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座席ごと飛ばすのだ。
出来上がった座席。
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実物大の模型を作る。 骨組みは材木だ。 加工がたやすいからだ。 そして、火薬を仕掛けるところは、金属製である。 強度計算はしてある。 数回、使えればいいのだ。 「人体模型は?」 「あ、あ、人身御供ですか。」 「その言い方、なんとかならんかね。」 「そうですか?」 「被害者みたいだ。」 実際、人形だが、実験の被害者だ。 「そうだな、あんぜん君は?」 「いいな、それだ。」 交通教室の安全坊やと同じか・・・ 以前に、生きた犬で試して死亡したことがあった。(操縦席ごと、犬は爆散した。) 愛犬組合から非難の嵐だ。 それで、懲りた(日本は平和だ。)開発会社だ。 あんぜん君には、いたるところに、風船が仕掛けられている。 衝撃で風船が爆ぜるのだ。 それで、怪我の具合を判断できるのである。 「でも、どう見ても女学生に見えるんだが。」 そうなのだ、技師の個人的趣味らしいが・・・ あんぜん君ではなくて、あんぜん女子なのだ。 まあ、空気を読んで、突っ込まなかったのだが。 「落下傘はつけたな。」 「ハイ。」 「飛び出したら、開くように、紐は結んであるな。」 「確認しました。」 「では、実験開始だ。」 スイッチを入れた。 「バウン・・・。」 と火薬が爆ぜて、座席が飛び出した。 「お、お、っ!」 「けっこう上がるな。」 5階建てのビルほど上がった。 そして、落下傘が開いて、降りてきた。 もちろん、座席ごと、あんぜん君が降りてきた。 「いかん、座席から離れなかったぞ。」 どうやら、座席から、あんぜん君が離れなかったようだ。 そこは、操縦者がベルトを外すから問題ないが・・・ 「うむ、ロケット推進火薬が成功したようだ。」 「では、試作段階だな。」 一応、成功したとみて、戦闘機座席に応用できそうだ。 ここは、操縦者の安全をかんがえて、すべての戦闘機に採用することができる。 「それで、紐だが、黄色と黒の安全模様にして、リングをつけて、まちがっても事故以外で曳かないようにしないとな。」 「そうですね、事故でもないのに、座席が飛び出しては話になりませんからね。」 「実際の動作を体験しなければならんだろう、この模型は金属で作りなおして、操縦者育成に使おう。」 戦闘機操縦者は全員が脱出座席を体験することとなった。 火薬の交換で、できるから安価な体験装置ができたのだ。 そして、ロケットの研究者が追撃戦闘機開発会社と組むこととなる。 これが、ロケット開発に多大な貢献をするのだ。 つまり、ロケットの誘導装置が追撃戦闘機の電波探信儀のアイデアから完成できそうなのだ。 いままで、敵の爆撃機の探知方法に苦労していたらしい。 「小型化だ。」 「それが、できれば完成だ。」 爆撃機に対抗する方法で、日本は追撃戦闘機とロケット弾の二種類の研究をやっていた。 つまり、片方は担保である。 「ロケットは飛行場がなくても運用ができる。 つまり、車で移動も可能なのだ。 これは、大きいぞ。 電波探信儀で、飛来する位置を特定して、車でロケットを移動させるのだ。 数が揃わなくても、ある程度の地域をカバーできるぞ。 限られた国力の日本にとり、これは切り札となれる・・・・技師は確信したのだ。
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