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第2章 私はただ普通に学びたいだけなのに!
14 知識
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私は聴講生の格好で学園を歩いて探検し、図書館を利用したり、聴講生でも受けられる講義に出席するなどして情報を得ていった。
聴講生は白いケープを着ている学生と違い、よく言えばお客さん扱いで、悪く言えば存在を無視されている扱いだ。
講義中に講師に指名されることや質問されることはないし、実技も参加しないで見学するだけだ。
理術の講義をいくつか受けて、理術の現状を知ることができた。
貴族にとって理術は一種の教養でしかない。
踊りや歌や演劇、詩、舞、楽器の演奏などと同じ教養の一種で、ある程度使えることが貴族としての嗜みとなっている。
貴族学院で習得する理術はグラスに入っている水の温度を少し上げたり下げたり、髪が少し揺れるくらいのそよ風を起こしたりする程度のものでしかない。
基本的に何の役にも立たないけれど、理術が使えることは教養があることを示すことになる。
貴族にとって理術は一種のステータスでしかない。
人前でダンスをしたり、楽器の演奏をしたり、歌を歌ったりするように、理術を披露したりする。
一種の芸のような扱いだ。
地球では、手品を手品だと理解していても、種も仕掛けも分からない手品は魔法に見えた。
魔法のように見えても手品だと理解しているから魔法だと誤解されることも、魔法使いだと勘違いされることもない。
それと同じように、理術もそれが理術だと理解していても、どういった理によってなされているか分からない理術は魔法に見える。
魔法に見えるが、魔法という摩訶不思議な非現実的なものではなく、理術という現実的なものだと理解されている。
これなら、私が空を理術で飛んでも「ちょっとすごい理術だから」と言うだけで大きな問題にはなりそうにない。
学園ではもう少し専門的に理術を学び、よりいろんな理術を使えるように理を学んで理解して、理術の習得に努める。
水が気体、液体、固体に変化することを理解して、水を凍らせたり、水を沸騰させる理術を使えるように特訓する講義があった。
気体となった水が空気中に存在していることを理解して、空気中の水を集めてコップに水を一杯にする講義や火がどうして点くのかを理解して、蝋燭に火を点ける理術の特訓をする講義などもあった。
理術でこのようなことができるのかと驚いた。
私は空を飛ぶ以外で理術を使ったことがなかった。
孤児院で理術で火を点けることができたら楽だったのに。毎日火打ち石のような道具で竈に火を点けていた苦労は何だったのか。
井戸から台所へ水を汲んで運んでいた重労働も理術で水を出して水桶に貯めていれば良かった。
お湯を沸かすのだって、わざわざ火にかけなくても、理術で直接温めてしまえば薪を節約できたのに。
理術がこんな便利なものならば、なぜこの世界の人たちはそれを使っていないのか?
そんな疑問を抱いたが、それは理術を練習している生徒の様子を見たり図書館の本を読んだりして知ることができた。
理力は生き物全てに備わっている力。人間だけでなく、動物や植物や昆虫も理力を持っている。しかし、理力を使うには理を正しく理解して、理術として使いこなせるようにならなければならない。
また、一般市民は理力が少なく、理術として利用できるほどの理力を有していない。貴族でも蝋燭に火を点けるだけでかなりの理力を消耗する。
理力を使うと体力も消費する。蝋燭に火を点けるだけで息も絶え絶えな状態になるし、集中力と時間もかなりかかる。それくらいなら道具を使う方が体力温存になるし、時間的にも早い。
普通の人には理力が少な過ぎて理術は役に立たない。苦労して習得する意味があまり無い。
理力は使えば使うほど増えるが、それ程必死に増やしても一般市民には使い道がなく無意味。理力が増えても、理術を知らなければ使えない。
ただロウソクに火を点けることができたり、コップ一杯の水が作り出せるくらいでは生きていけない。
理術とは貴族などの恵まれた人間の優雅な趣味のひとつでしかないのだと納得してしまった。
講義を聴きながら、この世界の科学の水準についても理解を深めていく。
この世界にはまだ分子や原子についてはまだ知られていないようだ。
空気中の酸素と水素から水を生成するとか、酸素を集めて燃やしやすくするとか、そういった話は講義では聴かれなかった。
水を温めるのも、ただ単純に水の温度を上げるだけでなく、分子同士を動かしてしまえばもっと簡単に水の状態を変えられる。
