44 / 104
反抗期編
疑われる仲
しおりを挟む
その頃、シリウスは近日この国で行われる祭りのため、数日前から同僚のアルムと騎士の仕事で王都の見回りをしていた。もう昼間なので既に多くの民たちが街に繰り出しているようだ。
「平和だなぁ、何かでっかい事件でも起きてくれないと暇で仕方がねぇよな?」
「そんなこと言うんじゃない」
「だってそうだろ?俺らはただ見回りをするだけか、書類仕事ばっか、魔物や盗賊は誰かさんが張り切って倒しまくるから全然出てこなくなったし」
確かに最近は大きな事件は起こっていないし、犯罪の数や魔物の出現率も下がっている。これはいいことだとは思うのだが、そのせいで騎士団には暇を持て余す者が出てきている。
何か武術大会を開いてもくれてもいいかもしれない。そうすれば少しは騎士や兵士の士気が上がるだろう。
「んで、最近できた家族はどうなんだ?」
「ステラは幼いのにもう読み書きができるんだ。俺が言うのもなんだが天才……」
「そうじゃねぇよ。家族と仲良くやっているのかって聞いてんだよ」
「……ああ、ステラはまだ俺が苦手なようだ」
シリウスは少し考えてから答えた。アステルとは上手くいっているがステラはまだシリウスを警戒をしている節があるが時間をかければいずれ打ち解けられるだろうとは思っている。
「お前がちゃんと父親になれるのか俺は心配だよ」
「なれるかじゃなくてなるんだ。アステルが一人でステラを育てたのに俺が何もしないわけにはいかない」
彼女の妊娠に気づかずに勝手に離れてしまったせいでアステルが女手一つでステラを育てなければならなかった。だから今度は自分が二人を幸せにする。そのためにできることは全てやるつもりだ。そしていつか、ステラに本当の父だと認めてもらいたいのだ。
「まあ、頑張れよ」
先に話を振ったアルムが他人事のように言うのでシリウスは呆れたように彼を見る。
しかし、この男も結婚して子供ができればきっと変わるだろうと、そんなことを思いながらシリウスは見回りを続けた。
そして見回りのルートである学校の前を通りかかった時、子供達が校庭で遊んでいるのを目にした。
ステラが学校に通うなら彼らと学ぶのだろうかと眺めていると、一人の少年と目が合い、走って近寄ってくる。
その少年はシリウスにとっても馴染みのある人物。獣人と人間のハーフの子供のレオだった。彼は人間の男の子の姿に獣の耳と尻尾がついているのが特徴だ。
「あ、シリウス!シリウスだ!」
少年の声に反応をして他の子供たちもその声に振り向く。
「ほんとだ、シリウスさまだ!」
「シリウスさま、こんにちは!」
「俺は?」
「ねえ、今日は何しに来たの?」
「無視かよ」
少年少女はアルムを無視してシリウスを取り囲んだ。
シリウスはこの国で開かれる武術大会で何度も優勝しているため、この国に住む者たちにとっては英雄のような存在なのだ。特に子供達はシリウスに憧れを持っており、こうしてシリウスが来るたびに集まってくることが多い。
「シリウス様、暇なの?一緒に遊ぶ?」
「あー、悪いが仕事中なんだ。また今度な」
シリウスの代わりにアルムが答えると、彼らは残念そうな顔をする。
「そうだよ。シリウスは忙しいんだから……な、シリウス!」
レオがそう言って同意を求めるとシリウスは困ったように笑う。
この少年はずっと前から父親になってほしいとシリウスに頼んでは何度も断っても諦めず、しつこく言ってきて困っていたところ、一緒にいたガレッドやアルムが毎回助け舟を出してくれた。
最近、妻子がいるから絶対に無理だと伝えれば大泣きされてしまったのは記憶に新しい。そのせいか、シリウスは少し罪悪感を感じている。
「俺達、昼飯食いに行くから行くぜ」
「え、シリウス、弁当作ってもらえないの?」
アルムがそう言えばレオが悲しそうに見上げてくる。騎士団長のガレッドが妻に愛妻弁当を貰っているとよく聞くが、それは民にも有名な話なので目の前の少年を見ると妻がいるのに弁当を持ってきていないシリウスが可哀想に見えるのだろうか?
