成瀬さんは世渡りが下手すぎる

喜島 塔

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第三部

最終話

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 夢を見るのに年齢は関係ないという。でも、それは綺麗ごとだ。叶えたい夢によっては、それこそ、才能をもって生まれ、且つ、幼少期から恵まれた環境で英才教育を受けなければ不可能なものも山ほどある。人間なんて、この世に生まれてきた時点で、ある程度の選択肢が決められているのだ。でも、そこまで無謀な夢でなければ、叶えることができる夢だって、たくさんある。海外移住や留学にしたって、はじめの一歩を踏み出さなければ、死ぬまで“夢”のままだ。英語……なんなら、フランス語もスペイン語も習得して、いろいろな国の人々とコミュニケーションをとりたい! 周りの人たちと自分を比較して卑屈になる自分を変えたい! 

 いつの間にか、自ら築いていた他人との“壁”自ら引き籠っていた心の“檻”を、すべて、ぶち壊す! これなら、きっと、私にもできるはず! そう唯香は思った。

 ――空港にて。

 涙を流しながら唯香を見送るタケル。
 笑顔で手を振る唯香。

 唯香の背後には、巨大な鳥のようなジャンボジェット機が両翼を悠々と広げながら、気持ち良さそうに、スカイブルーの空に吸い込まれるようにして、次々と飛び立っていった。

「待ってろよ! 私の新しい人生!」

 未知の世界への挑戦を前に、唯香の瞳には闘志が漲っていた。


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