物体は分子の結びつきによって個体、液体、気体のような3つの状態を生み出している。
水蒸気では水分子が空気中を自由に動き回っている状態、液体では水分子はお互いにくっ付いているがある程度自由な状態、氷では水分子がしっかりと結びついている状態。
私は惑星の重力にだって理力で干渉しているのだから、理力を使えば直接物体の分子に干渉することもできるはずだ。
私は自分の研究室のお風呂で実験してみた。
講義で教えられた通りの理術でお風呂に水を貯めて、お湯にする方法と自分で考えた分子に直接干渉する方法。
結果は歴然だった。
講義通りの方法でお風呂に入るには30分以上の時間がかかったが、私の考えた理術を使った方法では5分でお風呂に入れた。
理力の消耗の仕方も段違いで、講義通りの方法だと私でも息切れがしてすぐにお風呂に入ることができないほどに疲弊していたが、私の方法だと理力にも体力にも余裕があり、あと10回はお風呂を入れることができそうなほど力が有り余った。
私の理力の量はかなり多い。
理力は使えば使うほどに増えていく。筋肉と同じように鍛えれば鍛えるほど増えていき、理術の行使も容易になっていく。
5歳のころから毎日理術を使っていれば、理力が増えているのは当たり前だ。
普通は幼い子どもでは理解力が乏しくて理を理解して理術を使うことはできない。
貴族の子どもでも理術を使うようになるのは貴族学院に入学する12歳からだ。
幼い頃に理術を学ばせない理由は理解力が乏しいだけではない。
理術は下手をすると命を落とす危険があるからだ。
生き物は他人の理力を弾く。他人の肉体に直接影響を与える理術は使えない。だから、理力による治癒術とかは存在しない。
怪我や病は薬で治療するしかない。
理術で他人の体に直接干渉することはできない。しかし、自分の肉体なら理術で強化することが出来る。
だが、肉体強化は難しい。自分の体を完全に理解している武術の達人しか肉体強化の理術は扱えない。
体の内側から肉体を強化させるのは、理力を体の内側に作用させなければならず、失敗すると肉体が弾け飛ぶ。
手を強化しようと、理力を手に集めて強化させようとして、限界以上の理力を手に込めると、肉体が耐え切れなくなり、手が弾け飛ぶ。
他の理術は自分の外に理力を出して使うから、そのような危険は無いが、肉体に直接理術をかけるのは命に関わる。
肉体強化の理術が使えるのは、国の将軍や武門に秀でた貴族、あとは裏社会の人を使い捨てる組織くらい。
肉体を鍛えて、強化したときの負荷に耐えられるようにしなければならない。
成長途中の子どもは、どんなに鍛えていても、肉体が未熟で負荷に耐えきれずに怪我をする。筋肉、筋、神経が切れて二度ともとに戻らない。
大人でも腹筋が割れるくらいに肉体を鍛えていなければ、負荷に耐えられない。体の内側がボロボロになる。
肉体強化術を使うようになると、体外に理力を出すことができなくなる。
肉体強化術以外の理術を使えなくなる。
何も知らなかった私がもしうっかり自分の肉体を強くしようとして理力で肉体を強化させようとしていたら、死んでいたかもしれない。今も昔も私の腹筋は割れていない。
しかし、知らないって本当に怖い。
先人達が試行錯誤して得た知識を後世へと伝えてくれたおかげで多くの知識を得ることができる。
きっと、理術で肉体強化をして身体が弾け飛んだ人が過去にいたのだろう。
そういった失敗や経験や実験を積み重ねて、肉体自体を鍛えて強化に耐えられる肉体であれば肉体強化術を使えるということが判明したのだろう。
肉体強化術を使ったことで、他の理術が使えなくなった人が実際にいたのだろう。
それらの知識を後世の他人へと文字や言葉で伝えていくことで、他人が知識を得ることができる。知らないことを知ることができる。
おかげで私は身体を弾けさせることも、理術を使えなくなることもない。
知識の継承は本当に大切だと実感した。
この世界では簡単に知識を得ることはできない。
テレビもインターネットも無い。誰でも無料で使える図書館も無い。
知識を伝え残すことも容易なことではない。
インターネットで誰でも簡単に発信することはできない。貴族学院かこの学園くらいしかこの国には学校がないから人に教え伝える場がほとんど存在しない。
この学園で認定理術師となった私には私の持っている知識を本にして図書館に寄贈することも、講義で伝えることも、研究室で弟子に直接教えることもできる。
この学園で知識を得れば得るほどに、私も私の知識を後世へと伝えていかなければならないと使命感のような義務感のようなものに駆られてしまった。
