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僕のプリンセス
しおりを挟むそんなことをぶつぶつ言いながら釣書に対して御礼状を準備をしながら返却していきます。
こんなに釣書が来てしまうと私を望む人などいないと言うことは言えなくなってしまいます。だから相手を探さなくては…そうは思いますが………
「じゃあ僕にしたら?」
そんな軽口を目の前に座っているダグラスが言います。
その言葉に驚き、目を瞬かせてしまいますが、そんなことを言うほど心配してくれていることに嬉しくなると同時にこんな冗談を言うなんてとおかしくなってしまいます。
「ふふふ、そうねあなたを次の旦那さんはあなたね」
そう言い返しながらまた新たな釣書をめくります。
そういえば幼い頃もこんな冗談を言い合っていた気がします。
友人の子爵令嬢に婚約者ができたことを知り私は衝撃を受けました。
まだ8歳の頃だったと思います。
しかも相手はお会いしたことも見たこともない方。そんな方との婚約だなんて不安しかありません。
そう思ってダグラスの前で呟いたのです。
『「リシャールに婚約者ができたのだそうよ。隣国の貿易業を営む子爵家の嫡男なんだそう。大人になったらその方のところに嫁ぐのですって。
私も見ず知らずの婚約者がいつかできるのかしら。その方とは仲良くなれるのかしら……とても不安だわ……」
「ダメだよ。勝手に嫁いだりしないで。君の王子様になるのはいつだって僕なんだ。
他の人にその役目をあげたりしないよ。
僕のプリンセス、いつか僕が君を迎えにくるから待っててね」
「ふふふっ、そうね。ダグラスはいつだって私の王子様役だものね。
王子様、私はずっとあなたのお迎えをお待ちしておりますわ。だからきっと迎えに来てくださいまし」』
幼い頃から遊んでいたダグラス。
お姫様ごっこをするときの王子役はいつもダグラスの役目でした。
だからこうやって”僕のプリンセス”と言ってくれていたのです。
そんな淡い記憶を思い出しながら釣書に目を通します。
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