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弟子と母親編
最悪の再会
後ろから声を掛けられ、アステルが振り向くと、そこには一人のエルフの女性が立っていた。
彼女は繊細な顔立ちと長い金色の髪を持ち、黒いドレスのような流れる衣装を纏っている。肌は透き通るように白く、耳は優雅に尖っていた。
そしてその白い手には小麦粉の入った紙袋が握られている。
「この前の人」
ステラはアステルの後ろに隠れ、エルフの女性をじっと観察をした。彼女の記憶には前にシリウスがダークエルフであることを責めてきた出来事が鮮明に残っており、その印象は最悪だ。
「ああ、前は本当に失礼しました。あなたのご家族を侮辱するようなことを言ってしまって……貴女がこの前のダークエルフの奥さんですか?」
エルフの女性の隣には一人の冒険者の男性が立っていた。彼は剣を携え、肩には簡素な皮の鎧を着け、誠実そうな表情で申し訳無さそうに言った。
「……はい、そうです」
しばらく言葉を失っていたアステルは少し間を置いてから機械的に返事を返した。その様子を見てステラは不思議に思った。
「えっ!?ア……あ、貴女が……そうですか。私は先に帰るわね」
エルフの女性はギョッとした表情をしたが、すぐに笑顔を取り繕うと、小麦の袋を抱えたまま店を出ようとアステルたちに背を向けた。
「あの」
彼女がそのまま去ろうとするのをアステルは咄嗟に呼び止めた。ピリついた空気に不安を感じたステラはアステルを見上げる。
「私はここから西にあるエルフの集落出身の者です。貴女はどこの出身の者ですか?」
エルフの女性は立ち止まり、振り返ることなくこう答えた。
「……ごめんなさい。私には昔の記憶がないんです。」
その言葉だけを残し、彼女は足早に店を出て行った。
「すみません。エルはいつもはあんなんじゃないんですが……あ、僕はリョウイチと申します」
冒険者の男、リョウイチはエルの背中を見送るアステルに向かって謝罪をした。
「いえ……記憶が無いのは本当ですか?」
アステルは疑念を抱えつつ尋ねた。
「ええ、本当です。記憶喪失で行き倒れた彼女を旅の途中で保護して、それ以来一緒にいるのですが……彼女はいつもはもっと穏やかなんですよ」
リョウイチの目には優しさが宿り、エルを気遣う気持ちが感じられた。
「そう、ですか……」
「あ、クッキーありがとう」
ステラが前に出てくると、リョウイチに向かって元気よく挨拶をした。
「ああ、口に合ったかい?」
「あった?」
「美味しかったって意味だよ」
「ううん……ステラ、ハーブ苦手だったの……」
首をかしげるステラに男性が説明するとステラは遠回しに美味しくなかったと伝える。
「あ、すみません。この子、好き嫌いがあって」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
アステルは申し訳なさそうな顔をしながら男に謝罪をするとリョウイチは苦笑をする。
「それともう一つ……」
「はい?」
アステルが言葉を続けようとするとリョウイチは興味深そうに首を傾げた。
「あのクッキーはエルって人が作ったのですか?」
「はい、そういった記憶は残っていたのか旅の途中で台所を借りて菓子や料理を作ってくれたりするんです」
「そうですか……」
「それでは妻と娘が外で待っているので、失礼します」
そしてリョウイチはアステルに一礼すると店から出て行った。
「どうして……」
「お母さん?どうしたの?頭痛いの?」
顔色が悪くなったアステルをステラは心配そうに見上げる。
アステルはそんな娘の頭を撫でながら「大丈夫よ」と笑顔を作り、キャロラインに贈るためのお菓子を買って店を後にした。
店の外に出ると、さわやかな風が頬を撫で、アステルは心を落ち着けようと深呼吸をした。
彼女の心にはあのエルフの女性の言葉が鮮明に響いていた。
◆
夜遅く、シリウスは家に帰ってきた。外は大雨が降りしきり、冷たい風が頬を撫でていく。
彼は同僚に「今日は帰らない方がいい」と忠告されても、それを無視して帰路を急いだ。愛する家族が待っている。無理をしてでも帰りたい。
家の中は暗かった。時計を見ると、こんな時間なら妻と娘はもう眠っているだろう。しかし、彼の心は安らぎを求めていた。
「アステル?」
声をかけるとリビングの暗がりからアステルの姿が浮かび上がる。彼女はソファに座り、静かに佇んでいた。
「シリウス、おかえりなさい」
魔石の明かりを点けるとアステルは眩しそうに顔を上げ、微笑んだ。しかし、その笑顔には何かが隠されているような気がしてならなかった。
「雨の中帰ってきたの?大丈夫?」
アステルが心配そうに尋ねる。彼女はソファから立ち上がり、用意していたタオルで彼の濡れた髪を優しく拭いた。
「風邪を引くわ」
「何かあったのか?」
不安げな表情で自分を見つめるアステルにシリウスは何かを感じ取りながら問いかけた。
「お母さんに会った」
「……!」
アステルの言葉は震えていた。
その瞬間、シリウスは彼女の心の中に何があったのかを推測した。彼女の過去がまた影を落としたのだ。
「やっぱり知っていたの?あのクッキーをくれたエルフよ」
アステルの瞳が揺れ動く。
「アステルに似ていたが、名前が違っていたから人違いだと思っていた……」
「本当に、それだけ?」
シリウスが目を逸らすとアステルは疑うように彼を見つめ返した。
「……あのまま知らない方がいいだろうと」
観念したようにシリウスは言葉を紡いだ。
「そうよね。何も知らない間は私も幸せだったもの」震える声でアステルが呟くと、彼女はシリウスに抱きついた。
「お母さん、記憶が無いって」
「……ああ」
「でもあの人、あなたに酷いことを言ったのよね?」
「それは、そうだが」
「エルフの集落で育った記憶がないのにダークエルフを差別するの?」
アステルの言葉には怒りと悲しみが交錯していた。
エルフがダークエルフを嫌うのは育った環境によって違う。
例えば様々な種族の暮らすこの国は理由もなく差別を禁止されているので初めからそこに住む者は理由もなく差別をしたりはしない。
けれどエルフの集落にはエルフ至上主義を掲げるエルフが多い。
ダークエルフは迫害の対象だ。アステルがエルフなのにシリウスを拾ったのはエルフの集落の中でも孤立して特殊な環境で暮らしていたからだ。
つまり母はエルフの多い環境で生まれ育った記憶があるはずだ。
「それにあのクッキー、昔お母さんが作ってくれたのよ」
アステルが子供の頃、母の作るクッキーが好きだった。シリウスとステラがハーブ入りのクッキーが嫌いだと言ってからは一度も作っていなかったら忘れていたが、あれは母の味だった。
「それとも、都合よく私のことだけ忘れちゃったの?」
アステルの目は悲しみに満ちていた。
それを見たシリウスは何も言わずにアステルを抱きしめ返した。彼女の不安を取り除いてやりたいのに、何も言葉が思い浮かばない。ただ強く抱きしめるしかない。
「どうして私を捨てたの……どうして帰ってこなかったの、私、ずっと、待っていたのに……」
アステルは溜めていた言葉を吐き出し、シリウスに縋り付いた。関係のない彼にこんなことを言っても仕方がないと頭ではわかっていても口から溢れる言葉は止まらなかった。
震えるアステルを落ち着かせるように、シリウスは優しく彼女の体を抱きしめ、頭を撫でた。今まで我慢してきたことを吐き出せたら、少しでも彼女が楽になればいいと思ったからだ。彼の心にも、アステルの痛みが深く響いていた。
彼女は繊細な顔立ちと長い金色の髪を持ち、黒いドレスのような流れる衣装を纏っている。肌は透き通るように白く、耳は優雅に尖っていた。
そしてその白い手には小麦粉の入った紙袋が握られている。
「この前の人」
ステラはアステルの後ろに隠れ、エルフの女性をじっと観察をした。彼女の記憶には前にシリウスがダークエルフであることを責めてきた出来事が鮮明に残っており、その印象は最悪だ。
「ああ、前は本当に失礼しました。あなたのご家族を侮辱するようなことを言ってしまって……貴女がこの前のダークエルフの奥さんですか?」
エルフの女性の隣には一人の冒険者の男性が立っていた。彼は剣を携え、肩には簡素な皮の鎧を着け、誠実そうな表情で申し訳無さそうに言った。
「……はい、そうです」
しばらく言葉を失っていたアステルは少し間を置いてから機械的に返事を返した。その様子を見てステラは不思議に思った。
「えっ!?ア……あ、貴女が……そうですか。私は先に帰るわね」
エルフの女性はギョッとした表情をしたが、すぐに笑顔を取り繕うと、小麦の袋を抱えたまま店を出ようとアステルたちに背を向けた。
「あの」
彼女がそのまま去ろうとするのをアステルは咄嗟に呼び止めた。ピリついた空気に不安を感じたステラはアステルを見上げる。
「私はここから西にあるエルフの集落出身の者です。貴女はどこの出身の者ですか?」
エルフの女性は立ち止まり、振り返ることなくこう答えた。
「……ごめんなさい。私には昔の記憶がないんです。」
その言葉だけを残し、彼女は足早に店を出て行った。
「すみません。エルはいつもはあんなんじゃないんですが……あ、僕はリョウイチと申します」
冒険者の男、リョウイチはエルの背中を見送るアステルに向かって謝罪をした。
「いえ……記憶が無いのは本当ですか?」
アステルは疑念を抱えつつ尋ねた。
「ええ、本当です。記憶喪失で行き倒れた彼女を旅の途中で保護して、それ以来一緒にいるのですが……彼女はいつもはもっと穏やかなんですよ」
リョウイチの目には優しさが宿り、エルを気遣う気持ちが感じられた。
「そう、ですか……」
「あ、クッキーありがとう」
ステラが前に出てくると、リョウイチに向かって元気よく挨拶をした。
「ああ、口に合ったかい?」
「あった?」
「美味しかったって意味だよ」
「ううん……ステラ、ハーブ苦手だったの……」
