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第7章 私はただ自由に空が飛びたいだけなのに
35 説得③ 誠意
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「先程『許されたいからと謝ることは自分のエゴでしかない』と言われましたが、謝罪は元々とても自分本意なものです。己のエゴなのは当たり前です。
『許されたいと望むから許してほしいと相手に許しを請う。』それが謝罪です。
そもそも許してほしいという想いが無ければ相手への謝罪には何の意味も価値もありません」
「……それはどういう意味だ?」
南部辺境伯は目を丸くして私に問いかけてきた。
私は何故そんな当たり前のことも分からないのかと溜め息を吐きたくなったが、それを我慢して真剣に説明する。
「加害者が被害者に一番やってはいけないことは許されたいと思っていないのに形だけ、口だけで被害者に謝ることです。
それは被害者への侮辱であり、更なる加害行為でしかありません。
許されたいと思っていない、反省していない、自分の非を認めていない、自分の罪を受け入れていない、相手に悪いと思っていない、そんな人間の口先だけの謝罪は傷付き苦しんでいる被害者を馬鹿にしています。
被害者の傷、痛み、苦しみを軽んじて被害者の傷に塩を塗る行為でしかありません。
気持ちが込もっていない謝罪ほど無意味で無価値で有害なものはありません」
南部辺境伯は自分がやったことは間違ったことだとは思ってはいないが、自分がやったことでジュリアーナを傷付け苦しめたことは悪いと思っている。だからこそ南部辺境伯はジュリアーナに許されたいと望んでいる。
それが分かっているから私は南部辺境伯にジュリアーナへの謝罪を提案した。
南部辺境伯が自分がやったことは間違ったことではないし、ジュリアーナに悪いとも思っておらず、ジュリアーナに許されたいと望んではいないが、ただジュリアーナの態度に自分が傷付くことが嫌なだけだったなら私は南部辺境伯に協力しようとは思わなかった。
ジュリアーナの態度を改善させるためだけに形式的に上っ面だけの心がこもっていない空っぽの謝罪をしてジュリアーナを馬鹿にして傷付けるような提案を私は絶対にしない。
南部辺境伯は貴族という立場上、形式的な形だけの謝罪を沢山受けてきてその部分が麻痺してるのかもしれない。
貴族同士の謝罪、上下関係がある者同士の謝罪では、許されたいという気持ちなど関係無く謝罪が行われる。
打算的に、責任上仕方なく、非が無くても立場が弱かったり下だったりで謝罪を義務的にする。
謝罪をすることで借りを作ったり、弱味を握られたりする。謝罪されることで貸しを作ったり弱味を握ったりする。
純粋に「許されたい」という気持ちを込めた謝罪をされたこともしたことも南部辺境伯は無いのかもしれない。
だからこそ私の説明を初耳だとでも言うかのように真剣に聞いている。
そんな南部辺境伯に向けて私は更に説明を重ねる。
「……私は孤児院のシスターに『許したくないなら許さなくてもいい』と教わりました。
そして、『許されたいなら相手が許してくれるまで謝りなさい』とも教えてもらいました。
孤児院では傷つけられた被害者の気持ちを尊重して、大事にしていました。『許されたいなら相手が許してくれるまで頑張りなさい』と努力を求められることはあっても、『謝罪を受け入れて許しなさい』と強制されることは無かったです。
許されたい子は傷つけた子に頭を下げて謝ったり、お花を渡したり、お菓子を譲ったり、その子の作業を手伝ったり、仕事を代わりにやったりと一生懸命にその子が許してくれる気持ちになるように頑張っていました。
よく『許されたいなら誠意を示せ』と言われますが、傷つけた相手に『許したい』『許そう』『許してあげよう』という気持ちになるように一生懸命行動しようとすることが誠意だと思います。相手に直接謝ることも誠意の表し方の一つだと思います」
