蔵と有坂

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お題/正月 二年目 一月一日

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 月を正した午後、僕らは暖かい炬燵に入り、少しスマホをいじって眠った。
 冬の影はおそろしく早い。気が付けばすっかり薄暗い中にいた。

 向こう側の君は、光る目をして言う。

「約束をしよう」

 何も言わないでいる僕に、君は宣言をする。

「結婚するまではしない」

 そのまま寒い夜が来た。
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