【完】姪と僕とのグルメ事件簿【ミステリーオムニバスシリーズ1～4】

すしネタ探偵！シャリの上にも三年

【第7巻：たまごと実況と、タンスの角に泣いた夜】

「イサキちゃん、大事件や……！」

「今度は何が起きたん？中トロが喋り出したん？」

「ちがう！うちの店のたまごが実況されたんや！！」

「実況される寿司ってなに！？」

回転寿司チェーン「グルグル寿司 本店」にて、異変が起きた。

毎日人気の「特製たまご」が、ある日突然――
YouTubeで実況されていた。

タイトルは《最強の玉子寿司、今ここに爆誕！？ inグルグル寿司》。
投稿者の名は「実況王たんすの角」。

「……ツッコミどころが多すぎるわ」

投稿者「たんすの角」は謎のマスク姿。
動画内でやたらと玉子寿司を褒めちぎり、

「これは舌でとけるタンスの角！いや、たまご！」

「意味不明やん！」

だが、奇妙なのはそこじゃない。
問題は、動画に映っていた厨房の様子――完全に関係者しか撮れないアングル。

「つまり、店の中に実況犯がおる！？」

捜査（と呼ぶには騒がしすぎるボケ合戦）の末、浮かび上がった容疑者は3人。

新人バイト・山田くん（ゲーム実況者志望）

ベテラン職人・マツダさん（機械音痴）

店長・海老沢（泣き虫）

だが、山田くんは「ゲーム実況しか興味ないッス！」と証言。
マツダさんは「スマホ持ってないから！」と釈明。
エビテンは「玉子に未来を感じてなァ！！！」と泣きながら寿司を握っていた。

「どいつも濃すぎんねん！」

真犯人は――まさかの回転レーンに仕込まれた小型カメラ！

犯人は常連のオタク青年・カドカワくん。
彼はグルグル寿司のたまごを愛しすぎて、「もっと広めたい」という想いで実況していたのだ。

「ワイの玉子愛は、角に小指ぶつけるくらい痛烈なんや！」

「例え独特すぎる！」

しかもカドカワのチャンネル、地味に登録者5万人。
動画コメント欄は「たまご食べに行きました！」「角に共感！」のオンパレード。

最終的に、公式と提携して「公認実況寿司アンバサダー」に任命されるカドカワ。

「角はぶつけるためにあるんや……いや、愛を語るためにな！」

「もう何がなにやらや！」

今日もすしネタ探偵、タンスの角よりも尖ったツッコミで事件を解決！