「アステルが忙しいから……」
「あ、きょーさいかって奴?」
「そうでは……」
「シリウスかわいそー」
シリウスが言い訳をしようとすると、学校のチャイムが鳴り、子供達は名残惜しそうな顔をしながら解散していく。
アステルはどちらかと言えば無駄に甘やかしてくるタイプで恐妻家とは真逆だ。それを言われるのは心外だがこれ以上反論をすれば時間も掛かるし、余計に面倒なことになるとわかっているので黙って昼食を食べに行くことにした。
◆
今回もアルムのお気に入りの食堂での昼食。ここの料理は珍しいものが多くて味も美味しい。シリウスもこの前、アステルとステラをここに連れて来たが、二人は初めて食べるものに目を輝かせていた。
その時のことを思い出していた。
「お前の奥さん、そんなに怖いのか?美人で大人しそうに見えたけど人は見かけによらないんだな」
食堂に入り、テーブル席につくと早速アルムが余計なことを言い出した。その言葉を聞いたシリウスは思わず眉間にシワを寄せ、不機嫌になったことに気づいたアルムは慌てて弁解をする。
「い、今のは冗談だって、怒るなって」
「怒っていない」
「じゃあ、なんでそんな怖い顔をしているんだよ」
「生まれつきだ」
シリウスは不機嫌さを隠さずに言うと、適当な料理を注文した。
「エル……嫁さんはプライドが高いとかそういう種族なのか?」
アステルがエルフであることはまだ公にはなっていないのでアルムは言葉を濁して言った。質問の内容に対して妙な気遣いである。
「プライドが高い奴もいれば高くない奴もいる。人間と同じだ」
「なるほどねぇ……あ、でも性欲が薄いから大変だよな」
「性欲……?」
「ほら、エル……妖精みたいなもんだから性欲が薄いってよく言うじゃん。お前の所もそうだろ?」
「……そうだな」
アルムは騎士なのに猥談が好きらしく、下品な話題に事欠かない。だから、こういう会話には慣れているが、アステルがそのネタにされるのはあまりいい気分ではない。適当に同意をしておくことにした。
「勿体ねぇ、あんなに美人でスタイルもいいのに」
「それよりも今度の祭りなんだが……」
さっさと話題を切り替えてしまおうとシリウスは別の話を振った。
(実はアステルは性欲が薄かったのか?)
アルムと雑談をしながらシリウスはふとそんなことを考えた。
いつもアステルはシリウスに付き合ってくれるが、もしかしたら我慢をしているのかもしれない。もし、それが本当なら……申し訳なく思う。
それならアステルの方から誘われない限りは手を出すべきではないだろう。体力的にはシリウスの方が圧倒的に上なので、無理に求めてしまうと彼女が壊れてしまいそうだからだ。
ステラが生まれる前と今では事情が変わっているのだから。
「平和だなぁ、何かでっかい事件でも起きてくれないと暇で仕方がねぇよな?」
「そんなこと言うんじゃない」
「だってそうだろ?俺らはただ見回りをするだけか、書類仕事ばっか、魔物や盗賊は誰かさんが張り切って倒しまくるから全然出てこなくなったし」
確かに最近は大きな事件は起こっていないし、犯罪の数や魔物の出現率も下がっている。これはいいことだとは思うのだが、そのせいで騎士団には暇を持て余す者が出てきている。
何か武術大会を開いてもくれてもいいかもしれない。そうすれば少しは騎士や兵士の士気が上がるだろう。
「んで、最近できた家族はどうなんだ?」
「ステラは幼いのにもう読み書きができるんだ。俺が言うのもなんだが天才……」
「そうじゃねぇよ。家族と仲良くやっているのかって聞いてんだよ」
「……ああ、ステラはまだ俺が苦手なようだ」
シリウスは少し考えてから答えた。アステルとは上手くいっているがステラはまだシリウスを警戒をしている節があるが時間をかければいずれ打ち解けられるだろうとは思っている。
「お前がちゃんと父親になれるのか俺は心配だよ」
「なれるかじゃなくてなるんだ。アステルが一人でステラを育てたのに俺が何もしないわけにはいかない」
彼女の妊娠に気づかずに勝手に離れてしまったせいでアステルが女手一つでステラを育てなければならなかった。だから今度は自分が二人を幸せにする。そのためにできることは全てやるつもりだ。そしていつか、ステラに本当の父だと認めてもらいたいのだ。
「まあ、頑張れよ」
先に話を振ったアルムが他人事のように言うのでシリウスは呆れたように彼を見る。
しかし、この男も結婚して子供ができればきっと変わるだろうと、そんなことを思いながらシリウスは見回りを続けた。
そして見回りのルートである学校の前を通りかかった時、子供達が校庭で遊んでいるのを目にした。
ステラが学校に通うなら彼らと学ぶのだろうかと眺めていると、一人の少年と目が合い、走って近寄ってくる。
その少年はシリウスにとっても馴染みのある人物。獣人と人間のハーフの子供のレオだった。彼は人間の男の子の姿に獣の耳と尻尾がついているのが特徴だ。
「あ、シリウス!シリウスだ!」
少年の声に反応をして他の子供たちもその声に振り向く。
「ほんとだ、シリウスさまだ!」
「シリウスさま、こんにちは!」
「俺は?」
「ねえ、今日は何しに来たの?」
「無視かよ」
少年少女はアルムを無視してシリウスを取り囲んだ。
シリウスはこの国で開かれる武術大会で何度も優勝しているため、この国に住む者たちにとっては英雄のような存在なのだ。特に子供達はシリウスに憧れを持っており、こうしてシリウスが来るたびに集まってくることが多い。
「シリウス様、暇なの?一緒に遊ぶ?」
「あー、悪いが仕事中なんだ。また今度な」
シリウスの代わりにアルムが答えると、彼らは残念そうな顔をする。
「そうだよ。シリウスは忙しいんだから……な、シリウス!」
レオがそう言って同意を求めるとシリウスは困ったように笑う。
この少年はずっと前から父親になってほしいとシリウスに頼んでは何度も断っても諦めず、しつこく言ってきて困っていたところ、一緒にいたガレッドやアルムが毎回助け舟を出してくれた。
最近、妻子がいるから絶対に無理だと伝えれば大泣きされてしまったのは記憶に新しい。そのせいか、シリウスは少し罪悪感を感じている。
「俺達、昼飯食いに行くから行くぜ」
「え、シリウス、弁当作ってもらえないの?」
アルムがそう言えばレオが悲しそうに見上げてくる。騎士団長のガレッドが妻に愛妻弁当を貰っているとよく聞くが、それは民にも有名な話なので目の前の少年を見ると妻がいるのに弁当を持ってきていないシリウスが可哀想に見えるのだろうか?