相手によってどうしたら『許したい』という気持ちになるかは違うので、一概に誠意ある行動が何かは言えない。
ただ頭を下げて『ごめんなさい』と謝罪の言葉を伝えるだけで『許したい』という気持ちになる人もいれば、賠償金などのお金を支払うこと、罰を受けること、同じ痛みを味わうこと、そういうことで『許したい』という気持ちになる人もいる。
許されようという行動の一つとして許してくれることでの対価を相手に示すことも誠意の一つ。
被害者が計算し、利益のため、打算で、その対価を受け取ることで謝罪を受け入れて許すこともある。
打算であろうが何であろうが加害者は被害者を「許したい」と思わせることに成功したので、これも誠意が相手に伝わったおかげと言える。
金銭的な対価を受け取って許すことをお金目当てとか買収されたとか言うけれど、相手がそれだけのお金を払ってでも許されたいという意思の表明であり、金銭を支払うという行為であり、許されるための行動であるからこれも一種の誠意ある行動だ。
そこまで許されたいと望んでいる、お金という対価を支払う、身銭を切る、そこまでの犠牲を払うのであれば二度と同じことはしないと信じることができる。
財産が減って喜ぶ人はいないのだから、財産を失うという痛い思いを味わうことで、反省と謝罪と罰を自らのお金を渡すということで目に見える形ではっきりと示すことができる。
お金を目的にして許したわけではない。
お金で気持ちを変えたわけでもない。
お金で心を売ったわけでもない。
相手も悪いことをした、反省している、二度と同じことはしない、という証明の目に見える形での証拠を信じただけ。
人によって、何をされたかで、傷は違う。同じ傷の人はいない。だから、どうすれば許されるかという方法も変わってくる。
それを傷付けた人が許されたいと望んで必死に考えて行動することが誠意ある行動だ。
許されたいと望みながら何も行動しないのは誠意のある行動とは言えない。何も行動していない。
許されたいなら誠意を見せなければならない。
相手に自分の想いを信じてもらわなければならない。
自分が本当に反省して、二度と同じことをしないということを。
もう二度と相手を傷つけないということを。
信じてもらうには誠意を示し続けなければならない。
相手に信じてもらうことは簡単ではない。
許してもらうということは、疑いを晴らし、警戒を解いてもらうこと。
もう一度信じてもらうこと。
相手がもう一度信じたいと望むこと。
相手が二度と信じることはできないと諦めたなら、永遠に許してはもらえない。
相手が関係を続けたい、関わり合いたいと望まない限り、許しは得られない。
相手が関係を持ちたくない、今後一切関わりたくない、また傷つきたくない、裏切られたくない、というなら許しは得られない。関係改善は絶望的だ。
謝罪は誠意を示す第一歩。そこから相手に誠意を示し続ける。相手に信じてもらえるまで。
もう相手に許してもらえなくてもいい、仲良くできなくていい、関わらなくていい、信じてもらえなくていい、警戒されたままでいい、嫌われたままでいい、恨まれたままでいい、と諦めるなら謝罪は必要ない。
相手から謝罪が求められない、自分も謝る気が無いならば無理に謝る必要も意味も無い。
無駄な謝罪は相手にも失礼であり負担になるだけでなく、逆に傷つけたり神経を逆撫でするだけ。
許されたいと望むなら、誠心誠意心を込めて相手に謝ることが第一歩。
「……誠意、か。儂は儂なりにジュリアーナのために色々としてきたのだが、それでは儂の誠意はジュリアーナに伝わらなかったのだろうか?」
南部辺境伯は納得いかないとでも言うかのように私に問うてきた。
私は一瞬視線を彷徨わせたが、覚悟を決めて南部辺境伯と視線を合わせる。
「……お父さんがジュリアーナのために色々としてきたことは多分ジュリアーナも薄々は気付いていると思います。今回、私との養子縁組もジュリアーナのためにしてくれたことです。ジュリアーナも自分に都合の良いことが多いので、自分のためにしてくれたことではないかと疑っていると思います。
