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第三部
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「本当? 良かったあ。一番いい席のチケットキープしておいたって、せいらちゃん言ってたから。もし、唯香ちゃんが好きな曲あったら事前に教えてくれれば、お祝いに弾きたいんだって言ってるんだけど、何かリクエストあるかな?」
「えっ? だって、もうプログラム決まってるでしょ?」
「うん。ベートーヴェンの三大ピアノソナタだって」
「じゃあ、私のリクエスト曲が入り込む余地ないじゃん」
「うん……そうなんだけどね。アンコールで弾かせていただけたらって言ってたような」
唯香のピリピリ感をスマホ越しに受け取ったタケルがおどおどしながら答えた。
「ああ、そういうことね。じゃあ、ベタな選曲かもだけど、リストの『愛の夢』でお願い
するわ」
「了解! リフトの『愛の夢』だねっ!」
「“リスト“だってばっ!“リフト“って誰よっ? 本当にアンタって、ロック以外知らないのねえ。嫁が一流のピアニストなんだから、少しくらい、クラシックにも興味持ちなさいよっ!」
唯香が爆笑したことに安堵したらしいタケルも、つられて笑っていた。大学時代にタケルとクラシックコンサートに行った時、隣でいびきをかいて寝ていたタケルのことを思い出し、ああ、こいつは昔と変わらないなあ、と、唯香は妙に感心して、そして、少しだけ嬉しかった。
「えっ? だって、もうプログラム決まってるでしょ?」
「うん。ベートーヴェンの三大ピアノソナタだって」
「じゃあ、私のリクエスト曲が入り込む余地ないじゃん」
「うん……そうなんだけどね。アンコールで弾かせていただけたらって言ってたような」
唯香のピリピリ感をスマホ越しに受け取ったタケルがおどおどしながら答えた。
「ああ、そういうことね。じゃあ、ベタな選曲かもだけど、リストの『愛の夢』でお願い
するわ」
「了解! リフトの『愛の夢』だねっ!」
「“リスト“だってばっ!“リフト“って誰よっ? 本当にアンタって、ロック以外知らないのねえ。嫁が一流のピアニストなんだから、少しくらい、クラシックにも興味持ちなさいよっ!」
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