【完】姪と僕とのグルメ事件簿【ミステリーオムニバスシリーズ1~4】

国府知里

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すしネタ探偵!シャリの上にも三年

【第4巻:サーモン危機一髪!眼鏡越しに見えた虫除けの真実】

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「サーモンが……消えたって!?」

 ランチ直前、グルグル寿司本店の冷蔵庫前で、叫び声がこだました。

 「だから言ったやん、冷蔵庫の中にサーモンあるある詐欺が横行してるって!」

 「そんな詐欺ないわ!」

 今日も絶好調、すしネタ探偵・須々木平正(通称・平っち)と、ツッコミバイトリーダー・平目イサキ(通称・イサキちゃん)が、寿司とギャグと真実を巻き込んでいく!

 現場に残されたのは、一本のスプレー缶。

 「こ、これは……虫除けスプレー!?」

 「なんで冷蔵庫に!? 誰や、サーモンにディフェンスさせようとしたやつは!」

 「どんな食中毒予防やねん!」

 しかもその近くには、誰かの眼鏡が落ちていた。

 「……おかしい。サーモンが消え、虫除けスプレーがあり、眼鏡が落ちてる。これ、寿司屋というより、夏のキャンプ場やん」

 「言い得て妙すぎて逆に腹立つわ!」

 容疑者は4人。

常連の虫マニアの昆虫博士(眼鏡装備)

「サーモンしか食べない!」と豪語する偏食小学生

スプレーを常に持ち歩く潔癖バイトくん

サーモンを眺めるのが趣味のサーモン鑑賞おばさん

 「いっそ全員怪しい!」

 「だからや! この事件、トリプルサーモンコンボや!」

 「なんやその必殺技は!」

 手がかりは、眼鏡のフレームに残されたオレンジ色の脂。

 「これは……間違いない、サーモンのオイリーな証拠や!」

 「オイリー言うな!でも、眼鏡の主=犯人の可能性はあるってことやな」

 そこで平っち、唐突に叫ぶ。

 「真実は、いつも……シャリの中だ!!」

 「もうお前の口癖、意味わからんようになってきとるで!」

 追い詰められた犯人は、なんと――昆虫博士(眼鏡)。

 「サーモンに小さな昆虫が紛れ込んでるのを見つけて、研究のために全部持って帰ったんです!」

 「おまえ、どこまで学問に忠実やねん!」

 しかも虫除けスプレーは「サーモンを虫から守るために振った」とのこと。

 「これぞ……サーモンのボディーガードや!!」

 「アクション映画か!」

 店長・海老沢(エビテン)が、腕を組んで涙ながらに言った。

 「……ネタの裏には、昆虫がいたんだよ……」

 それ言うたら営業停止や!

 事件は無事(?)解決し、サーモンは無事解凍し直して提供再開。

 平っちは一言。

 「オレ、サーモンと虫の区別がつくようになった気がする」

 「なっとけ、それは!」

 今日もグルグル寿司には、ボケとネタと酢飯が回る。
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