でも、お父さんがジュリアーナのためにしていることを隠しているのでジュリアーナは確証が持てていません。
『誠意を行動で示す』と言ってもそもそも前提としての示すべき誠意がジュリアーナに伝わっていません。お父さんのは真意不明の行動だけです。
だから、ジュリアーナはお父さんを信じることができず、再びお父さんに裏切られること、傷つけられることを怖れています。
そのため、ジュリアーナはあのような態度を取ってお父さんの真意を探っているのでしょう。自分の勘違いか思い過ごしか自惚れかをお父さんの反応で確かめようとしているのだと思います」
ジュリアーナは南部辺境伯にどれだけ自分に都合の良いことをしてもらったとしても、ただの偶然かはたまた何か裏があるかと疑ってしまう。
それは南部辺境伯が自分の気持ちをジュリアーナに伝えていないからだ。
南部辺境伯はジュリアーナのための行動であっても南部辺境伯家のためというベールに包んで己の真意を隠してしまう。
それではその行動の真意は伝わらないし、誠意も伝わらない。
だから、南部辺境伯の誠意に気付かないジュリアーナを責めるのはお門違いだ。
「……儂は間違っていたのか?儂がやってきたことは無駄だったのか?」
ジュリアーナの南部辺境伯への悪態は南部辺境伯の的外れな行動のせいだと聞こえてしまったようだ。
南部辺境伯は顔色を悪くして項垂れている。
私は必死に首を振って南部辺境伯の言葉を否定する。
「お父さんがこれまでやってきたことは決して間違いでも無駄でもありません!
ジュリアーナの態度は期待の裏返しです。『信じたいけど信じられない。信じたくないけど信じたい』。そんな相反する気持ちを持ち続けていられたのはお父さんへの期待を捨てきれなかったからです。
お父さんがジュリアーナのために色々やってきたからジュリアーナは『本当は自分のためにやっているのかもしれない』『父親は自分のことを大切に思っているのか』と疑いを持ち続けることができました。
誠意は正確に伝わっていなくてもお父さんの行動はジュリアーナに疑いを抱かせて期待を持たせることができたんです!」
私は必死に南部辺境伯を肯定して励まし続けた。
『許されたいと望むから許してほしいと相手に許しを請う。』それが謝罪です。
そもそも許してほしいという想いが無ければ相手への謝罪には何の意味も価値もありません」
「……それはどういう意味だ?」
南部辺境伯は目を丸くして私に問いかけてきた。
私は何故そんな当たり前のことも分からないのかと溜め息を吐きたくなったが、それを我慢して真剣に説明する。
「加害者が被害者に一番やってはいけないことは許されたいと思っていないのに形だけ、口だけで被害者に謝ることです。
それは被害者への侮辱であり、更なる加害行為でしかありません。
許されたいと思っていない、反省していない、自分の非を認めていない、自分の罪を受け入れていない、相手に悪いと思っていない、そんな人間の口先だけの謝罪は傷付き苦しんでいる被害者を馬鹿にしています。
被害者の傷、痛み、苦しみを軽んじて被害者の傷に塩を塗る行為でしかありません。
気持ちが込もっていない謝罪ほど無意味で無価値で有害なものはありません」
南部辺境伯は自分がやったことは間違ったことだとは思ってはいないが、自分がやったことでジュリアーナを傷付け苦しめたことは悪いと思っている。だからこそ南部辺境伯はジュリアーナに許されたいと望んでいる。
それが分かっているから私は南部辺境伯にジュリアーナへの謝罪を提案した。
南部辺境伯が自分がやったことは間違ったことではないし、ジュリアーナに悪いとも思っておらず、ジュリアーナに許されたいと望んではいないが、ただジュリアーナの態度に自分が傷付くことが嫌なだけだったなら私は南部辺境伯に協力しようとは思わなかった。
ジュリアーナの態度を改善させるためだけに形式的に上っ面だけの心がこもっていない空っぽの謝罪をしてジュリアーナを馬鹿にして傷付けるような提案を私は絶対にしない。
