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ポルシェ砲塔。
コマンダーから下界を見る。
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いきなり、タイガー戦車のコマンダーを仰せつかった。 戦車は定員が5名だ。 コマンダー、運転士、装弾士、そして砲手と無線係の5名だ。 無線係は前部の機銃手を兼ねるのだ。 そして、5名が、全員カンタンな整備はできる。 つまり、無限軌道が無理な運動で切れたら、付け替えたり、エンジンの点検、無線の操作や戦車の運転もできるのだ。 まあ、タイガー戦車はオートマだから、運転はクルマよりカンタンだ。 あとは、無限軌道に無理がかからない運転やエンジンの点火プラグの掃除くらいか。 あと、無限軌道の張り具合の調整やなども専用治具で、できるのだ。 出来ないことは、砲身の交換やエンジンの交換くらいだ。 そのためには専用のクレーンを造らねばならない。 砲身は、発射回数で、交換が決まっているのだ。 砂地が多いと交換も早くなる。 砲塔の後ろにハッチがあるが、それが、砲身交換用のハッチだ。 そこを開けて、うしろから砲身を引き抜いて交換するのだ。 砲弾の薬きょうを捨てるところではないのだ。 開けたら締めるのが大変なのだ。 重くて、ひとりでは無理だ。 そして、ツインメリットコーデングだ。 コンクリートを三角に車台につけてある。 磁石につかないようにするためだ。 戦車の車台は鉄で、できている。 それも、鋼鉄にさらにねばりをくわえた合金だ。 硬すぎるとモロくなる。 だから、その割合が技術なのだ。 オレがエンジンを金網ごしにのぞいていたら、「ドイツはガソリンエンジンだが、日本はデーゼルと聞いているが。」 「そうですね、ガソリンは戦闘機などに、まわして、陸は軽油のデーゼルですからね。」 「お国柄というわけか。」 「そういえば、ポルシェ博士の発電電気戦車は?」 「あれか、最初のタイガーか。」 「発想が早すぎて、技術が追いつかん。」 「少しでも、目を離すと発電機が火を吹く。」 「その度に、消火液で、整備しないと。」 「うわ、オレには無理だ。」 「まあ、デーゼルは滅多に火は吹かないからな。」 「欠点はエンジンの大きさの割りには、馬力がないことくらいだ。」 「まあ、戦車はエンジンで決まるからな。」 「搭載する砲塔や車台の装甲の厚さ、走る速度など全部がエンジンしだいだ。」 「なんせ、動いているときは、エンジンを目一杯吹かしているからな。」 「何キロで、交換でしたっけ。」 「そうだな、前線では無理だが、1000キロもないはずだ。」 「米軍は、確かシャーマン戦車は、かなりの距離走行しても交換しなくていいと聞いているが。」 「ドイツがオーストリアへ進駐したとき、2号戦車が、3割から4割の稼働率と聞いているが。」 日本の八九式はどうだったかなと考えているオレだ。
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