【完】異世界に転生したら溺愛ロマンスが待っていました!皇太子も騎士もみんなこの世界"好き"のハードル低すぎませんか!?〜

国府知里

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シリーズ1【これぞ我がサダメ】

第18話 EXTRA STAGE4 - Grenza

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 本作はシリーズ1の、「第18話 ただ告白しただけなのに……。」のIF分岐ラブストーリーです。

 そう思ったら、わたしの脳裏に笑顔が浮かんできた……。

 あ……。

 心が勝手に走り出したのがわかった。

 この世界で生きると覚悟ができたから、もう心も体も自然と動き出したんだ。

 自分でも不思議なくらいに意識がリンクする。

 お城に帰ろう。

 そして、帰ったら、きっと伝えよう……。



  ***



 お城へ戻ってきたわたしは、真っ先に相対して向かった。
 顔を見ると、もう考えるより先に口が開いていて……。

「グレンザさん……、わたしと……結婚してください……!」

 その場にいた人たちの驚いた顔が一気に集まる。
 グレンザがさん口を開け、目をまん丸にして振り返った。
 目が合うや、一気にかあっと熱がのぼっていくのが見えた。

「サダメ様……、今、なんと……?」
「あの……、急にごめんなさい……。
 わたし、どうしても、今伝えたくて……。
 あの、順番間違えました……!
 結婚じゃなくて、その前に好きっていうべきだったのに……。
 わたし、グレンザさんと家族になりたくて、つい先走っちゃって……」
「サダメ様……、僕は……今夢を見ているのでしょうか……?」

 その言葉と同時にグレンザさんの体がそっくり返ってバタンと倒れた。

「きゃ、きゃあーっ!? グレンザさん!?」






 ***



 あれか1カ月。
 結婚式を無事に終えて、今宵は初夜……。

 い、未だに、し、信じられない。
 サダメ様が、僕を選んでくださるとは……。
 この戸の向こうに、サダメ様が……。

 高鳴る胸を押さえきれずに、そっと戸を押し開いた……。



 ***


 ***



 結婚して11か月が経つ。
 朝日の中で、お包みを抱いたサダメ様の姿。
 神にも等しい、敬虔な気持ちになる。

「サダメ様、かわりましょうか?」
「いいの、スザンナは今眠ったところよ。このまましばらく抱いているわ」

 優しくほほ笑むサダメ様の腕の中には、僕とサダメ様の第1子がすやすやと眠っている。
 私と同じ黄緑色の髪に赤灰色の目をした女の子。
 小さくて、柔らかくて、本当に可愛くて……。
 世にいう、本当に目に入れても痛くないって気持ちが僕にもわかってしまった。
 そっと指を手に持って行くと、小さな手がこれをぎゅうと握る。
 小さくても精巧な造りの指にはこれもまた小さな爪の付いていて、その指がついているのも小さな小さな手。
 それなのに、ぽかぽかと温かくて、他でもないまだほやほやのスザンナの意志で動いてる。
 すごいなあ……、感動しちゃうよ……。
 こんなに小さくても、生きているんだなあ……。

「邪魔をするぞ、グレンザ」
「よう、スザンナちゃんの顔を見にきたぞ!」
「ア、アデル団長、ウィル副団長、……ようこそ! ノーマンさん、トマスさん……、また来たんですか?」
「いいだろ、減るもんじゃなし」

 スザンナが生まれてからいつもの顔ぶれが用もないのにやたらと尋ねてくる。
 いや、いいんだけど……。
 でも、なんかどうかみんな来すぎだよ。

「はああ、かわいい。いつ見てもグレンザに似てないなぁ」
「似てるのは色だけですよね。あとはサダメ様似ですからきっと可愛い子に育ちますよ」
「うむ、きっと美人になるだろう」
「グレンザ、これは母乳の出をよくするハーブだそうだ。カリナから預かってきた」
「団長がわざわざ……、ありがとうございます」
「アデル様、ありがとうございます」

 聖母のように微笑むサダメ様を見て、アデル団長がにこりと微笑む。
 でも、あの笑顔の裏には、人知れず辛さを隠しているんだろうな。
 アデル団長がサダメ様に心から強い思いを寄せていたのは、王兵団の仲間なら誰でも知っている。
 正直、アデル団長じゃなく、なんで僕を選んでくれたのか、いまだによくわからない。
 サダメ様は、好きになることに理由がいるの? といってくれた。
 好きだから好きなんだって。
 それ以上にうれしい言葉ってないよ。
 だから、アデル団長にもいつかきっとそんな相手が現れてくれたらいいと思う。
 そのアデル団長がそわそわとスザンナを見ている。

