【完結】意地悪な姉に転生したので徹底的に義妹を溺愛します!

MURASAKI

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エラが動物と話せるらしいので私にも何か能力ください!

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エラへの嫌がらせはピタッと止んだ。
次の学校までの間にエイダが今まで一緒にいじめをしていた子たちに誤解だったことを話してくれていて、学校がはじまると朝一番にエラに謝罪してくれた。
私からもエラには少し話をしておいたこともあって、大きな騒ぎにもならずスムーズに謝罪が進んだのは良かったと思う。私グッジョブ!

一気に沢山の人との交流は大変だとエラ本人からの申告で、私もしばらくの間は休み時間はエラにつきっきりになった。
ただエラの横に居てお話をうんうんと聞いているだけだけど。可愛い義妹いもうとをずっと眺めていられるのって役得すぎて内心「じゅるり」だ。
私と同じクラスのリーゼも一緒に混ざりたいというので、休み時間は割とワイワイと楽しく過ごせている。
この調子なら、エラが心を開いてクラスに馴染むのもすぐだと思う。

そんなわけで。ここ数日は1日中エラにべったりな状態が続いたのだけど、気付いたことがあるのよね。
それは、エラが動物と喋っていること。
学校帰りに出逢う猫や犬なんかの動物に「バイバイ!」なんて言うのは今までもしょっちゅうあったし、動物に語り掛けるなんて転生前もとの世界からあるあるだし、そんなに気にしてはなかったんだけど。


「子どもが生まれたのですね!今度みせてくださる?」

「チュンチュン!」


なんて会話を目撃する回数が多く、流石の私もちょっと変だなって思ったわけ。
そういえば、シンデレラのお話でもエラはネズミや小鳥と仲良しでその子たちが魔法で御者や馬になったんだっけと思い出し、自宅に戻ってからエラに質問してみた。


「ねえ、エラは動物とお話出来ますの?」

「はい!お母さまが生きておられた時に、フェアリーゴッドマザーに祝福をいただいたんです。」


な、なんですと!?
祝福してもらえればそんな素敵な能力が芽生えるんですか!?私もせっかく異世界転生したので何か特殊能力が欲しいです!!!


「まあ、フェアリーゴッドマザーに!?どうやったらその祝福?をしていただけるのかしら。私もエラのような素晴らしい能力ちからがあれば毎日がもっと素敵になりそうね。」


心の中では「どうやってその能力を手に入れればいいの!?」とがっつく私が居たけれど、エラの前では極めて冷静にお姉さまらしく振舞った。
私のよそ行きの能力はだいぶいい感じに仕上がってきている。
表情筋を鍛えるのと一緒に精神力も鍛えていて良かった!あまりに驚くと梨蘭が出てきちゃうからまだまだ鍛え足りないとは思うけど。


「どうだったでしょう。私も小さかったのであまり覚えていないんです。」

「そう、残念だわ。」


そうよね、そんなに簡単に特殊能力付与なんて無理よね!
ああ、残念・・・残念・・・ぴえん。
あまりにガッカリする私を見かねて、エラが素敵な提案をしてくれた。


「あ、お姉さま!動物たちに聞いてみます。虫みたいな小さな子の声はほとんど聞き取れませんが、動物だったら大抵はお話できますから。だれか知らないか教えていただきますね。」

「ありがとう、エラ!」


嬉しすぎてエラの手を取りギュッと握りしめる。
エラも私が喜ぶのが嬉しいのか、ほんのり顔が紅潮している。喜びを共有できる姉妹って何て素敵なの!
そんなエラの様子があまりに可愛くて、思わず抱きしめちゃっても仕方ないですよね?

ひとしきり二人で喜び合ってから庭に出ると、エラがピピピと小鳥を呼んで何やら話をしだした。
小鳥が飛び去るとにっこり笑って誰かに聞いてもらえると報告してくれた。
そんなエラが可愛くて、頭を撫でる。
手を繋いでどちらともなく裏庭を超えた先の草原まで二人で足を運ぶと、誰かが草原の真ん中に立っている。

ん?アナスタシア・・・にしてはやたらめったら小さい?

用心しながら近づくと、それはちいさな妖精だった。
側にはハシバミの若木が生えている。

ま、まさか!フェアリーゴッドマザー!?
確かハシバミの木って物語シンデレラではエラのお母さまのお墓に挿し木して大きくなったやつよね?
木に止まった鳥が何でもアイテムを落としてくれるマジックツリー!!
でも、ここってエラのお母さまのお墓はないけれど・・・やっぱりお話が変わってきてるのかな?

あれこれと物語シンデレラとの違いを考えてみるけど、色々とズレてきている部分があるのは否めない。
私が意図的にお話をぶっ壊しちゃってるものね。
だってバッドエンドって分かってたら回避したいのが人間じゃない!?
もしかして、物語をメチャクチャにしちゃったから天罰エンドってあるのかな?ひぃん!