南部辺境伯は貴族という立場上、形式的な形だけの謝罪を沢山受けてきてその部分が麻痺してるのかもしれない。
貴族同士の謝罪、上下関係がある者同士の謝罪では、許されたいという気持ちなど関係無く謝罪が行われる。
打算的に、責任上仕方なく、非が無くても立場が弱かったり下だったりで謝罪を義務的にする。
謝罪をすることで借りを作ったり、弱味を握られたりする。謝罪されることで貸しを作ったり弱味を握ったりする。
純粋に「許されたい」という気持ちを込めた謝罪をされたこともしたことも南部辺境伯は無いのかもしれない。
だからこそ私の説明を初耳だとでも言うかのように真剣に聞いている。
そんな南部辺境伯に向けて私は更に説明を重ねる。
「……私は孤児院のシスターに『許したくないなら許さなくてもいい』と教わりました。
そして、『許されたいなら相手が許してくれるまで謝りなさい』とも教えてもらいました。
孤児院では傷つけられた被害者の気持ちを尊重して、大事にしていました。『許されたいなら相手が許してくれるまで頑張りなさい』と努力を求められることはあっても、『謝罪を受け入れて許しなさい』と強制されることは無かったです。
許されたい子は傷つけた子に頭を下げて謝ったり、お花を渡したり、お菓子を譲ったり、その子の作業を手伝ったり、仕事を代わりにやったりと一生懸命にその子が許してくれる気持ちになるように頑張っていました。
よく『許されたいなら誠意を示せ』と言われますが、傷つけた相手に『許したい』『許そう』『許してあげよう』という気持ちになるように一生懸命行動しようとすることが誠意だと思います。相手に直接謝ることも誠意の表し方の一つだと思います」
相手によってどうしたら『許したい』という気持ちになるかは違うので、一概に誠意ある行動が何かは言えない。
ただ頭を下げて『ごめんなさい』と謝罪の言葉を伝えるだけで『許したい』という気持ちになる人もいれば、賠償金などのお金を支払うこと、罰を受けること、同じ痛みを味わうこと、そういうことで『許したい』という気持ちになる人もいる。
許されようという行動の一つとして許してくれることでの対価を相手に示すことも誠意の一つ。
被害者が計算し、利益のため、打算で、その対価を受け取ることで謝罪を受け入れて許すこともある。
打算であろうが何であろうが加害者は被害者を「許したい」と思わせることに成功したので、これも誠意が相手に伝わったおかげと言える。
金銭的な対価を受け取って許すことをお金目当てとか買収されたとか言うけれど、相手がそれだけのお金を払ってでも許されたいという意思の表明であり、金銭を支払うという行為であり、許されるための行動であるからこれも一種の誠意ある行動だ。
そこまで許されたいと望んでいる、お金という対価を支払う、身銭を切る、そこまでの犠牲を払うのであれば二度と同じことはしないと信じることができる。
財産が減って喜ぶ人はいないのだから、財産を失うという痛い思いを味わうことで、反省と謝罪と罰を自らのお金を渡すということで目に見える形ではっきりと示すことができる。
お金を目的にして許したわけではない。
お金で気持ちを変えたわけでもない。
お金で心を売ったわけでもない。
相手も悪いことをした、反省している、二度と同じことはしない、という証明の目に見える形での証拠を信じただけ。
人によって、何をされたかで、傷は違う。同じ傷の人はいない。だから、どうすれば許されるかという方法も変わってくる。
それを傷付けた人が許されたいと望んで必死に考えて行動することが誠意ある行動だ。
許されたいと望みながら何も行動しないのは誠意のある行動とは言えない。何も行動していない。
許されたいなら誠意を見せなければならない。
相手に自分の想いを信じてもらわなければならない。
自分が本当に反省して、二度と同じことをしないということを。
もう二度と相手を傷つけないということを。
信じてもらうには誠意を示し続けなければならない。
相手に信じてもらうことは簡単ではない。
