戦国時代に機関車。

ゆみすけ

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蒸気の逆転器。

蒸気機関は逆転が・・・

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 いままでの首振りエンジンは逆転させるのは、一度止めて、はずみ車を廻す方向を反対にしていた。 構造がカンタンだから、逆転も急にはできなかった。 船の外輪を廻す場合は歯車の切り替えで逆転していたが・・・ 蒸気機関車は、いままでの方法では逆転は無理だったんだ。 単気筒では無理だ。 それで、2気筒の機関になって、やっと逆転操作ができるようになった。 まあ、蒸気弁を入れ替えるのだが。 まだ、転車台が完成していない。 転車台とは、蒸気機関車を乗せて、反転させて前後を変える装置である。 機関庫には必ずある装備である。 蒸気機関車は前、後ろがはっきりしている。 それで、2号機関車なんだが、逆転器には苦労したんだ。 なんせ、大垣から彦根までは峠越えがあるからだ。 そして、坂道は機関車は苦手なので、スイッチバックを使うことにしたのだ。 線路に歯車を刻んで登る、アプト式もあるが、機関車の構造が複雑で造れないからだ。 それに、速度がアプト式は時速20キロが限度だ。 峠は機関車を変える手もあるが、そこまでは資金がないのだ。 スイッチバックはカンタンだ。 線路を緩やかな坂道で段々に作るのだ。 そして、前、後ろと方向を変えて登っていくのだ。 だから、逆転器が必要であるのだ。 そして、客車と貨車だ。 2両連結でいくか、1両を貨客車とするかだ。 ここは、鉄道馬車では牽引力が機関車はあるから構造的に無理だ。 新造しかないだろう。 枠や屋根は木製でもいいが、ボギー車や台枠は金属でないと力に耐えられないだろう。 客車の車輪はボギーとする。 台枠に2軸の車輪をつけてあるやつのことだ。 貨車は1軸台枠だ。 そして、1号機関車は保線用に使うんだ。 なんせ、美濃から京まで距離はあるからね。 そこを、片道1日で運行する予定だ。 もちろん、機関車は1両しかないから、日に1本の列車運行である。 軌道に乗ったら日に往復してもいいが・・・ 先行投資は、かなりになりそうだが・・・ しかし、お城の老人が金蔵を開けてくれたので、なんとかなりそうだ。 「さすがに、お館様は、お考えがおおきいぞい。」 と感心しきりの侍大将だ。 「なんせ、1日で京までだ。」 「まるで、天下を盗ったと同じじゃ。」 とぶちかました。 「鉄砲といい、ポンプやランプ、それに機関車じゃ。」 「これで、天下はお館様のものじゃぞい。」 と興奮する侍大将だ。 「そこまでのものですかね?」 と聞いたオレだ。 「京には天主様がいらせられる、そこまで1日で行けるのだ。」 「うん。」 「城持ち大名で、そこまでのモノはおらん。」 「京まで、速ければ半日だ。」 「まあ、そうですね。」 「京に挙兵が1日だ。」 「しかし、いくらなんでも1000人もは1日では無理だぞ。」 と答える。 「数は問題ではない、連絡なぞ瞬時だ、そして兵も100人は半日でなんとかなる。」 「まあ、そうだね。」 「なら、天下はお館様のモノじゃ。」 と興奮する侍大将だった・・・・・
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