蔵と有坂

メロウ+

文字の大きさ
上 下
72 / 75

お題/掛かりつけ 十年目 冬

しおりを挟む
 ドアを開けたらなんだか空気が違った。静かでダイニングに誰もいない。寝室をそっと覗くと眉をしかめた君が起きて、音を立てないように戸を閉めた。

「たぶん熱出る。まぶたが一重だった」
「僕が休むよ。明日は大丈夫」
「朝熱がなかったら行かせるから」
「OK」

 段取りも上手くなったな。
しおりを挟む

処理中です...