【完】姪と僕とのグルメ事件簿【ミステリーオムニバスシリーズ1~4】

国府知里

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すしネタ探偵!シャリの上にも三年

【第3巻:エビと風船と、風に舞ったスカート事件】

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「すいませーん、エビ、まだ回ってこないんですけどー!」

 ランチタイム。グルグル寿司本店のレーン上から、エビを求める客の叫びがこだまする。

 「まさか……エビ、エビ、エビばっかり注文されるなんて、エビデンス取れてないわ!」

「ボケに証拠求めるなや、平っち!」

 今日も絶好調、すしネタ探偵・須々木平正(通称・平っち)と、ツッコミバイトリーダー・平目イサキ(通称・イサキちゃん)の名コンビが、謎という名のネタをさばいていく!

「エビ、全部なくなってんねんけど!」

 イサキちゃんが叫んだ。まさかのエビ全滅。

「昨日あんだけ仕込んだやん。てことは……消えた。シュリンプ・バニッシュや!」

「ちょっとおしゃれに言うな!」

 しかももう一つ、妙な光景が。

 ――店内に、カラフルな風船が大量に浮かんでいた。

「お子さま連れイベントなんかしてへんよな? なんで風船?」

 さらに事件を混沌とさせたのが、カウンター席の女性客が立ち上がったとき。

 突然風が吹いて、彼女のスカートがふわっと舞い上がったのだ。

「キャーーーッ!!」

 その瞬間、店内の誰かが何かを落としたような音がした。

 「ちょっと待って。今、スカートと風船と……音? おいイサキちゃん、これ、三段落ちか!?」

「やかましいわ!」

 事件の核心は、風船にあった。

 大量の風船の中に、1個だけ異常に重いものがあったのだ。

 中には、なんと真空パックのエビがびっしり。

「まさか、エビを風船で隠して浮かせてた!?」

「浮いてない浮いてない!逆に沈んでんねん!」

 どうやらこれは、冷蔵庫にあったエビを誰かが持ち出して風船に詰め、店内で目立たないように保管していたようだ。

 そしてスカート事件の直後、その風船が割れかけて“ポンッ!”と音を立てたのだった。

「そして犯人は……この制服のスカートや!」

「スカートが犯人ってどういう理屈やねん!」

「つまり、この風に舞うスカートで注目を集めてる間に、犯人は風船を処理しようとしたんだよ。まさに“風”のトリック!」

「言うてることが3割くらい感覚やねん!」

 結局、犯人は新人バイトのマナミちゃん。

 「エビが余ってるって聞いて、誕生日サプライズでお母さんにエビ風船をプレゼントしたくて……」

 「そもそも風船にエビ詰めるって発想が斬新すぎるわ!」

 店長・海老沢(通称・エビテン)が涙ながらに叫んだ。

 「……ネタの裏には、サプライズがあるんだよ!」

 事件は丸く収まり、回転レーンには新鮮なエビが踊り出す。

 風船はきれいに片付けられ、スカートは……まあ、しっかり押さえてね。

「今回の教訓は……エビも風船も、ほどほどが一番ってことだな!」

「あと、風には気をつけろや!」
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