満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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討伐部隊の出撃。

懲りないヤツに鉄槌を!

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 「これで、何度目かな。」 田村飛曹がつぶやく。 「あ、あ、6回目か。」 「いや、8回目だな。」 と倉田飛曹だ。 本当は9回目の出撃だが。 「思えば、たくさんの娘を助けたものだ。」 「何人になるかな。」 「わからんさ。」 「今日は何人いるかな。」 「情報では、3人はとの話だ。」 「それにしては、97式が3機だから。」 「おそらく、余裕を見てるんだろう。」 「オレは考えてるんだが、ある程度の年齢になったら娘は日本へ全員が集団留学なら。」 「それは、費用の関係で無理だろう。」 「しかし、日本海があるから、誘拐は無理だろう。」 「まあ、究極の考え方だな。」 そこまで、予算が・・・ それに、個人の考え方もある。 別れたくない親子も多いのだ。 子供の働きが、生活費の助けになっている時代である。 根本は朝鮮族の資質である、しかし無理だ。 何千年もの、シナの属国では、遺伝子レベルで、資質が焼きついているのだ。 万里の長城でも造るか、と冗談をいう倉田だ。 「全員、地上を照らすライトは?」 「点検終了です。」 「うむ、よし搭乗しろ。」 「ハイ。」 ダグラス輸送機に空挺隊員が乗り込む。 機内の天井のロープに落下傘の端をかけていく。 良く機を見ると、日本観光航空、とか亜細亜飛行機とか社名が・・・ どうやら、借り受けた機のようだ。 4機の輸送機はエンジンを廻して調子を見ている。 双発で、リズムがブーーーーンと唸る様だ。 誘導機(航路案内の戦闘機)がタキシングで、滑走路に乗る。 いよいよか。 「おい、見てないで行くぞ。」 「そうだった、こちらも出撃だ。」 二人は97式へ走る。 飛行場の上で、編隊を組んだ。 なんか、爆撃機の編隊に、97式が護衛戦闘機だな。 これで、朝鮮の誘拐犯に鉄槌を下すのだ。 滑走路には夜間離陸のライトが点灯している。 そうだ、米国から輸送機と同時に、輸入したマシンガンが、倉田は座席の後ろに置いた武器の安全装置を確認した。 万一、飛行中にでも作動したら、あぶないからだ。 南部拳銃と違い、使い慣れていないからである。 朝鮮馬賊が多人数ならと、軍が渡してくれた。 しかし、機関銃は倉田は、あまり好きではなかった。 空挺部隊も短機関銃だったな。 サンパチ(38式歩兵銃)でないとは、時代の変化についていけないな、と武器の変化に戸惑うのである。 そんなことを考えてる内に、「降下地点に入る。」 と誘導戦闘機から無線だ。 輸送機から白い落下傘が開きながら、次々と降下している。 一面の暗黒の地上に降下するのだ。 いくら、ライトを持っていてもオレならごめんだ、と思う倉田飛曹だ。 さて、97式を降ろさねば。 いかん、真っ暗じゃないか。 どこが、なんやらわからんわ。 3機の97式はどうする、どうする・・・
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