【完】仕合わせの行く先 ～ウンメイノスレチガイ～

シリーズ６ ～ウンメイノスジチガイ～

結末までのあらすじ

　ここまで本シリーズをお楽しみいただきまして誠にありがとうございました。
　シリーズ6以降のあらすじ。



　演劇を通して世論を味方につけて、腐敗した政治を糾弾する。

　令嬢として社交界に復帰。

　ハリーと再会。

　モリスとの婚約破棄。
　
　ハリーとサラ、ようやく結ばれる。



　とってもざっくりとしですが、このような結末になる予定でした。
　ふたりともたっぷりと仕合わせになってもらおうと思っていたのですが、エネルギー不足でエタってしまい、その後リライトを何度か試みたものの、結末まで持って行ってあげることができませんでした。ごめんよ、サラ。あと、シーラも。いつか書き上げられたらいいなと言う思いも込めて、アップロードしておくことにしました。読者の皆さまに置かれましては、想像の中でふたりを見守っていただければと思います。ここまでお楽しみいただき、誠にありがとうございました。ひとまず、この結末を持ってシリーズ完結としたいと思います。

　このあとはＳＳです。ハリーとサラが結ばれることは決めていたので、そのイメージを持つためにも最後のふたりを表しておくために書いたものです。それと、モリスの叶わぬ恋についても、どこかでＳＳを差し込めればと思っていたもの。これらは、本作を通して楽しんで頂きました女性読者様に向けてに送ります。お歳に達していない読者様はお楽しみいただけませんのであしからず。

　最後に、少しだけ備忘録を。エタってしまい結末を見なかった本作ですが、今回見直して「アボンリーへの道」の影響を多分に受けていると改めて気づきました。言わずと知れた赤毛のアンで有名なルーシー・モード・モンゴメリの作品でカナダでドラマ化され大ヒットした作品です。

　家庭小説・少女小説として知られている作品ですが、進歩する技術へのベクトルと、古き時代への懐古のベクトルが両方存在する、近世近代の空気感と、美しい島の景色が描かれています。過去も未来も輝いていた時代の素晴らしさ。さらに、牧歌的な景色と子どもたちはとても魅力的。それだけでなく、その子供たちが新しい時代に向かって変っていく様や、また世界を巻き込む戦争についても触れられており、その時代を切り取るというドラマとして必要不可欠な役割もはたしています。

　このドラマは数シリーズを重ね、主人公セーラは演じていた女優サラ・ポーリー氏は反戦運動に傾倒したことで物語の本筋からフェ－ドアウトしますが、サラ・ポーリー氏は監督、脚本家としても活躍し、世の女性たちに勇気を与えています。セーラに代わって後シリーズの主人公として物語を引っ張ったフェリシティは、なんと当時まだ珍しかった医者を志します。新聞記者となったオリビアもそうですが、女性に選挙権もない時代の、女性の活躍や自立、自由、選択、苦悩が描かれたこのドラマは、これを見た小さな女の子から若き女性に自分の力を信じる勇気と、社会に立ち向かう困難の両方を伝えたと思います。そしてまた、女性たちが権利や自由を掴もうとする長い戦いが、今もなお続いていることを知るきっかけともなっています。

　すこし小難しい話をいたしましたが、エンターテイメントとして優れた作品であること間違いないので、興味のある方はフェミニズムとか深く考えずに楽しまれてみて下さい。

　追記
　「仕合わせの行き先　番外編ＳＳ」は不定期公開と致しました。