それを間違えないでほしい。そこを間違えたら取り返しのつかないことになる。
今回の場合、優先すべきだったのは「自分達の身の安全」と「孤児院のルールを守る」ことだ。
村の子達と喧嘩をして怪我をすることと孤児院のルールを破って罰せられることをさけることが自分達にとって最も優先すべきことだ。
飢え死にするほど食べることには困っていないので、ルメルの実を採ることを一番に優先する必要はない。それを優先して得られるものはルメルの実だけだ。ルメルの実を優先して、村の子達と喧嘩をして怪我したり、怪我をさせたりした場合、ルメルの実を得たとき以上に多くのものを失うことになるだろう。
本当に大切なものを守るために、何に抗い、何に耐えるか。それを間違えない人になってほしい。
欲に溺れるのではなく、怒りに捉われるのではなく、正しさに酔うのでもない。1番大切なものを見失わずに守れる人になってほしい。
私のような取り返しのつかない過ちを犯さないでほしい。
そんな願いや思いが込められているとは子ども達はわからないだろう。
私の言ったことを正確に理解はできないにちがいない。
でも、子ども達の心の片隅に私の言葉が、私の思いが残ることを期待している。いつか大人になったときに思い出して、私の伝えたかったことをほんの少しでも理解してくれたら嬉しい。
私がそんなことを考えていると、子ども達は私が褒めたことに納得出来たのか、子ども達の顔に笑顔が戻ってきた。
「さあ、森で収穫したものを片付けましょう!みんな、今日は何を採って来てくれたの?頼んでいた蔓は採って来てくれた?」
それからは子ども達もいつも通りに戻った。森で採ってきたものを自慢げに披露し合い、それらを整理して片付ける。
それから夕食にして、子ども達はいつも通りに元気に過ごして就寝した。
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