「アステルが忙しいから……」
「あ、きょーさいかって奴?」
「そうでは……」
「シリウスかわいそー」
シリウスが言い訳をしようとすると、学校のチャイムが鳴り、子供達は名残惜しそうな顔をしながら解散していく。
アステルはどちらかと言えば無駄に甘やかしてくるタイプで恐妻家とは真逆だ。それを言われるのは心外だがこれ以上反論をすれば時間も掛かるし、余計に面倒なことになるとわかっているので黙って昼食を食べに行くことにした。
◆
今回もアルムのお気に入りの食堂での昼食。ここの料理は珍しいものが多くて味も美味しい。シリウスもこの前、アステルとステラをここに連れて来たが、二人は初めて食べるものに目を輝かせていた。
その時のことを思い出していた。
「お前の奥さん、そんなに怖いのか?美人で大人しそうに見えたけど人は見かけによらないんだな」
食堂に入り、テーブル席につくと早速アルムが余計なことを言い出した。その言葉を聞いたシリウスは思わず眉間にシワを寄せ、不機嫌になったことに気づいたアルムは慌てて弁解をする。
「い、今のは冗談だって、怒るなって」
「怒っていない」
「じゃあ、なんでそんな怖い顔をしているんだよ」
「生まれつきだ」
シリウスは不機嫌さを隠さずに言うと、適当な料理を注文した。
「エル……嫁さんはプライドが高いとかそういう種族なのか?」
アステルがエルフであることはまだ公にはなっていないのでアルムは言葉を濁して言った。質問の内容に対して妙な気遣いである。
「プライドが高い奴もいれば高くない奴もいる。人間と同じだ」
「なるほどねぇ……あ、でも性欲が薄いから大変だよな」
「性欲……?」
「ほら、エル……妖精みたいなもんだから性欲が薄いってよく言うじゃん。お前の所もそうだろ?」
「……そうだな」
アルムは騎士なのに猥談が好きらしく、下品な話題に事欠かない。だから、こういう会話には慣れているが、アステルがそのネタにされるのはあまりいい気分ではない。適当に同意をしておくことにした。
「勿体ねぇ、あんなに美人でスタイルもいいのに」
「それよりも今度の祭りなんだが……」
さっさと話題を切り替えてしまおうとシリウスは別の話を振った。
(実はアステルは性欲が薄かったのか?)
アルムと雑談をしながらシリウスはふとそんなことを考えた。
いつもアステルはシリウスに付き合ってくれるが、もしかしたら我慢をしているのかもしれない。もし、それが本当なら……申し訳なく思う。
それならアステルの方から誘われない限りは手を出すべきではないだろう。体力的にはシリウスの方が圧倒的に上なので、無理に求めてしまうと彼女が壊れてしまいそうだからだ。
ステラが生まれる前と今では事情が変わっているのだから。
45
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
英雄魔術師様とのシークレットベビーが天才で隠し通すのが大変です
氷雨そら
恋愛
――この魔石の意味がわからないほど子どもじゃない。
英雄魔術師カナンが遠征する直前、フィアーナと交わした一夜で授かった愛娘シェリア。フィアーナは、シェリアがカナンの娘であることを隠し、守るために王都を離れ遠い北の地で魔石を鑑定しながら暮らしていた。けれど、シェリアが三歳を迎えた日、彼女を取り囲む全ての属性の魔石が光る。彼女は父と同じ、全属性の魔力持ちだったのだ。これは、シークレットベビーを育てながら、健気に逞しく生きてきたヒロインが、天才魔術師様と天才愛娘に翻弄されながらも溺愛される幸せいっぱいハートフルストーリー。小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる