満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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懲りないヤツラだ。

また、なのか。

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 そうして、コオリ村の献女騒動は幕を閉じた。 6人の生娘は女学校へ、いや5人だ。 ひとりは日本へ留学だそうだ。 「え、なんで?」 「うらめしい、イヤうらやましいわ。」 とリンリーのウワサが75日続くコウリ村だ。 まあ、将来は女優かとのウワサの少女であるから、「まあ、わかるわ。」と話は収束したのだ。 しかし、これで何度めだ。 とうとう、満州国の議会で、議題に上るのである。 題目は、朝鮮族から満州娘を守る会議だ。 なんとも、はや、・・・・だが。 そして、知識人の登場である。 もろ、胡散臭いヤツだが。 有識者とか知識人なぞ、敵の回し者としか? そして、ある知識人が、「朝鮮族からの、満州への娘誘拐件数は・・」、以前はコウで、今はコウだ。 とグラフを指して、ああだこうだとのたまう。 要は、ここ数年で、シナからの献女の要求が増えたことが原因であると。 そして、別の知識人が、「半島では、娘のうち、それなりの娘を出し尽くした。」 「そして、ブーばかりになり、シナがブーは送り返すからだ。」 との説明であった。 まあ、すべての話は納得すべき話だが、原因ばかりで、解決策が無いのだ。 「まあ、献女の話はわかった、では防ぐ手立ては。」 すると、有識者から知識人まで、ダンマリだ。 有力な、具体的な解決策なぞ無いのである。 とても、国境に金網のフェンスなぞ予算的に無理な満州国だ。 せいぜい、警邏の兵をチラホラと配置するが、その配置も間隔が数キロと開いているのだ。 これでは、まさに入り放題なのである。 そして、結局のところ、現在の、そのつど助ける作戦しかできないと、結論がでたのであった。 隊舎に帰った本郷隊長は、「まあ、現在の体制維持で固まった。」と隊員らに説明した。 「それでは、現状維持ですね。」 「なんだ、安心したような。」 「それは、そうです、我らは飯をそれで食ってんですから。」 「まあ、そうだが、大きい声では言えんぞ。」 「そうですが、満州国からの援助金もバカにならないですからね。」 と庶務係だ。 半島のヤツラは厄介な連中だが、たとえ全員を消しても、新たな半島人がやってくるだろう。 そうして、半島人になってゆくのだ。 日和見主義で、事大主義の、関わりたくないヤカラとなるのである。 地政学が、まだ研究されていなかったが、地政学的なものであるのだ。 だから、日本海は大切である。 海で、遮られているから朝鮮馬賊が来れない。 しみじみ、ありがたい日本海である。 ・・・今回は、どうにもならないとの話でした。 
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