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エルフの異世界。

進撃の番付き妻。

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 魔女妻が、「用意はいいわね。」 と振り返る。 総勢20人だ。 エルフ殲滅部隊である。 なぜ、20人なのか。 それは、異世界移動の人数が20人までだからだ。 魔法陣の大きさから図式までが決まっているのだ。 その魔法陣に乗れるのが20人だからだ。 魔女の1番が、真ん中で、杖を振る。 「マンコ、マンコ、チンポ、マンコ、ウルトラマンコ・・・」 叫ぶ魔女の1番だ。 周りが、一瞬で替わる。 「いい、あんたらが魔法陣を死守するのよ。」 と魔女妻は他の魔女妻4人に厳命だ。 どうしてかって、その転移した魔法陣でしか帰れないからだ。 「あたいも、一緒にいくよ。」 魔女妻の1番がオレに寄り添う。 しかし、市松が、「あんたも、ここよ。」 と厳命だ。 序列1位の市松の言葉は絶対だ。 オレも逆らえないほどだ。 仕方なく、魔女は引っ込んだ。 「あんたは、あたいのオトコよ。」 と市松は離れはしなかった。 さて、魔法陣は草原に展開していた。 魔女の魔法陣の魔法で、森が削られたのだ。 半径500メートルほどの平原の中心が魔法陣だ。 魔法陣のまわりを魔女妻らが警備に就いた。 魔女らは、全員がアサルト・ライフル装備だ。 なぜかAK47だ。 魔女は腹黒いから、似合うのだ。 周りは森林だ。 もう、うっそうと茂った森だ。 木は見上げるほど高い。 「よし、では、進軍するぞ。」 とオレだ。 3チームに別れた。 5人の真ん中が伍長だ。 つまり市松、リカ姉、番台だ。 そして、両脇にグレネードと機関銃だ。 端がライフルだ。 そしてオレは先頭だ。 つまり、斥候兼偵察だ。 オレの指示で行動するのである。 妻を先には行かせない。 手を出して、待ての合図だ。 草の色が微妙にちがう。 さては、対人地雷か。 コンバットナイフを地面に斜めに刺した。 抵抗がある。 その周りを掘り起こす。 対人地雷は足を踏むと爆発するヤツだ。 そして、プラ製だ。 金属探知器は使えない。 オレは印をつけた。 掘り起こす時間はないのだ。 オレはひとり地雷探査だ。 地雷で殺られるのは、ひとりでいいからだ。 どうやらエルフは木の上での生活のようだ。 地雷が配置してあるからだ。 「あんた、エルフの死体よ。」 と市松が指差す。 「近づくな、たぶん爆薬が仕掛けてある。」 ナインのエルフの死体が転がっている。 どう見ても、ブービートラップだ。 死体をひっくり返せばドカーンだ。 「どうも、雰囲気からエルフのヤツらはオレ達が来たことを・・」 「そうね、感づかれているわね。」 と市松がいう。 リカ姉も番台もウナズク。 市松が、「これは、待ち伏せを喰らうかも知れないわ。」 とオレを見る。 手信号で、全員集まれだ。 どうするオレ、どう判断するオレ、15人のオレの妻は、ブッシュの影に集まる。
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