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61.笑顔の鬼
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不貞行為による慰謝料の支払いは平均として300万ルべ~2,000万ルベが平均。爵位によって慰謝料の額も変わってくる。
だけど3,000万ルべの支払いは破格過ぎるものである。
貴族は基本的に家ではなく個人資産も所持しているから、きっとそこから支払うことになるだろう。だがそれを払ってしまってはきっとこれから、平民として生きるための蓄えはなくなるのではないだろうか。
だが、これは裁判所が決めたこと。
私が心配するような事ではないのだ。
この裁判で裁かれた人たち全員の刑が確定した瞬間だった。
こうしてようやく裁判も終わり、長い長い悪夢が終わった気がする。5歳から続いた悪夢、それがようやく終わりを迎えた。
後で聞いた話だけれど、あの裁判長は”笑顔の鬼”という名で関係者には知られているらしい。あの裁判長はにこにことした笑顔で、重たい判断を下すことから”笑顔の鬼”と呼ばれていると聞いた。しかもこの裁判長、それを本気で楽しみながらやっているらしく、周りの職員はその様子に引いてしまうんだそう。特に今回はアルバとのやり取りにほかの職員が殺気を出してしまうほどにイラついていたのに、裁判長だけは楽しんでいて、一つずつに罰を加算していく様子にあれはやはり”鬼”だったと再認識されたらしい。
あれは間違いなくアルバが悪く、法廷侮辱罪にあたるという認識は全員一致していたらしい。だが、それにしても何度も罰を与えるようにわざと挑発的にアルバに言葉を求めたのは間違いなく裁判長であり、それで毒の服用年数を増やしたのだ。何ならもっと増やそうとしていたと聞いて怖くなってしまった。
それからスタンヒル家に関して、前日の判決で100万ルべと言ったのは元々撤回する予定だったらしい。
その判決を聞き、逃げることもなく、反省した態度を見せればそのままという道もあったらしい。いや、上乗せする予定ではあったらしいけど。
でもそうなればきっと平民としてはかなり裕福な暮らしができたのではないだろうか。
だが彼らはその選択はしなかった。
臨時の裁判が終わった後、金品をもち逃げようとした。そして他国へ逃げ込み、貴族籍を金で買おうとしていたそうだ。
そういったことをしっかりと見極めるためにもあの日自宅に帰したというのに。
裁判所で裁判が行われた後はもちろん牢に入れられ、身柄は自由にされることはなく、そのまま各々が与えられた場所へ向かうこととなった。
もちろんあれ以降彼らに会う機会はなかったし、会いにも行かなかった。
きっと会いに行っても自分の心がすっきりすることなんてないし、きっとあちらもそんなこと望んでいないと思ったから。
あれから1週間後、私にはかつて父だったあの男と、婚約者だったグレン様の2人から手紙が届いた。裁判の後すぐに出されたらしいが、検閲され、私のところに届くまで時間がかかったようだ。でも別に望んでいたものでもないし、中身が見たいかと言われればすぐには頷くことはできない。けれど、読んでみたい気持ちがあるのは事実。
私は手紙を開いてみることにした。
手紙を開く私の両隣にはカル祖父様とティティ祖母様が心配そうについてくれる。
この家に来てから1か月以上、2人は過保護なほどに私を心配してくれる。
もう17歳なのに、そうとは思えないほどに心配してくれる。でもそれが嬉しいと感じてしまうのだから、今はやめてとは言えない。
そんな2人に挟まれて私は手紙を読むことにした。
はじめに手にしたのはグレン様の手紙。
だけど3,000万ルべの支払いは破格過ぎるものである。
貴族は基本的に家ではなく個人資産も所持しているから、きっとそこから支払うことになるだろう。だがそれを払ってしまってはきっとこれから、平民として生きるための蓄えはなくなるのではないだろうか。
だが、これは裁判所が決めたこと。
私が心配するような事ではないのだ。
この裁判で裁かれた人たち全員の刑が確定した瞬間だった。
こうしてようやく裁判も終わり、長い長い悪夢が終わった気がする。5歳から続いた悪夢、それがようやく終わりを迎えた。
後で聞いた話だけれど、あの裁判長は”笑顔の鬼”という名で関係者には知られているらしい。あの裁判長はにこにことした笑顔で、重たい判断を下すことから”笑顔の鬼”と呼ばれていると聞いた。しかもこの裁判長、それを本気で楽しみながらやっているらしく、周りの職員はその様子に引いてしまうんだそう。特に今回はアルバとのやり取りにほかの職員が殺気を出してしまうほどにイラついていたのに、裁判長だけは楽しんでいて、一つずつに罰を加算していく様子にあれはやはり”鬼”だったと再認識されたらしい。
あれは間違いなくアルバが悪く、法廷侮辱罪にあたるという認識は全員一致していたらしい。だが、それにしても何度も罰を与えるようにわざと挑発的にアルバに言葉を求めたのは間違いなく裁判長であり、それで毒の服用年数を増やしたのだ。何ならもっと増やそうとしていたと聞いて怖くなってしまった。
それからスタンヒル家に関して、前日の判決で100万ルべと言ったのは元々撤回する予定だったらしい。
その判決を聞き、逃げることもなく、反省した態度を見せればそのままという道もあったらしい。いや、上乗せする予定ではあったらしいけど。
でもそうなればきっと平民としてはかなり裕福な暮らしができたのではないだろうか。
だが彼らはその選択はしなかった。
臨時の裁判が終わった後、金品をもち逃げようとした。そして他国へ逃げ込み、貴族籍を金で買おうとしていたそうだ。
そういったことをしっかりと見極めるためにもあの日自宅に帰したというのに。
裁判所で裁判が行われた後はもちろん牢に入れられ、身柄は自由にされることはなく、そのまま各々が与えられた場所へ向かうこととなった。
もちろんあれ以降彼らに会う機会はなかったし、会いにも行かなかった。
きっと会いに行っても自分の心がすっきりすることなんてないし、きっとあちらもそんなこと望んでいないと思ったから。
あれから1週間後、私にはかつて父だったあの男と、婚約者だったグレン様の2人から手紙が届いた。裁判の後すぐに出されたらしいが、検閲され、私のところに届くまで時間がかかったようだ。でも別に望んでいたものでもないし、中身が見たいかと言われればすぐには頷くことはできない。けれど、読んでみたい気持ちがあるのは事実。
私は手紙を開いてみることにした。
手紙を開く私の両隣にはカル祖父様とティティ祖母様が心配そうについてくれる。
この家に来てから1か月以上、2人は過保護なほどに私を心配してくれる。
もう17歳なのに、そうとは思えないほどに心配してくれる。でもそれが嬉しいと感じてしまうのだから、今はやめてとは言えない。
そんな2人に挟まれて私は手紙を読むことにした。
はじめに手にしたのはグレン様の手紙。
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