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反抗期編
服選び
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アステルが馬車の中で待っていると、ガレッドと話を終えたカレンが戻ってきて、すぐに出発をした。
「そうだ。これから新しい服を買いに行こうと思うんだけどアステルも一緒に行く?」
「えっ?でも、ステラを迎えに……」
「いいじゃない。ステラの服も一緒に買ってお土産にしてあげれば」
カレンの提案にアステルは迷ったが、成長期で大きくなったステラに新しい服を買ってあげたい、騎士になったシリウスの妻としても身なりをきちんと整えておきたいと思っていた。
「じゃあ……お願いします」
「決まりね!そうと決まればさっそく出発よ!」
カレンは嬉しそうに笑うと、アステルの手を取って御者に行き先を告げた。
◆
カレンに連れられて入った店にはたくさんの女性用の衣服が並べられていた。どれも華やかで美しく、見ているだけで楽しい場所だ。
「アステルはどんなものが好きなの?」
「ゆったりとしたワンピースがいいですね……」
できるだけ露出の高かったり、体のラインが目立つ服は避けたい、これはエルフの集落にいた頃からの拘りだ。
「いらっしゃいませカレン様、随分とお美しいご友人をお連れなさっているのですね」
「こんにちは。今日は私のお友達と一緒に洋服を見に来たの」
カレンと仲良さげな女性の店員は笑顔を浮かべて二人を歓迎すると、早速アステルのサイズを測った。
「奥様は本当にお美しい方ですわね」
「あ、ありがとうございます」
アステルは褒められて恥ずかしそうに顔を赤らめた。やはり人間の多い地域では容姿を褒められることが多い。美形が多いエルフの集落ではあまり言われることはなかったせいでこればかりは慣れていない。
「こちらなんていかがでしょう?清楚な雰囲気が奥様にとてもよく似合いますよ」
そう言って差し出されたのは淡い緑色のワンピースで裾の部分に繊細なレースが施されたシンプルなデザインのものだった。
「アステル、着てみたらどう?」
「はい」
アステルは試着室で着替えると、カーテンを開けてカレン達に姿を見せた。
その姿を見た瞬間、二人は息を飲む。それはまるで妖精のように可憐な姿だったからだ。薄緑の柔らかな生地が肌を包み込み、その美しさを引き立てている。少し動くと、長く美しい金髪と一緒にスカートのフリルがふわりと揺れる。
「流石エルフなだけあって綺麗ねー」
「あら、奥様はエルフですの?」
「あ、ごめん。内緒なんだっけ?」
カレンの言葉に女性は不思議そうな表情をした。確かにアステルは帽子で耳を隠しているので言われなければ人間にしか見えない。五年間、正体を隠して暮らしていた癖がどうしても抜けない。不安で、この国でも耳を隠せる帽子を被っているのだ。
「大丈夫、バレても困るものでもないから」
帽子を脱ぐと長い耳に女性が目を大きく見開いた。
「まぁ、珍しい……私、初めて本物を拝見しました。でも、人間離れをした美しさでしたので納得しましたわ」
「あまり人前では見せないようにしてたの。驚かせてごめんなさい」
アステルは照れくさくて俯いたまま、お礼を言うと、次はステラの服を選ぼうという話になり、三人で色々と相談しながら選んだ。
ステラの服を選び終えると最後に下着類も買うことにした。
「この下着……綺麗」
アステルは目を輝かせながら手に取った。それはベビードールと呼ばれる、透ける素材で作られているものだ。今まで縁がなかったせいか彼女には新鮮に見えた。
「うふふ、旦那様がさぞかし喜ぶことでしょうね」
「そうなんですか?」
「えぇ、男性というのはそういうものですよ」
アステルは首を傾げると、女性の店員の言葉に興味が湧いてきた。シリウスが喜ぶなら一度くらいこういうものを着てみたいと。
「これ、買います」
「ありがとうございます。ですが奥様にはもっとお似合いのものが」
そう言うと、彼女に黒を基調とした大人っぽいデザインのものを手渡した。白い肌を引きてるならこっちの方が合うということだ。
◆
買い物を終えて店を後にすると、辺りはすっかり暗くなって、カレンの屋敷に戻ってきた頃には、もう夕飯の時間になっていた。
「ただいま、ステラ」
「…………」
机で大人しく絵を眺めていたステラに声をかけるが返事はない。帰ってきた母の存在に気付いているがあえて無視しているようだ。
「お留守番ありがとう、ステラにも新しい服を買ってきたよ」
「ステラを忘れてお洋服買っていたの?」
「忘れたことなんて一度も……」
顔を上げると不機嫌そうにアステルを見つめるステラにこれはまずいとカレンは慌ててフォローに入った。
「ええっとね。お祭りに着る服が無いからって急いで買う必要があったの!」
「お祭り?」
「そ、そう!今度星祭りがあるのよ」
「星祭り?」
「あー、ほら、たくさん星の見える日を祝うの」
