40 / 61
キング・タイガー
ポルシェ砲塔
しおりを挟む
キング・タイガーがM26の攻撃から逃れて帰隊した。 車長いわく、砲撃は外れたらしい。 距離は300くらいとか。 「その距離で、外すか。」 「あ、あ、砂漠に慣れておらんヤツだろう。」 「熱い砂漠は、独特の弊害があるからな。」 「どんな?」 「乾燥がすごい、熱いが、夜は冷える。」 「うむ。」 「そして、日陰との温度差がヒドイ。」 「うん。」 「そして、砂漠の砂嵐など、とても言えないほどだ。」 「だから、M26の乗員は、砂漠を知らない、おそらくシャーマンもそうだ。」 「英国軍から聞いてないのか。」 「そこまで、英国が米国を心配するわけがない。」 「ということは、米軍が知らない内に、決着をつける方が。」 「そうだな。」 「一月も経てば、米軍も知ることとなるだろう。」 「では、それまでには。」 「まあ、オレ達がとやかく言う事ではない。」 アフリカ戦線は気候との戦いでもあるのだ。 いい例が、エンジンの空気取り入れ口のフィルターだ。 ひどい砂嵐では、すぐダメになる。 フィルターには、油を浸透させた、浸式と紙だけの乾式があるが、どちらでも差はない。 数時間での交換が・・・ もう、フィルター交換は他の部品交換よりはマシだが。 そして、イチバン大変なのが、エンジンに砂が入り動かなくなったときだ。 重い、とてつもなく重いキング・テイガーを牽引するのは、3両の牽引車で、引くのだ。 3両もないから、ないしょだが、ティーガーや他のキングで引くのだ。 本国の取り説では、禁止されているんだが。 そして、砂漠では、砂が入るから、風が無い日を狙って交換だ。 そして、転輪の交換も大変だ。 奥の転輪だと、何枚も転輪を外さないと・・・ 本当に、ティーガーやキングは無双だが。 整備士にとっては、シャーマンがうらやましいのだ。 なぜが、愚痴ばかりな話で整備係りは、タミヤ君に愚痴ってウサ晴らしをするのである。 その、他では聞けない愚痴話を聞いて喜ぶタミヤ君だが。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる