戦車がすべての世の中。

最終点検

調子は最高だ。

　　　一通り、点検が終わる。　そこは、米国の自動車産業の成果である、シャーマン戦車だ。　不具合なく、動作に問題はなかった。　砲身安定のスタビライザーも問題ない、だたし、走行射撃は当らない。　停止して狙いを定めるしか無い。機械の計算機がヒトの長年のカンに勝てるようになるのは、まだ先の話だ。　「よし、これで使えるな。」　「あ、あ、まだ死にたくはないからな。」　「同感だ。」　「あとは、星のマークと入れれば出撃できるぞ。」　国旗や国の印なしで、出撃したは戦時協定違反だ。　ハーグ陸戦条約で決まってるのだ。　平服で（民間人の服のこと。）戦闘しては、軍事条約違反である。　日本の戦国時代と同じだ。　旗指物で敵か味方か見分けるのである。　それは、独逸軍も同じだ。　独逸はアフリカ軍団の制服だ。　色は本来は緑色だが、太陽光線で変色してサンド色だ・・・　軍服は生地が丈夫だ。　戦闘で破れては戦えないからだ。　ゴワゴワして着心地は最悪だが、ガマンだ。　裏地なんか無い。　それに、ワッペンなんか付けない。　階級章だけだ。　敵に情報を知られたくないから、本来の軍隊はマークなんか付けないのだ。　日本海軍でも、平時は艦名をデカデカ書いていたが、開戦と同時に消したのだ。　戦車もそうである。　米軍は星、独逸は十字だ。　まあ、戦車は形でわかるから、国章はうるさくはないが・・・　そして、米軍の軍服はジッパーの金具が日本と反対側についている。　左にジッパーの金具が付いてるのが日本だが、右に米軍の服はジッパーの金具があるのだ。