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名前はルイーナ ⑤
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「私はね、あのことがあって、関わったあの人たちが罰せられると分かっていたのにそれを結婚式会場で公にしてしまった。そしてそれが引き金で次々と罪が暴かれ、よっぽど頑張らなければ彼らは死ぬまで鉱山から出てくることはできないわ。それでもそれでよかったと思っているの。」
「それは…当たり前だと思います……罰せられるべきことをしていた両親に問題があったのであって…」
「でもね、やっぱり後悔していることがあるの。それはあなたを鉱山で生ませてしまったこと。それだけはどうしても後悔せざるをえないの」
「そんな……シャロン様が後悔なさることなんて、私が生まれてさえ来なければ……婚約破棄なんてされずに…それに事件だって……本当に申し訳ありません」
「それは違うわ!あなたがお腹の中にいようがいまいがあのことは起こったわ!それだけはまぎれもない事実。それに私は婚約破棄したことも起きてしまったことも後悔なんてしたことはないわ。そうでなければ私はジョージとこうして夫婦になることはできなかった。それがあなたが生まれてしまったことで起きたことならば感謝こそすれ、謝罪されることなどありません」
「でも、私が生まれなければ……」
シャロン様に両親がしたこと、多くの人にしたこと。それらはどれも許されるものではなく、両親の罪を知ったらそれを背負っていこうと思っていたけど、そう思うには重すぎる罪で、そう思ったら小さな謝罪と涙が零れ落ちてきた。
「ふっ…、ごめんなさいっ……っ…生まれてしまって……ごめんなさい……」
いつの間にかシャロン様が私の前に膝をつき、私の手を握りしめてくれている。
「ルイーナ、私はあなたに感謝の気持ちしかないのよ?あなたが生まれてきてくれて本当によかった。鉱山で無事に生まれたと聞いてほっとしたわ。それから養護院に預けられるようになったと聞いた時もほっとしたわ。養護院に預けられるなら侯爵家で引き取ろうかとジョージとも何度も相談したのよ。
でもあそこの養護院は鉱山に近く、親が面会を申請する可能性があるのならとそちらでお願いすることにしたの。それに、下手に私たちが動いてしまうといやでもあなたの耳にあの当時の事が届いてしまうわ。そうならないようにと思ったの。
だから養護院の方と話をしたの。18歳になったときあなたが望むのなら私が正直にすべてをお話すると。でももし望まないのならばそれでもいいと。
私はきっとあなたなら事実を知ろうとするだろうと思ったの。だから今日迎えにいったのよ。
私はあなたが生まれて来てくれて嬉しいわ。生まれて来てくれて、そしてこんなに素敵な女性に育ってくれてありがとう」
そう言って、優しく私を抱きしめてくれた。
私はあの両親の子どもなのに…
「ふっ、ぅぁ………ごめんなさい……ごめんなさい…」
「ルイーナ、こういう時はごめんなさいではなく、ありがとうというべきよ」
「ふっ、ぅぅ………ありがとう……ありがとう…ありがとうございます………」
私が泣き止むまでずっと、シャロン様は私を抱きしめ、背中をさすってくれていた。
母のように……
やっと私が落ち着いたとき、外は暗くなっていた。
「それは…当たり前だと思います……罰せられるべきことをしていた両親に問題があったのであって…」
「でもね、やっぱり後悔していることがあるの。それはあなたを鉱山で生ませてしまったこと。それだけはどうしても後悔せざるをえないの」
「そんな……シャロン様が後悔なさることなんて、私が生まれてさえ来なければ……婚約破棄なんてされずに…それに事件だって……本当に申し訳ありません」
「それは違うわ!あなたがお腹の中にいようがいまいがあのことは起こったわ!それだけはまぎれもない事実。それに私は婚約破棄したことも起きてしまったことも後悔なんてしたことはないわ。そうでなければ私はジョージとこうして夫婦になることはできなかった。それがあなたが生まれてしまったことで起きたことならば感謝こそすれ、謝罪されることなどありません」
「でも、私が生まれなければ……」
シャロン様に両親がしたこと、多くの人にしたこと。それらはどれも許されるものではなく、両親の罪を知ったらそれを背負っていこうと思っていたけど、そう思うには重すぎる罪で、そう思ったら小さな謝罪と涙が零れ落ちてきた。
「ふっ…、ごめんなさいっ……っ…生まれてしまって……ごめんなさい……」
いつの間にかシャロン様が私の前に膝をつき、私の手を握りしめてくれている。
「ルイーナ、私はあなたに感謝の気持ちしかないのよ?あなたが生まれてきてくれて本当によかった。鉱山で無事に生まれたと聞いてほっとしたわ。それから養護院に預けられるようになったと聞いた時もほっとしたわ。養護院に預けられるなら侯爵家で引き取ろうかとジョージとも何度も相談したのよ。
でもあそこの養護院は鉱山に近く、親が面会を申請する可能性があるのならとそちらでお願いすることにしたの。それに、下手に私たちが動いてしまうといやでもあなたの耳にあの当時の事が届いてしまうわ。そうならないようにと思ったの。
だから養護院の方と話をしたの。18歳になったときあなたが望むのなら私が正直にすべてをお話すると。でももし望まないのならばそれでもいいと。
私はきっとあなたなら事実を知ろうとするだろうと思ったの。だから今日迎えにいったのよ。
私はあなたが生まれて来てくれて嬉しいわ。生まれて来てくれて、そしてこんなに素敵な女性に育ってくれてありがとう」
そう言って、優しく私を抱きしめてくれた。
私はあの両親の子どもなのに…
「ふっ、ぅぁ………ごめんなさい……ごめんなさい…」
「ルイーナ、こういう時はごめんなさいではなく、ありがとうというべきよ」
「ふっ、ぅぅ………ありがとう……ありがとう…ありがとうございます………」
私が泣き止むまでずっと、シャロン様は私を抱きしめ、背中をさすってくれていた。
母のように……
やっと私が落ち着いたとき、外は暗くなっていた。
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