しかし、私の知識は特殊過ぎて伝え方が分からない。これはすぐにどうにかできることではない。
何はともあれ私は肉体強化術には絶対に手を出さないように気を付けようと心に刻みこんだ。
聴講生は白いケープを着ている学生と違い、よく言えばお客さん扱いで、悪く言えば存在を無視されている扱いだ。
講義中に講師に指名されることや質問されることはないし、実技も参加しないで見学するだけだ。
理術の講義をいくつか受けて、理術の現状を知ることができた。
貴族にとって理術は一種の教養でしかない。
踊りや歌や演劇、詩、舞、楽器の演奏などと同じ教養の一種で、ある程度使えることが貴族としての嗜みとなっている。
貴族学院で習得する理術はグラスに入っている水の温度を少し上げたり下げたり、髪が少し揺れるくらいのそよ風を起こしたりする程度のものでしかない。
基本的に何の役にも立たないけれど、理術が使えることは教養があることを示すことになる。
貴族にとって理術は一種のステータスでしかない。
人前でダンスをしたり、楽器の演奏をしたり、歌を歌ったりするように、理術を披露したりする。
一種の芸のような扱いだ。
地球では、手品を手品だと理解していても、種も仕掛けも分からない手品は魔法に見えた。
魔法のように見えても手品だと理解しているから魔法だと誤解されることも、魔法使いだと勘違いされることもない。
それと同じように、理術もそれが理術だと理解していても、どういった理によってなされているか分からない理術は魔法に見える。
魔法に見えるが、魔法という摩訶不思議な非現実的なものではなく、理術という現実的なものだと理解されている。
これなら、私が空を理術で飛んでも「ちょっとすごい理術だから」と言うだけで大きな問題にはなりそうにない。
学園ではもう少し専門的に理術を学び、よりいろんな理術を使えるように理を学んで理解して、理術の習得に努める。
水が気体、液体、固体に変化することを理解して、水を凍らせたり、水を沸騰させる理術を使えるように特訓する講義があった。
気体となった水が空気中に存在していることを理解して、空気中の水を集めてコップに水を一杯にする講義や火がどうして点くのかを理解して、蝋燭に火を点ける理術の特訓をする講義などもあった。
理術でこのようなことができるのかと驚いた。
私は空を飛ぶ以外で理術を使ったことがなかった。
孤児院で理術で火を点けることができたら楽だったのに。毎日火打ち石のような道具で竈に火を点けていた苦労は何だったのか。
井戸から台所へ水を汲んで運んでいた重労働も理術で水を出して水桶に貯めていれば良かった。
お湯を沸かすのだって、わざわざ火にかけなくても、理術で直接温めてしまえば薪を節約できたのに。
理術がこんな便利なものならば、なぜこの世界の人たちはそれを使っていないのか?
そんな疑問を抱いたが、それは理術を練習している生徒の様子を見たり図書館の本を読んだりして知ることができた。
理力は生き物全てに備わっている力。人間だけでなく、動物や植物や昆虫も理力を持っている。しかし、理力を使うには理を正しく理解して、理術として使いこなせるようにならなければならない。
また、一般市民は理力が少なく、理術として利用できるほどの理力を有していない。貴族でも蝋燭に火を点けるだけでかなりの理力を消耗する。
理力を使うと体力も消費する。蝋燭に火を点けるだけで息も絶え絶えな状態になるし、集中力と時間もかなりかかる。それくらいなら道具を使う方が体力温存になるし、時間的にも早い。
普通の人には理力が少な過ぎて理術は役に立たない。苦労して習得する意味があまり無い。
理力は使えば使うほど増えるが、それ程必死に増やしても一般市民には使い道がなく無意味。理力が増えても、理術を知らなければ使えない。
ただロウソクに火を点けることができたり、コップ一杯の水が作り出せるくらいでは生きていけない。
理術とは貴族などの恵まれた人間の優雅な趣味のひとつでしかないのだと納得してしまった。
講義を聴きながら、この世界の科学の水準についても理解を深めていく。
この世界にはまだ分子や原子についてはまだ知られていないようだ。
空気中の酸素と水素から水を生成するとか、酸素を集めて燃やしやすくするとか、そういった話は講義では聴かれなかった。
水を温めるのも、ただ単純に水の温度を上げるだけでなく、分子同士を動かしてしまえばもっと簡単に水の状態を変えられる。
物体は分子の結びつきによって個体、液体、気体のような3つの状態を生み出している。
水蒸気では水分子が空気中を自由に動き回っている状態、液体では水分子はお互いにくっ付いているがある程度自由な状態、氷では水分子がしっかりと結びついている状態。
