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夫は・・・・
しおりを挟む祖母がお世話になってと言っておりましたが……なんのお世話になったのでしょうね。
でも私はたいしてお世話になったわけではないので、あまり考えないことにしましょう。
それにきっと今日会ったリンダも………まだ3歳の少女には可哀想ですが、私にはなにもしてあげることはありません。
夫は仕事が忙しいのだと思っていました。
お祖父様からの指示で婿入り5年間は外で仕事をしてもらうことにしていました。
だから彼には商家で経営術を学んでもらっているのです。
経営術はなにも本当に経営しなくとも、様々な点で知っておくべきことです。
そのために、直接我が家と関りがないところで学んでもらっています。
彼は子爵家の息子であり、我が家との縁はかなり恵まれたものだったと言えるでしょう。
あちらの家族ももちろん大喜びでした。
それがこんな結果になるだなんて。
それから1週間、彼の事、彼の愛人の事、彼の子どもの事、徹底的に調べました。
そしてわかったのが………
夫は自分が思っていたような人ではなかったのだろうと言うこと。端的に言うとくそ野郎ですね
まず浮気相手の女性。
彼女はシャルが言っていた通り男爵家の娘であり、未だ未婚の29歳。
名前はリリアン・レリアーノ。
1人の娘がおり、2人目の子を身籠っているということ。
お腹の大きさ的に何事もなければあと2か月後くらいには出てくるでしょう。
レリアーノ男爵家は父親が誰かは知らず、どうしたことか悩んでいたらしいのですが、相手が未婚の男性であり、身分が違うためまだ迎えに来てくれないが、必ず迎えに来てくれると言う娘の言葉を信じ、それならばと諦めたそうです。
ですがその後、男爵家は女性の弟が爵位を継ぎ、当主となりました。
リリアンの父である元当主は当主になる弟は厳しく躾、娘であるリリアンは可愛ければ嫁ぎ先はあると、あまり小難しい教育はしなくていいという方針だったようです。
そのため、周りが少し困惑してしまうような言動が見られていたようなのです。
そして、そんな教育だったからでしょう。弟である新当主とリリアンは上手くいっておらず、当主交代になってすぐに離れに住まいを移されたそうです。
前当主より新当主の方がもしかしたら頭が回る方なのかもしれませんね。
いえ、というよりも、リリアンの頭が弱いと言うべきでしょう。
だってすでにお腹は大きく目立つため、仕事にもいけていないのです。そのため家にずっといて、家族の世話になっているのに、その詳細すら話さないなんてそんな話ありませんよね。
その前にリンダもほとんどメイドが面倒を見てくれているそうです。リンダを生んでしばらくするとまた働き始め、その間もずっとメイドが面倒を見ていたそうです。そんな迷惑をかけているのに父親の事はなにも話さないだなんてありえません。
そうでなくてもいくら男爵家とは言え、貴族女性が結婚もせず子どもを母一人で育てているなんて問題があると公言しているようなものなのに。
そして、もう一つの問題。私の夫についてです。
ジョシュエル・トリアーノ、旧姓ジョシュエル・ゴルドーは子爵家5人兄弟の3男。男ばかりの家で育ち、成人するまでに自分自身の爵位は得られていない。そのため、貴族と結婚することができなければ平民として今後は暮らすことになっていたでしょう。
それを可哀想に思ったのか、彼の祖母が私の祖母に頼み込んできたのです。
幸い、私自身が領地経営に向いていたようで、学園でも優秀な成績で卒業することができました。そのため、結婚相手にはあまり望んでいませんでした。それはきっと家族の誰もが思っていたこと。
私を助けては欲しいけど、あまり威張り散らすような人であってほしくないとだけは考えていました。その条件に夫があったというだけです。
ですが、お付き合いをして、結婚して、それなりに大切に思っていたつもりです。
家族ですし、助け合っていたつもりでした。
でもこんな裏切りがわかってまで繋ぎとめておきたいほどかというとそんな情は一切持ち合わせておりません。
冷たいと言われるかもしれませんが、それで構いません。信頼できない人と家庭など共に築いていけないのですから。
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