【完】姪と僕とのグルメ事件簿【ミステリーオムニバスシリーズ1～4】

すしネタ探偵！シャリの上にも三年

【第5巻：ハマチとベンチャーとビリヤードの球に秘めた真実！】

「おいイサキちゃん、大変や！　ハマチが起業したらしい！」

「するか！魚がスタートアップ立ち上げてどうすんねん！」

そんな軽快な（？）ボケから始まったある夏の日。
事件は、グルグル寿司の向かいにできた謎の**ベンチャー企業『ハマチノミクス株式会社』**から始まった。

「寿司屋のネタの一部を**"サブスクで管理する"って、なにその寿司テック**！？」

「それより、さっきからうちのハマチだけ、やたら丸い穴開いてんねんけど！？」

イサキちゃんの報告に、店長・エビテンも大混乱。

「ネタに穴があいてる！？それはビリヤードの仕業だな！」

「また適当なこと言うて！」

だが、調査を進めるうち、謎のスタートアップの社員たちが昼休みにビリヤード場で打ち合わせしていることが判明。
しかも彼らのボールは──冷凍ハマチ！！

「なぜや！なぜ冷凍ハマチをビリヤードに使う必要があるんや！」

「それはもちろん、**“生”だと滑りすぎるからさ」
　──謎のベンチャー社長、登場。

　彼はグルグル寿司のネタ管理AI開発者。
　だが、AIに覚えさせる“食感データ”を集めるために、実際のネタをビリヤードボールとして転がす実験をしていたのだ！

「バカな……！回転数で脂の乗りまで測るつもりか！」

「これが……**ハマチ革命（イノベーション）**だ！」

「無理やり横文字ぶっこむなや！」

真相にたどり着いた平っちは、手元の球を手に取り、ひと言。

「このハマチ、回転してる間だけは、夢を見てたんやろな……」

「ええ話にしようとすな！寿司ネタで感傷入るな！」

エビテンも号泣。

「ネタの裏には……スタートアップがあったんだよ……！」

「今までで一番意味がわからんわ！」

結果、会社は回転寿司協会から「ネタ虐待」で厳重注意を受け、ハマチは無事、寿司に戻された。

ビリヤード用ハマチは、その後「ハマチ級ボール」として世界大会で使用され……なかった。

「いやー、まさか寿司が投資対象になるとはな」

「ちゃうわ！球や！それただの球や！」

平っちはどこまでもボケ続け、イサキちゃんのツッコミは宇宙を突き抜ける。

今日もグルグル寿司は、回転しながら爆笑の渦へ！