私は惑星の重力にだって理力で干渉しているのだから、理力を使えば直接物体の分子に干渉することもできるはずだ。
私は自分の研究室のお風呂で実験してみた。
講義で教えられた通りの理術でお風呂に水を貯めて、お湯にする方法と自分で考えた分子に直接干渉する方法。
結果は歴然だった。
講義通りの方法でお風呂に入るには30分以上の時間がかかったが、私の考えた理術を使った方法では5分でお風呂に入れた。
理力の消耗の仕方も段違いで、講義通りの方法だと私でも息切れがしてすぐにお風呂に入ることができないほどに疲弊していたが、私の方法だと理力にも体力にも余裕があり、あと10回はお風呂を入れることができそうなほど力が有り余った。
私の理力の量はかなり多い。
理力は使えば使うほどに増えていく。筋肉と同じように鍛えれば鍛えるほど増えていき、理術の行使も容易になっていく。
5歳のころから毎日理術を使っていれば、理力が増えているのは当たり前だ。
普通は幼い子どもでは理解力が乏しくて理を理解して理術を使うことはできない。
貴族の子どもでも理術を使うようになるのは貴族学院に入学する12歳からだ。
幼い頃に理術を学ばせない理由は理解力が乏しいだけではない。
理術は下手をすると命を落とす危険があるからだ。
生き物は他人の理力を弾く。他人の肉体に直接影響を与える理術は使えない。だから、理力による治癒術とかは存在しない。
怪我や病は薬で治療するしかない。
理術で他人の体に直接干渉することはできない。しかし、自分の肉体なら理術で強化することが出来る。
だが、肉体強化は難しい。自分の体を完全に理解している武術の達人しか肉体強化の理術は扱えない。
体の内側から肉体を強化させるのは、理力を体の内側に作用させなければならず、失敗すると肉体が弾け飛ぶ。
手を強化しようと、理力を手に集めて強化させようとして、限界以上の理力を手に込めると、肉体が耐え切れなくなり、手が弾け飛ぶ。
他の理術は自分の外に理力を出して使うから、そのような危険は無いが、肉体に直接理術をかけるのは命に関わる。
肉体強化の理術が使えるのは、国の将軍や武門に秀でた貴族、あとは裏社会の人を使い捨てる組織くらい。
肉体を鍛えて、強化したときの負荷に耐えられるようにしなければならない。
成長途中の子どもは、どんなに鍛えていても、肉体が未熟で負荷に耐えきれずに怪我をする。筋肉、筋、神経が切れて二度ともとに戻らない。
大人でも腹筋が割れるくらいに肉体を鍛えていなければ、負荷に耐えられない。体の内側がボロボロになる。
肉体強化術を使うようになると、体外に理力を出すことができなくなる。
肉体強化術以外の理術を使えなくなる。
何も知らなかった私がもしうっかり自分の肉体を強くしようとして理力で肉体を強化させようとしていたら、死んでいたかもしれない。今も昔も私の腹筋は割れていない。
しかし、知らないって本当に怖い。
先人達が試行錯誤して得た知識を後世へと伝えてくれたおかげで多くの知識を得ることができる。
きっと、理術で肉体強化をして身体が弾け飛んだ人が過去にいたのだろう。
そういった失敗や経験や実験を積み重ねて、肉体自体を鍛えて強化に耐えられる肉体であれば肉体強化術を使えるということが判明したのだろう。
肉体強化術を使ったことで、他の理術が使えなくなった人が実際にいたのだろう。
それらの知識を後世の他人へと文字や言葉で伝えていくことで、他人が知識を得ることができる。知らないことを知ることができる。
おかげで私は身体を弾けさせることも、理術を使えなくなることもない。
知識の継承は本当に大切だと実感した。
この世界では簡単に知識を得ることはできない。
テレビもインターネットも無い。誰でも無料で使える図書館も無い。
知識を伝え残すことも容易なことではない。
インターネットで誰でも簡単に発信することはできない。貴族学院かこの学園くらいしかこの国には学校がないから人に教え伝える場がほとんど存在しない。
この学園で認定理術師となった私には私の持っている知識を本にして図書館に寄贈することも、講義で伝えることも、研究室で弟子に直接教えることもできる。
この学園で知識を得れば得るほどに、私も私の知識を後世へと伝えていかなければならないと使命感のような義務感のようなものに駆られてしまった。
しかし、私の知識は特殊過ぎて伝え方が分からない。これはすぐにどうにかできることではない。
何はともあれ私は肉体強化術には絶対に手を出さないように気を付けようと心に刻みこんだ。
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