「そんなの、あるの」
「それでアステルは着ていく服がないから一緒に買いに行ったの」
「そっかぁ」
ようやく納得してくれたようでアステルとカレンはホッとした。ステラは理由をきちんと説明をすれば理解してくれる良い子だ。
「そうだ。これから新しい服を買いに行こうと思うんだけどアステルも一緒に行く?」
「えっ?でも、ステラを迎えに……」
「いいじゃない。ステラの服も一緒に買ってお土産にしてあげれば」
カレンの提案にアステルは迷ったが、成長期で大きくなったステラに新しい服を買ってあげたい、騎士になったシリウスの妻としても身なりをきちんと整えておきたいと思っていた。
「じゃあ……お願いします」
「決まりね!そうと決まればさっそく出発よ!」
カレンは嬉しそうに笑うと、アステルの手を取って御者に行き先を告げた。
◆
カレンに連れられて入った店にはたくさんの女性用の衣服が並べられていた。どれも華やかで美しく、見ているだけで楽しい場所だ。
「アステルはどんなものが好きなの?」
「ゆったりとしたワンピースがいいですね……」
できるだけ露出の高かったり、体のラインが目立つ服は避けたい、これはエルフの集落にいた頃からの拘りだ。
「いらっしゃいませカレン様、随分とお美しいご友人をお連れなさっているのですね」
「こんにちは。今日は私のお友達と一緒に洋服を見に来たの」
カレンと仲良さげな女性の店員は笑顔を浮かべて二人を歓迎すると、早速アステルのサイズを測った。
「奥様は本当にお美しい方ですわね」
「あ、ありがとうございます」
アステルは褒められて恥ずかしそうに顔を赤らめた。やはり人間の多い地域では容姿を褒められることが多い。美形が多いエルフの集落ではあまり言われることはなかったせいでこればかりは慣れていない。
「こちらなんていかがでしょう?清楚な雰囲気が奥様にとてもよく似合いますよ」
そう言って差し出されたのは淡い緑色のワンピースで裾の部分に繊細なレースが施されたシンプルなデザインのものだった。
「アステル、着てみたらどう?」
「はい」
アステルは試着室で着替えると、カーテンを開けてカレン達に姿を見せた。
その姿を見た瞬間、二人は息を飲む。それはまるで妖精のように可憐な姿だったからだ。薄緑の柔らかな生地が肌を包み込み、その美しさを引き立てている。少し動くと、長く美しい金髪と一緒にスカートのフリルがふわりと揺れる。
「流石エルフなだけあって綺麗ねー」
「あら、奥様はエルフですの?」
「あ、ごめん。内緒なんだっけ?」
カレンの言葉に女性は不思議そうな表情をした。確かにアステルは帽子で耳を隠しているので言われなければ人間にしか見えない。五年間、正体を隠して暮らしていた癖がどうしても抜けない。不安で、この国でも耳を隠せる帽子を被っているのだ。
「大丈夫、バレても困るものでもないから」
帽子を脱ぐと長い耳に女性が目を大きく見開いた。
「まぁ、珍しい……私、初めて本物を拝見しました。でも、人間離れをした美しさでしたので納得しましたわ」
「あまり人前では見せないようにしてたの。驚かせてごめんなさい」
アステルは照れくさくて俯いたまま、お礼を言うと、次はステラの服を選ぼうという話になり、三人で色々と相談しながら選んだ。
ステラの服を選び終えると最後に下着類も買うことにした。
「この下着……綺麗」
アステルは目を輝かせながら手に取った。それはベビードールと呼ばれる、透ける素材で作られているものだ。今まで縁がなかったせいか彼女には新鮮に見えた。
「うふふ、旦那様がさぞかし喜ぶことでしょうね」
「そうなんですか?」
「えぇ、男性というのはそういうものですよ」
アステルは首を傾げると、女性の店員の言葉に興味が湧いてきた。シリウスが喜ぶなら一度くらいこういうものを着てみたいと。
「これ、買います」
「ありがとうございます。ですが奥様にはもっとお似合いのものが」
そう言うと、彼女に黒を基調とした大人っぽいデザインのものを手渡した。白い肌を引きてるならこっちの方が合うということだ。
◆
買い物を終えて店を後にすると、辺りはすっかり暗くなって、カレンの屋敷に戻ってきた頃には、もう夕飯の時間になっていた。
「ただいま、ステラ」
「…………」
机で大人しく絵を眺めていたステラに声をかけるが返事はない。帰ってきた母の存在に気付いているがあえて無視しているようだ。
「お留守番ありがとう、ステラにも新しい服を買ってきたよ」
「ステラを忘れてお洋服買っていたの?」
「忘れたことなんて一度も……」
顔を上げると不機嫌そうにアステルを見つめるステラにこれはまずいとカレンは慌ててフォローに入った。
「ええっとね。お祭りに着る服が無いからって急いで買う必要があったの!」
「お祭り?」
「そ、そう!今度星祭りがあるのよ」
「星祭り?」
「あー、ほら、たくさん星の見える日を祝うの」
「そんなの、あるの」
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