「サダメ様、私にも抱かせてもらってもいいでしょうか……?」
「ええ、抱いてやってください」

 そうっとサダメさまの腕からスザンナ受け取ると、アデル団長がふわっと顔を緩めて目を細めた。

「なんとかわいい子だ……、スザンナ、よしよし」
「アデル様に抱っこしてもらえてよかったわね、スザンナ」
「本当に、サダメ様によく似ていますね……」
「みなさんそうおっしゃってくれるんですけれど、わたしにはアルバート家の血筋に似ているように感じます」
「そうでしょうか……。だって、この目の形にまつげが長いところも……。
 それに、鼻や唇の形、耳の形も……。額の丸みだってそっくりですよ」

 アデル様がサダメ様とスザンナを交互に見ながら挙げていく。

「肌の白さだって、きめの細かさだって……」

 アデル団長が突然かあっと頬を染めた。
 わかりますよ。
 自分で言っていて、恥ずかしくなっちゃったんですね……。
 肌のきめに気づくほどじっくりと観察してしまった上に、サダメ様の美しさに改めて気づいちゃったんですよね?
 僕もサダメ様を前にいると、いまだにどぎまぎしてそわそわが止まらないことがありますから。
 あの黒い瞳にじっと見つめられると、なんというか、ロックオンされてしまう……。
 獲物だったら完全に仕留められているところだ。

「と、とにかく……。きっと美しく聡明な子に育ちつことでしょう……」
「アデル様に褒めてもらえてよかったわね、スザンナ」

 サダメ様がスザンナの小さな手を取ると、ちゅっと口づけをして、女神のように微笑んだ。
 うわっ、今の……!
 ああっ、アデル団長が爆死……!
 ウィル副団長が慌てて椅子を勧めてくれた。
 よかった……。  
 アデル団長が卒倒するところだった。
 というか、赤ちゃんよりも可愛さで優るサダメ様が、すごすぎる。
 危うく、僕までやられるところだった。
 こんな人が僕の奥さんだとは……。
 歓喜を通り越して危機すら感じるよ。
 どれだけの男たちがこの先どれほど被弾するかわからない。
 きっと僕も一生デレデレなんだろう。
 でも、それがあまりにも心地よくて、僕はみずからそこへ飛び込んでしまうんだ。

「サダメ様、僕もまねしていいですか?」
「スザンナ、パパがあなたにキスしたいって」
「う~ん、チュッ! ママにも、チュッ!」

 スザンナを抱いているアデル団長が苦笑する。
 すみませんね、団長。
 この場所、誰にも譲る気ないんです。
 サダメ様の素敵なところは全部、いちばん近くで見ていたいんです。
 スザンナという天使と、サダメ様という女神。
 どちらも独り占めできるのは僕だけの特権なんですから。







 溺愛ロマンス EXTRA STAGE4 - Grenza ~これサダシリーズ1 EXTRA STAGE~
を、ご愛読ありがとうございました。
 本編をお楽しみいただいた読者様にも、本作からお楽しみいただいた皆様にも、心より感謝申し上げます。グレンザとの溺愛ストーリーはいかがでしたでしょうか? これサダシリーズのEXTRA STAGEはこのあとも随時公開して参りますので、ぜひお楽しみいただければ幸いです!  引き続きアデル以外のキャラクターとサダメが結ばれていたら? という、もしものストーリーが展開します。読者様のお気に入りキャラ、もしくは意外なカップリングをお楽しみいただければと思います。また、本編をまだ読んでないよと言う読者様は、本編もぜひお楽しみくださいませ! 作者マイページから「お気に入り登録」して頂くと、最新更新のお知らせが届きますので、こちらもご活用ください。

▶本編はこちら。マイページからご覧いただけます。
 これサダシリーズ1【これぞ我がサダメ】
 これサダシリーズ2【これぞ温泉旅行】
 これサダシリーズ3【これぞ雨降って地固まる】

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 最後になりましたが、改めまして本作を楽しんでいただき、またあとがきにも目を通してくださった皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。また次の作品でお会いしましょう!

 次回の恋のお相手はトマスです。作者マイページから「お気に入り登録」して頂くと、最新更新のお知らせが届いて便利ですので、よろしかったらこちらもご活用ください。

 こちらもぜひお楽しみください。

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