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第2章
いざ移動ポートで
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私がそんな事を思っているとショーン様が「まぁ、それはそうだろうな。それにうちの両親にも話しておかないといけないし。あーーーやらなきゃいけないことがありすぎるのに時間がない。とりあえずそうと決まればうちに移動する間に続きは話そう。3人だけでいいのか?」と聞いてくれる。
とりあえず、今私が一つ一つに質問するのは控えておこうという事。
そしてその間にもフレッドとショーン様は話を進め、この家とショーン様を結ぶ為の移動ポートの準備をしておこうと何かを始めた。
分からない事ばかりで眺めている事しかできない私を裾を、膝の上にいるキュミーが引いた。そちらに視線をずらすとキュミーと目が合う。
「ねぇサリー、ここにいるみんなでサリーたちのいる国に行きたいって言ったら迷惑かミュ?」
そう小さな声で聞いてくる。
やだ、なにこの可愛い子……
私はぎゅっとキュミーを抱きしめ、腕の中のキュミーを見つめながら答える。
「迷惑な訳ないじゃない!大歓迎よ!
でも……この国からいなくなったりしても大丈夫なの?あなたたちのこともそうだし、この国も」
私がキュミーたちにきてというのは簡単だけど、今日初めて知った事実がある以上、そんなわけにはいかないことは分かる。どれだけ精霊がこの国に影響を与えているのか。そんな事すらわからない私には断言なんてできないのだ。
「ほんとう?みんなとっても喜ぶミュ!
私たちが祝福を与えていたからこの国が繫栄したことは間違いないミュ。でもそれが当たり前になってしまった。そしてその力を欲さんがために愛し子を犠牲にした。この事を私たちは許さないミュ!!
私たちはまだこの国にいただけで、他の精霊たちも少しずつこの国を離れていっているミュ。それほどに長く続いた今の王家のやり方には辟易としているの。
もちろん魔力があふれているこの国は私たちに取って住みやすい土地であることに違いないミュ。でもそれよりも落ち着ける環境を求めてるの。だからサリーがそばにいる事を許してくれるなら私たちはサリーと共に行きたい」
強いまなざしで私を見つめながらキュミーはそう言った。
「そうなの?でも行く方法や暮らす場所のこともあるから一度フレッドにも話してから決めましょう。
私は今までずっとキュミーたちに幸せにしてもらってきた。だから少しでもキュミーたちが幸せになれるように私も何かしたいの。それがそばにいる事ならもちろん一緒に行きましょう」
私がそういうとキュミーはぎゅっと抱きついてきた。なんだかこうしているとただの子どもみたいなのに精霊だなんて不思議よね。
でもほんとうにキュミーたちも幸せでいてほしい。イヴァンカ国の王家に傷つけられてきた精霊だからこそ、幸せになってほしいと思う。
それからしばらくしてショーン様とフレッドが戻ってきた。こちら側の移動ポートの準備ができたらしい。後はショーン様の家でしかできないんだそう。
そこで家をアンに任せて私たちは馬車にのり、ショーン様の家に移動する。家に着くとショーン様は、出迎えに来ていた執事に簡単に説明をし、あとはチャールズに聞いてくれ、自分たちが戻るまでに両親に説明して欲しいといっていた。その間に自分たちはフレッドたちと共にカリシャール国へ行ってくると説明して。
そのままショーン様の部屋に行くと、そこは……驚くほど普通の部屋だった。移動ポートがあると言われて、なにか大掛かりな装置があるのかとか、別の扉があるのかなども考えたけど、そういうものも一切なく、ただ普通の部屋だった。
これで本当に遠く離れた場所へ移動などできるのか疑問に思ってしまう。
だが、私のそんな疑問をよそにショーン様がさぁ行こうかと私たちに言葉を投げかけ空中に手をかざした瞬間そこには黄色の縁の白いドアが浮かび上がった。
フレッドが私の手を握り、私もそれに習ってキュミーの手を取る。フレッドがショーン様の手を握り、ショーン様が目の前のドアのノブに手をかけた瞬間目を開けていられないほどのまぶしい光が差し、思わず目をつぶってしまった。そして次に目を開くとそこは何度か足を運んだ見覚えのある場所、フレッドの王宮の自室だった。
私は驚きながらその部屋を見渡していると「ごめん、あまり説明もできないんだけど先に父の執務室に向かおう」そんなフレッドの言葉で全員で部屋を出て陛下の執務室に向かう。王宮の廊下ですれ違う人たちはフレットの姿を見てペコリとお辞儀をした後、あれっと再度振り返る、そんなことが何度も続いた。
そんな人たちを横目に廊下を歩き、陛下の執務室につくとフレッドがノックをする。
すぐに扉は開かれ、そこから宰相が顔を出した。宰相がフレッドの顔見て「フレッド様?」と驚いた声を出すと、奥から「フレッド?」と陛下の声が聞こえてきた。
すぐに奥から入れと言う声が聞こえ、私たちが部屋に通されると部屋には執務机に向かう陛下と扉を開けてくれた宰相の2人のみだった。
部屋に入ってすぐに投げかけられた言葉。
「フレッド、どうしてここにいるんだ?お前は今イヴァンカ国にいるはずだろう?」
とりあえず、今私が一つ一つに質問するのは控えておこうという事。
そしてその間にもフレッドとショーン様は話を進め、この家とショーン様を結ぶ為の移動ポートの準備をしておこうと何かを始めた。
分からない事ばかりで眺めている事しかできない私を裾を、膝の上にいるキュミーが引いた。そちらに視線をずらすとキュミーと目が合う。
「ねぇサリー、ここにいるみんなでサリーたちのいる国に行きたいって言ったら迷惑かミュ?」
そう小さな声で聞いてくる。
やだ、なにこの可愛い子……
私はぎゅっとキュミーを抱きしめ、腕の中のキュミーを見つめながら答える。
「迷惑な訳ないじゃない!大歓迎よ!
