蔵と有坂

メロウ+

文字の大きさ
上 下
44 / 75

お題/リラックス 五年目 春

しおりを挟む
 君は上品にお茶を飲み綺麗な所作で器を戻す。中身は空だ。母がそれを満たすのを何度か見た気がする。礼を言って君はまた手を伸ばす。

「飲み過ぎじゃん」
「美味しくて」

 その笑顔がよそいきだ。
 器を置かせ、頬をつついて「トイレ行こ」と手を引いた。ふくれてドア閉めたのは、いつもの君。
しおりを挟む

処理中です...