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第4話:最初の挑戦
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メイクベの町のダンジョンはそのままメイクベダンジョンと呼ばれている。町の端に位置していて、入り口周辺に兵士や店が集中しているのですぐにわかった。
ダンジョンとしての特徴は、自然系の岩の洞窟。それが地下に向かっている。最下層は地下十五階で、オレが目指すのはそこにある隠し部屋だ。
ゲーム的には学園卒業後の中盤に入れるようになる場所で、卒業後の腕試しみたいな扱いで訪れるダンジョンである。
たしか、ここに来るときのレベルは大体三〇くらいだったはずだ。正直、今のオレはそれよりかなりレベルが低いと思われる。多分、一〇とか一五くらいなんじゃないだろうか。ステータスが見れないのでかなり不便だ。
オレの職業はメイジ。魔法使いだ。多分、レベル三〇以上で二次職に、レベル八〇以上で三次職に転職できるはずなんだが……なんというか、ちょっと緊張感のある状況である。
レベル的にかなり上のダンジョンに紙装甲のメイジでソロ。ちょっと怖い。
今の装備は丈の短いショートローブに先端に宝玉の着いた杖だ。多分、ルビーワンドと、魔導の外套とかいうやつだと思うんだけど、装備品としては一応この時点で買える上の方になる。
装備が整ってるだけマシだと思おう。
そう考えて、ダンジョン前の店で回復アイテムを買い込んで、オレはダンジョンに向かう。
仲間を募るとか毛頭考えてない。多分、この町の人達とはレベル帯が合わないだろうし、そもそもオレは一人でやるつもりだ。その方が経験値多く入るからな。
「む。君、一人でダンジョンに挑むつもりか?」
石造りの門が作られている入り口にいると、見張りの兵士に話しかけられた。
「ええ、一度、中の様子をみるつもりでして。危なかったら逃げてきますよ」
「ふむ……冒険者のようだから止めはしないが、無理はするなよ? ここのモンスターはそれなりに強いんだからな」
「わかりました。気を付けます」
良かった、あまり強く引き留められなかった。単独攻略禁止とか言われたらどうしようかと思った。
いや、一瞬だけオレの腰に視線が向いた。そこには冒険者ポーチと呼ばれる、学園卒業の記念品がある。見た目より沢山収納できる魔法の品だ。
学園出身だから、実力的に問題ないと判断されたのかもしれない。卒業資格に感謝だ。
安心して、オレは門を潜り、石の地面が続くダンジョンに足を踏み入れる。
まず、腰に下げた水筒のような道具を出して、蓋を軽く捻る。
すると、内部から丸い光が浮かび上がり、オレの頭上から周囲を照らしてくれた。
「おお、便利だなこれ」
魔法の懐中電灯だ。蓋を捻ると光が戻って消える。
これで暗闇でも安心だ。といっても、入り口周辺は人の手が入ってるから、魔法の明かりがそこらじゅうに設置されてて安心なんだけどな。
「単独で来てくれよ……」
複数のモンスターに遭遇しないことを祈りながら道を進む。たしか、メイクベダンジョンのモンスターは単独が多いはず。それなら、レベル帯が合わなくても、何とかなるはずだ。
エンカウントが優しいこと、ゲーム知識が役立つこと。その二つを祈りながら、進むうちに、その時は来た。
二階への階段が見える通路に出た時、別の通路から巨体がぬっと前に立ちはだかった。
「ウゥゥゥゥ……!」
オレの目の前に現れ、うなり声を上げるのは、赤い目に、土色の筋肉だるまみたいな巨体の魔物。頭部の縮れた髪の毛の間からは曲がった角が生えている。
ボーデンオーガ。土属性の、このダンジョン特有のモンスターだ。
見た目通りの物理特化のモンスターで、高いHPと攻撃力を誇る。メイクベダンジョン低層では、ちょっとした強敵で、単体で現れるだからと言って油断できない。
「来たか……っ」
問答無用、ボーデンオーガは右手に持つ棍棒を振り上げる。