でも……この国からいなくなったりしても大丈夫なの?あなたたちのこともそうだし、この国も」
私がキュミーたちにきてというのは簡単だけど、今日初めて知った事実がある以上、そんなわけにはいかないことは分かる。どれだけ精霊がこの国に影響を与えているのか。そんな事すらわからない私には断言なんてできないのだ。
「ほんとう?みんなとっても喜ぶミュ!
私たちが祝福を与えていたからこの国が繫栄したことは間違いないミュ。でもそれが当たり前になってしまった。そしてその力を欲さんがために愛し子を犠牲にした。この事を私たちは許さないミュ!!
私たちはまだこの国にいただけで、他の精霊たちも少しずつこの国を離れていっているミュ。それほどに長く続いた今の王家のやり方には辟易としているの。
もちろん魔力があふれているこの国は私たちに取って住みやすい土地であることに違いないミュ。でもそれよりも落ち着ける環境を求めてるの。だからサリーがそばにいる事を許してくれるなら私たちはサリーと共に行きたい」
強いまなざしで私を見つめながらキュミーはそう言った。
「そうなの?でも行く方法や暮らす場所のこともあるから一度フレッドにも話してから決めましょう。
私は今までずっとキュミーたちに幸せにしてもらってきた。だから少しでもキュミーたちが幸せになれるように私も何かしたいの。それがそばにいる事ならもちろん一緒に行きましょう」
私がそういうとキュミーはぎゅっと抱きついてきた。なんだかこうしているとただの子どもみたいなのに精霊だなんて不思議よね。
でもほんとうにキュミーたちも幸せでいてほしい。イヴァンカ国の王家に傷つけられてきた精霊だからこそ、幸せになってほしいと思う。
それからしばらくしてショーン様とフレッドが戻ってきた。こちら側の移動ポートの準備ができたらしい。後はショーン様の家でしかできないんだそう。
そこで家をアンに任せて私たちは馬車にのり、ショーン様の家に移動する。家に着くとショーン様は、出迎えに来ていた執事に簡単に説明をし、あとはチャールズに聞いてくれ、自分たちが戻るまでに両親に説明して欲しいといっていた。その間に自分たちはフレッドたちと共にカリシャール国へ行ってくると説明して。
そのままショーン様の部屋に行くと、そこは……驚くほど普通の部屋だった。移動ポートがあると言われて、なにか大掛かりな装置があるのかとか、別の扉があるのかなども考えたけど、そういうものも一切なく、ただ普通の部屋だった。
これで本当に遠く離れた場所へ移動などできるのか疑問に思ってしまう。
だが、私のそんな疑問をよそにショーン様がさぁ行こうかと私たちに言葉を投げかけ空中に手をかざした瞬間そこには黄色の縁の白いドアが浮かび上がった。
フレッドが私の手を握り、私もそれに習ってキュミーの手を取る。フレッドがショーン様の手を握り、ショーン様が目の前のドアのノブに手をかけた瞬間目を開けていられないほどのまぶしい光が差し、思わず目をつぶってしまった。そして次に目を開くとそこは何度か足を運んだ見覚えのある場所、フレッドの王宮の自室だった。
私は驚きながらその部屋を見渡していると「ごめん、あまり説明もできないんだけど先に父の執務室に向かおう」そんなフレッドの言葉で全員で部屋を出て陛下の執務室に向かう。王宮の廊下ですれ違う人たちはフレットの姿を見てペコリとお辞儀をした後、あれっと再度振り返る、そんなことが何度も続いた。
そんな人たちを横目に廊下を歩き、陛下の執務室につくとフレッドがノックをする。
すぐに扉は開かれ、そこから宰相が顔を出した。宰相がフレッドの顔見て「フレッド様?」と驚いた声を出すと、奥から「フレッド?」と陛下の声が聞こえてきた。
すぐに奥から入れと言う声が聞こえ、私たちが部屋に通されると部屋には執務机に向かう陛下と扉を開けてくれた宰相の2人のみだった。
部屋に入ってすぐに投げかけられた言葉。
「フレッド、どうしてここにいるんだ?お前は今イヴァンカ国にいるはずだろう?」
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