蔵と有坂

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お題/針ねずみ 七年目 冬

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 刺さった傷を癒してひとつひとつ武器に変え大人になった僕らは、身を守るためにいくらでも血を流せるけれど……
 君は見えないだろう、その尖った針の切っ先が美しく光るのを。艶やかなそれを撫で宥め、柔らかな部分で鼓動を感じ合おう。
 君が許し僕が許せば、円環の内側はあたたかい命の苗床。
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