満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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鉄虎の威力

すごい、凄すぎる。

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 朝鮮馬賊は村を襲う際、事前に偵察をする。 警戒や兵が警備してるなら襲わない。 弱い老人やオンナ、子供には強い朝鮮馬賊だ。 勝てる、弱いものしか相手にしないのである。 そこが、満州馬賊との違いであった。 声はでかいが、口だけで、威勢のいいことはいうのだ。 まあ、ヤクザがハッタリで生きてるのと同じだ。 戦場で、小便ちびるヤクザの多かったことか。 イザとなると、農民の方が、ヤーさんより度胸があるのだ。 そして、朝鮮人は戦車を見た事がない。 つまり、なんかデカイ鉄のカタマリが置いてあるくらいの感覚なのだ。  それで、偵察の朝鮮馬賊の部下は、村には兵隊などはいないと報告したのである。 その村は住民が30世帯ほどの小さな村で、大豆や小麦を耕作して、組合に売って生活したいた。 組合は、集めた大豆などをシベリア鉄道経由で、欧州に輸出していたのだ。 生活は大豆を耕作するようになって潤っていた。 働けば食える世の中で、村人に不満はなかった。 最近、残酷な馬賊のウワサが広がり、村にも政府の軍隊から警備の兵が来た。 とんでもない機械を操り、村人は遠巻きに見るだけだった。 たまに、トラックが機械の点検と食糧を運んでくる。 普通、兵は現地で食糧を奪うことが多かったが、この派遣された、兵らは違った。 おそるおそる、村の長が、「兵隊さん、芋でもどうかね。」 と焼き芋を差し出した。 「あ、あ、ありがたいが、われらは村を守るためにいる、食糧をもらうためにいるのではない。」 と断わられてしまった。 機械は前に虎の絵が大きく書かれていて、正直に怖いのだ。 村の長は兵らに聞いた。 「これは、なんという機械ですじゃ。」 「お、お、初めて観るだろう、オレも少し前に知ったのだ。」 「では、なんという。」 「戦車というらしい、日本軍の武器だ。」 「なんと、日本軍の、あの無双の軍隊のですか。」 「そうだ。」 村の長も聞いたことがある。 この満州国は皇帝がいるが、その皇帝はシナから敗れて逃げてきたのだと。 それを、日本軍が味方したためにシナは皇帝を追うのをあきらめたのだと。 シナの軍が恐れる日本軍の武器か、村の長は「この年になり、冥土の土産の話ができましたじゃ。」 といって感心して戦車を観ていた。 ・・・・・ さて、数日後の朝早くだ。 馬賊は朝早く襲ってくることなので、戦車兵の3名は、村の入り口で、張り番である。 エンジンは暖気運転が済んでした。 砲塔に弾薬を込めて、肩にあてて、将星を見ていた。 ん、ん、なんだ。 「おい、なにか来るぞ。」 まだ暗い深々とした闇を突いて、馬賊どもが駆けて来る。 「オイ、きたぞ。」 「エンジン始動。」 戦車長が指令する。 ブルブル、とデーゼル統制エンジンが動き出した。 「照準、前方の馬賊、テーッ。」 37ミリ戦車砲から炸裂弾が飛び出した。 
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