元落ちこぼれ退魔師がゲームの世界から帰ってきました

若旦那

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 ◇◇◇





 時間の渦を流れているような感覚が確かにあった。
 頭が回る。いくら神器とは言えど世界を渡ることは出来ない。この有り得んばかりの所業をしかと佐久間は体で受け止めた。
 両手には幼い子供たち。魔王に任された、勇者に託された。
 十年ぶりの地球。日本。もうあのころとは違う。

 別に術師として成り上がりたいわけではありません。そうですね、あっちでは酒場でバイトしてたこともあったのでBARを開くのもありかも知れませんね。
 この子達を学校に通わせて、私がBARで働く。
 ええ、悪くないアイデアですね。

 目に見えていた訳では無い。ただ、そろそろ着く。そんな虫の知らせのような力が働いた。


 ストッ

 場所は自室。放り出されたように地面に叩き落とされそうになったので、二人を抱え込み着地する。
 どっと2人の体が大きくなったのか、持ちにくくなった。

「つきましたね。それでは此処で待っていてください」

 抱えていた二人を床にそっと下ろし、周りを確認する。
 ここは紛れもない自分の部屋だった場所。10年も空けていたのに、全く変わっていない。

 てっきり部屋など撤去されていたと思っていました。

「さくま??」

 魔王の娘が首を傾げる。
 何故でしょう。部屋がPCの明かりしかないので確認しにくいのでしょうか?

「ええ、そうですよ魔王の娘さん」
「むー、なまえはやくつけてね!」
「はい、いい名前を思いつきましたので後ほど」

 魔王の娘と話し終わったら、次は次期勇者だった少女、ヤシャが声をかけてきた。

「…サクマさん何ですか?」

 二度目となると、いくら佐久間といえど異変があったのかと心配になる。自分は彼女たちからどう見られているのだろうか?と

「ええ、どうしてそう思うのですか?」
「…姿が、変わってる」

 そうヤシャに指摘されるまで気付かなかった。
 確かにいつもより目線が低いかもしれない。よく見ればヤシャと魔王の娘にとても近くなったような気がする。

 おかしい。

 やっと今の自分の異常さに気付いた。
 手が細い、声が高い、筋肉量が減った。

 自室の明かりがPCだけなので、急いで照明をつける。
 そしてスマホの画面に反射した自分の姿を見て驚愕した。

「これは、高校時代の私ですか…」

 画面に写っていたのは、紛れもない虐められっ子で何も出来ない、佐久間の捨てた甘さを持っていた青年時代の佐久間だった。

「さくまへんなかっこー!!」

 魔王の娘にそう言われ自分の来ている服を見る。
 これはボロボロになった制服だった。

 まさかと思い、自分の現状を確認した。

 「ステータス」


 ーーーーー
 名前:百鬼 佐久間
 種族:人間
 職業:【収集者アイテムコレクター

 固有スキル:【無制限リミッターゼロ
 職業スキル:【収納箱アイテムボックス】【使用ユーズ】【収納コレクト】【一覧リスト


 称号:【最高神に呼ばれた者】【アイテムコレクター】【コンプリート】【神器使い】【魔王の保護者】【勇者の保護者】
 ーーーーー


 何やら二つほど見覚えのない称号があるが、気のせいだろう。何とか此方でもステータスを見ることが出来る。つまり、スキルの発動も問題ないだろう。



 「【収納箱アイテムボックス】」
 「【一覧リスト】」

 職業スキルを発動させ、アイテムボックスの中身を確認する。

 疑っていた訳ではありませんが、本当にすべてこっちに持ってこれたのですか。
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