オレも手のワンドを構え、戦いの姿勢に入る。
この世界に転生して最初の戦いだ。最後の戦いにならないように、気合いを入れないとな。
ダンジョンとしての特徴は、自然系の岩の洞窟。それが地下に向かっている。最下層は地下十五階で、オレが目指すのはそこにある隠し部屋だ。
ゲーム的には学園卒業後の中盤に入れるようになる場所で、卒業後の腕試しみたいな扱いで訪れるダンジョンである。
たしか、ここに来るときのレベルは大体三〇くらいだったはずだ。正直、今のオレはそれよりかなりレベルが低いと思われる。多分、一〇とか一五くらいなんじゃないだろうか。ステータスが見れないのでかなり不便だ。
オレの職業はメイジ。魔法使いだ。多分、レベル三〇以上で二次職に、レベル八〇以上で三次職に転職できるはずなんだが……なんというか、ちょっと緊張感のある状況である。
レベル的にかなり上のダンジョンに紙装甲のメイジでソロ。ちょっと怖い。
今の装備は丈の短いショートローブに先端に宝玉の着いた杖だ。多分、ルビーワンドと、魔導の外套とかいうやつだと思うんだけど、装備品としては一応この時点で買える上の方になる。
装備が整ってるだけマシだと思おう。
そう考えて、ダンジョン前の店で回復アイテムを買い込んで、オレはダンジョンに向かう。
仲間を募るとか毛頭考えてない。多分、この町の人達とはレベル帯が合わないだろうし、そもそもオレは一人でやるつもりだ。その方が経験値多く入るからな。
「む。君、一人でダンジョンに挑むつもりか?」
石造りの門が作られている入り口にいると、見張りの兵士に話しかけられた。
「ええ、一度、中の様子をみるつもりでして。危なかったら逃げてきますよ」
「ふむ……冒険者のようだから止めはしないが、無理はするなよ? ここのモンスターはそれなりに強いんだからな」
「わかりました。気を付けます」
良かった、あまり強く引き留められなかった。単独攻略禁止とか言われたらどうしようかと思った。
いや、一瞬だけオレの腰に視線が向いた。そこには冒険者ポーチと呼ばれる、学園卒業の記念品がある。見た目より沢山収納できる魔法の品だ。
学園出身だから、実力的に問題ないと判断されたのかもしれない。卒業資格に感謝だ。
安心して、オレは門を潜り、石の地面が続くダンジョンに足を踏み入れる。
まず、腰に下げた水筒のような道具を出して、蓋を軽く捻る。
すると、内部から丸い光が浮かび上がり、オレの頭上から周囲を照らしてくれた。
「おお、便利だなこれ」
魔法の懐中電灯だ。蓋を捻ると光が戻って消える。
これで暗闇でも安心だ。といっても、入り口周辺は人の手が入ってるから、魔法の明かりがそこらじゅうに設置されてて安心なんだけどな。
「単独で来てくれよ……」
複数のモンスターに遭遇しないことを祈りながら道を進む。たしか、メイクベダンジョンのモンスターは単独が多いはず。それなら、レベル帯が合わなくても、何とかなるはずだ。
エンカウントが優しいこと、ゲーム知識が役立つこと。その二つを祈りながら、進むうちに、その時は来た。
二階への階段が見える通路に出た時、別の通路から巨体がぬっと前に立ちはだかった。
「ウゥゥゥゥ……!」
オレの目の前に現れ、うなり声を上げるのは、赤い目に、土色の筋肉だるまみたいな巨体の魔物。頭部の縮れた髪の毛の間からは曲がった角が生えている。
ボーデンオーガ。土属性の、このダンジョン特有のモンスターだ。
見た目通りの物理特化のモンスターで、高いHPと攻撃力を誇る。メイクベダンジョン低層では、ちょっとした強敵で、単体で現れるだからと言って油断できない。
「来たか……っ」
問答無用、ボーデンオーガは右手に持つ棍棒を振り上げる。
オレも手のワンドを構え、戦いの姿勢に入る。
この世界に転生して最初の戦いだ。最後の戦いにならないように、気合いを入れないとな。
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