ゴクリ。と唾をのみ込むと、ゆっくり妖精に近づいてみる。


「こんにちは。妖精さん。あなたがフェアリーゴッドマザーですか?」


丁寧にお辞儀をして、とにかく第一印象に気を付ける。
どうか、天罰になりませんように!久しぶりの大緊張がエラに伝わったのか、エラも私の影に隠れて様子を見ている。
振り向いた妖精はどこかで見たことがあるような?少しふっくらとした優しそうで笑顔がキュートな年配の女性(というかおばあちゃん)だった。

あれ?シンデレラに出てくる魔法使い?

そう思った時、頭に直接優しい声が語りかけてきた。


「はじめまして。エラ、ドリゼラ。フェアリーゴッドマザーを探していると聞いてね。私はフェアリーゴッドマザーの使者だよ。」

「ご使者の方でしたか!失礼いたしました。はじめまして。私はドリゼラと申します。」


エラを見ると緊張した顔をしているので、小声で挨拶を促す。


「こんにちは。エラと申します。」


可愛らしいエラの挨拶をニコニコしながら見守る妖精さんは、とっても素敵な笑顔だ。
そうでしょう、エラは本当に天使なのよ!
うんうんと頷く私に妖精さんはまた頭の中に語りかけてきた。


「えーと、梨蘭りら・・・よりもドリゼラと言ったほうが良いのかね?」

「は、はい!」


私の元梨蘭の名前を知ってるなんて、やっぱり妖精さんは違うんだな。ああ、やっぱり私はここで積みかもしれない。
エラに私の中の梨蘭わたしを知られたら嫌われてしまうのではないかと内心ドキドキしながら返事をする。


「大丈夫、この会話はドリゼラと私だけにしか聞こえていないよ。少し時を止めたのさ。エラに聞かれると不都合なことも多いからねぇ。」


可愛くウインクをする妖精さんから目を離してエラを見ると、確かに動いていない。
す、すごい!使者でこのパワー!フェアリーゴッドマザーはもっとすごいのでは!!?
感心していると、妖精さんは話を続けてくる。


「私は本来エラの祈りで大きくなるはずだったハシバミの木の妖精さ。けどねぇ、エラは私に祈る必要がないくらい幸せでいるじゃないか。それはドリゼラのおかげだわね。本当にありがとう。」

「そんな、お礼なんて!私の事情でしている行動ことですから!こちらこそお会いできて光栄です。」

「そうかい。じゃあそういうことにしておこうね。」


亀の甲より年の劫、さすが妖精さんは話が早くて助かる。
それよりも、私への罰はなんだろう。ここで強制終了イベントでも発生するのかしら?
ドキドキしながら妖精さんの次の言葉を待つ。


「そう緊張なさんな。フェアリーゴッドマザーはドリゼラを大層気に入っているよ。
 なんせあの継母ままははから守っているんだからねえ。
 エラは昔から心の優しい子だ。フェアリーゴッドマザーはエラに助けられて直々に祝福をされたんだよ。
 あの子は特別な子だ。これからもあの子の心が痛まないよう大切にしておくれ。」

「そうなんですか。エラはそんなに特別なのですね。もちろん、ご心配などいりませんわ!私がエラを幸福な道へ導きます!」


胸を張って見せると、面白そうに妖精さんは笑って袖から杖を取り出した。


「私の代わりに、あの子を舞踏会に連れて行っておくれ。そのための魔法を授けよう。
 それ、ビビディ・バビディ・ブー!」


杖からキラキラと光る粒子が飛び出し私を包み込む。
聞いたことのある呪文に興奮している私の身体全体に光の粒子が張り付くと、すうっと体内へ沈むように消えていった。


「何をされたのですか?私は祝福というのをしていただけたのかしら?」

「私の力を分け与えたんだよ。力はまだ種の状態だ。これを生かすも殺すもドリゼラ次第だね。」

「私次第・・・?」

「この力でエラをサポートしてやって欲しいのさ。そのためには授けた魔法の鍛錬をしっかりおやり。やり方はお前の母親の書庫に黒い表紙の本があるから、頭のいいドリゼラならそれを見れば分かるよ。」

「お母さまの書庫?」

「まあいい。本を見ればこれだとわかるさ。それよりも脅威の芽が少し出かかっている。早めに摘み取っておくれ。私にはあの屋敷に近づけるほどの力はないからね。」

「ええ!!?時間を止めるようなすごい魔法が使えるのに!?」

「ああ、あの家は黒い意識が強くてね。私たちのような妖精ものは簡単に取り込まれてしまう。ドリゼラ、エラをよろしく頼むよ。」


そう言って、妖精さんはすうっとハシバミの木の中に消えて行った。
時間が戻ってきたのか頬に草原を吹き抜ける風を感じる。


「あの、お姉さま。妖精さんは・・・?」


エラも魔法から解放されて動き出したようだ。不安そうな顔をしたエラに祝福をいただけたことを伝えると、とても嬉しそうな笑顔が帰ってきた。
不意打ち!じゅる。
エラの笑顔にやられながら、目的を達成した私はまたエラと手を繋いで自宅へ戻る。

妖精さんの言う【驚異の芽】って何だろう?

その正体はとても気になるけど、今はまだ良く分からないので「エラをしっかり守っていかなくては!」と私は気合いを入れ直した。


不覚にも、そんな私とエラを屋敷から見ている黒い影に気付いていなかったのよね、この時は。
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