首をかしげるステラに男性が説明するとステラは遠回しに美味しくなかったと伝える。
「あ、すみません。この子、好き嫌いがあって」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
アステルは申し訳なさそうな顔をしながら男に謝罪をするとリョウイチは苦笑をする。
「それともう一つ……」
「はい?」
アステルが言葉を続けようとするとリョウイチは興味深そうに首を傾げた。
「あのクッキーはエルって人が作ったのですか?」
「はい、そういった記憶は残っていたのか旅の途中で台所を借りて菓子や料理を作ってくれたりするんです」
「そうですか……」
「それでは妻と娘が外で待っているので、失礼します」
そしてリョウイチはアステルに一礼すると店から出て行った。
「どうして……」
「お母さん?どうしたの?頭痛いの?」
顔色が悪くなったアステルをステラは心配そうに見上げる。
アステルはそんな娘の頭を撫でながら「大丈夫よ」と笑顔を作り、キャロラインに贈るためのお菓子を買って店を後にした。
店の外に出ると、さわやかな風が頬を撫で、アステルは心を落ち着けようと深呼吸をした。
彼女の心にはあのエルフの女性の言葉が鮮明に響いていた。
◆
夜遅く、シリウスは家に帰ってきた。外は大雨が降りしきり、冷たい風が頬を撫でていく。
彼は同僚に「今日は帰らない方がいい」と忠告されても、それを無視して帰路を急いだ。愛する家族が待っている。無理をしてでも帰りたい。
家の中は暗かった。時計を見ると、こんな時間なら妻と娘はもう眠っているだろう。しかし、彼の心は安らぎを求めていた。
「アステル?」
声をかけるとリビングの暗がりからアステルの姿が浮かび上がる。彼女はソファに座り、静かに佇んでいた。
「シリウス、おかえりなさい」
魔石の明かりを点けるとアステルは眩しそうに顔を上げ、微笑んだ。しかし、その笑顔には何かが隠されているような気がしてならなかった。
「雨の中帰ってきたの?大丈夫?」
アステルが心配そうに尋ねる。彼女はソファから立ち上がり、用意していたタオルで彼の濡れた髪を優しく拭いた。
「風邪を引くわ」
「何かあったのか?」
不安げな表情で自分を見つめるアステルにシリウスは何かを感じ取りながら問いかけた。
「お母さんに会った」
「……!」
アステルの言葉は震えていた。
その瞬間、シリウスは彼女の心の中に何があったのかを推測した。彼女の過去がまた影を落としたのだ。
「やっぱり知っていたの?あのクッキーをくれたエルフよ」
アステルの瞳が揺れ動く。
「アステルに似ていたが、名前が違っていたから人違いだと思っていた……」
「本当に、それだけ?」
シリウスが目を逸らすとアステルは疑うように彼を見つめ返した。
「……あのまま知らない方がいいだろうと」
観念したようにシリウスは言葉を紡いだ。
「そうよね。何も知らない間は私も幸せだったもの」震える声でアステルが呟くと、彼女はシリウスに抱きついた。
「お母さん、記憶が無いって」
「……ああ」
「でもあの人、あなたに酷いことを言ったのよね?」
「それは、そうだが」
「エルフの集落で育った記憶がないのにダークエルフを差別するの?」
アステルの言葉には怒りと悲しみが交錯していた。
エルフがダークエルフを嫌うのは育った環境によって違う。
例えば様々な種族の暮らすこの国は理由もなく差別を禁止されているので初めからそこに住む者は理由もなく差別をしたりはしない。
けれどエルフの集落にはエルフ至上主義を掲げるエルフが多い。
ダークエルフは迫害の対象だ。アステルがエルフなのにシリウスを拾ったのはエルフの集落の中でも孤立して特殊な環境で暮らしていたからだ。
つまり母はエルフの多い環境で生まれ育った記憶があるはずだ。
「それにあのクッキー、昔お母さんが作ってくれたのよ」
アステルが子供の頃、母の作るクッキーが好きだった。シリウスとステラがハーブ入りのクッキーが嫌いだと言ってからは一度も作っていなかったら忘れていたが、あれは母の味だった。
「それとも、都合よく私のことだけ忘れちゃったの?」
アステルの目は悲しみに満ちていた。
それを見たシリウスは何も言わずにアステルを抱きしめ返した。彼女の不安を取り除いてやりたいのに、何も言葉が思い浮かばない。ただ強く抱きしめるしかない。
「どうして私を捨てたの……どうして帰ってこなかったの、私、ずっと、待っていたのに……」
アステルは溜めていた言葉を吐き出し、シリウスに縋り付いた。関係のない彼にこんなことを言っても仕方がないと頭ではわかっていても口から溢れる言葉は止まらなかった。
震えるアステルを落ち着かせるように、シリウスは優しく彼女の体を抱きしめ、頭を撫でた。今まで我慢してきたことを吐き出せたら、少しでも彼女が楽になればいいと思ったからだ。彼の心にも、アステルの痛みが深く響いていた。
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