シークレットベイビー~エルフとダークエルフの狭間の子~【完結】

白滝春菊

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シリウスの過去



 幼いころにダークエルフの両親を殺され、奴隷として売られてからはシリウスにとって、この世界で生きる事は地獄のようなものだった。

 自分を買い取った貴族からひどい扱いを受け、何度も脱走を試み、ついに脱走を成功させるが今度はダークエルフという事からどこに行っても迫害を受けて居場所がなく、仕事も貰えず飢え死にしそうになった。そんなところを親切な冒険者に助けられた。

 冒険者になってからも差別を受けたりしたが、力を付ければ認められると思い、努力を重ねてきたが、どれだけ力を付けても結局は忌み嫌われる事に変わりはなかった。

 それでも生きていく分には困らなくなっていた。その頃には心は擦り切れ、自分はどうなってもいいと思うようになり、ただ生きているだけの人形のようになっていた。

 それを聞いていたアステルはシリウスをそっと抱きしめ、頭を撫でると耳元で囁いた。

「シリウス、ずっとここにいていいのよ」

 その言葉にシリウスは思わず涙を流す。アステルの優しさに触れ、今まで耐えてきたものが崩れ去り、嗚咽を漏らした。アステルは何も言わずに年下なのに自分よりも大きな男の広い背中を摩ってくれていた。

 彼が今まで辛い目に遭っていたのはなんとなく想像はしていたがここまで壮絶なものだと思っていなかった。そして、それを聞いているうちに今まで以上に同情し、愛おしいと感じるようになってきており、シリウスが望むなら何でも受け入れようと思って彼女も共に涙を浮かべて彼を抱き締める。

(私はシリウスと一緒に生きていきたい)

 その日から二人の間に新たな関係が生まれた。

 ◆

 朝から昼まではアステルが外で薬を店に置きに行き、必要なものを買って来る。その間シリウスは家の掃除や食事の準備をし、夕食を済ませたら今度は彼が森へ行って薬の素材を取ってくる。

 そして夜中に帰って来て二人で風呂に入り、その後はベッドの上でお互いを求め合った。

 最初はアステルから誘い、シリウスを受け入れる形での行為だった。シリウスはアステルに無理はさせたくないと思っているのだが、彼女は大丈夫と言って聞かなかった。

 そんな彼女の美しく、いやらしい身体に触れているだけで興奮してしまい、許されてしまったシリウスは我慢ができずに次第に毎日のようにアステルを貪るように求め、彼女も最初こそ痛がっていたものの次第に慣れていき、だんだん快楽を得られるようになった。

 甘い日々を一年も過ごし、幸せな時間を過ごしていた。
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