許してもらうということは、疑いを晴らし、警戒を解いてもらうこと。
もう一度信じてもらうこと。
相手がもう一度信じたいと望むこと。
相手が二度と信じることはできないと諦めたなら、永遠に許してはもらえない。
相手が関係を続けたい、関わり合いたいと望まない限り、許しは得られない。
相手が関係を持ちたくない、今後一切関わりたくない、また傷つきたくない、裏切られたくない、というなら許しは得られない。関係改善は絶望的だ。
謝罪は誠意を示す第一歩。そこから相手に誠意を示し続ける。相手に信じてもらえるまで。
もう相手に許してもらえなくてもいい、仲良くできなくていい、関わらなくていい、信じてもらえなくていい、警戒されたままでいい、嫌われたままでいい、恨まれたままでいい、と諦めるなら謝罪は必要ない。
相手から謝罪が求められない、自分も謝る気が無いならば無理に謝る必要も意味も無い。
無駄な謝罪は相手にも失礼であり負担になるだけでなく、逆に傷つけたり神経を逆撫でするだけ。
許されたいと望むなら、誠心誠意心を込めて相手に謝ることが第一歩。
「……誠意、か。儂は儂なりにジュリアーナのために色々としてきたのだが、それでは儂の誠意はジュリアーナに伝わらなかったのだろうか?」
南部辺境伯は納得いかないとでも言うかのように私に問うてきた。
私は一瞬視線を彷徨わせたが、覚悟を決めて南部辺境伯と視線を合わせる。
「……お父さんがジュリアーナのために色々としてきたことは多分ジュリアーナも薄々は気付いていると思います。今回、私との養子縁組もジュリアーナのためにしてくれたことです。ジュリアーナも自分に都合の良いことが多いので、自分のためにしてくれたことではないかと疑っていると思います。
でも、お父さんがジュリアーナのためにしていることを隠しているのでジュリアーナは確証が持てていません。
『誠意を行動で示す』と言ってもそもそも前提としての示すべき誠意がジュリアーナに伝わっていません。お父さんのは真意不明の行動だけです。
だから、ジュリアーナはお父さんを信じることができず、再びお父さんに裏切られること、傷つけられることを怖れています。
そのため、ジュリアーナはあのような態度を取ってお父さんの真意を探っているのでしょう。自分の勘違いか思い過ごしか自惚れかをお父さんの反応で確かめようとしているのだと思います」
ジュリアーナは南部辺境伯にどれだけ自分に都合の良いことをしてもらったとしても、ただの偶然かはたまた何か裏があるかと疑ってしまう。
それは南部辺境伯が自分の気持ちをジュリアーナに伝えていないからだ。
南部辺境伯はジュリアーナのための行動であっても南部辺境伯家のためというベールに包んで己の真意を隠してしまう。
それではその行動の真意は伝わらないし、誠意も伝わらない。
だから、南部辺境伯の誠意に気付かないジュリアーナを責めるのはお門違いだ。
「……儂は間違っていたのか?儂がやってきたことは無駄だったのか?」
ジュリアーナの南部辺境伯への悪態は南部辺境伯の的外れな行動のせいだと聞こえてしまったようだ。
南部辺境伯は顔色を悪くして項垂れている。
私は必死に首を振って南部辺境伯の言葉を否定する。
「お父さんがこれまでやってきたことは決して間違いでも無駄でもありません!
ジュリアーナの態度は期待の裏返しです。『信じたいけど信じられない。信じたくないけど信じたい』。そんな相反する気持ちを持ち続けていられたのはお父さんへの期待を捨てきれなかったからです。
お父さんがジュリアーナのために色々やってきたからジュリアーナは『本当は自分のためにやっているのかもしれない』『父親は自分のことを大切に思っているのか』と疑いを持ち続けることができました。
誠意は正確に伝わっていなくてもお父さんの行動はジュリアーナに疑いを抱かせて期待を持たせることができたんです!」
私は必死に南部辺境伯を肯定して励まし続けた。
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