大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ

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音速VTOL

ロボットチーム専用機

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 それは、黒い点だった。 それが、見る間に・・・・ チタン合金の鈍い銀色つや消しの胴体と4個の筒になる。 大きさは、観光バス2台分だ。 車輪はない。 飛んでくるとき音は、ほとんど聞えなかった。 空気を切る音がするだけだ。 やがて、4本の胴体から生えている筒を垂直にして、降りてきた。 「紹介しよう、君たち専用機だ。」 「音速VTOLと呼んでるが、いい名前があれば。」 「考えておきます。」とアイシャだ。 そして、識別コールは、すでに決定している。 シンレイツーは、少し言いにくいので、シンレイの父親の名前(ウイグル族は苗字が父親の名なのだ。)のモハドも、モハドツーではイマイチで。 それで、アイシャ2番とシンレイが命名した。 やはり、百合なんだ。 まあ、いい。 そして、仲間うちでは、1番とか2番とか呼ぶうちに、識別番号もアイシャワンが1番、アイシャ2番が2番となってしまった。 まあ、コールは短く単純がいいからだ。 「では、本日からの訓練の説明だ。」 情報部幹部が、「シュリーマン捕縛作戦の訓練だ。」 と模擬家屋の前で説明だ。 ロボット兵器と、合い方の少女とレンジャーが緊張して聞いている。 「まずは、シンレイチームは音速VTOLからの降下訓練だ。」 「そして、屋敷(模擬家屋)の裏に降りる。」 「そして、屋敷内への潜入だ。」 「ヤツの顔は覚えたな。」 全員が、なんとロボットまでが頷く。 「替え玉かもしれんが、そこは各人に任せる。」 つまり、本人確認は好きにヤレとのことだ。 「替え玉や、本人は模擬訓練だから人形だ。」 「しかし、ただの人形ではないからね。」 含みをもたせたので、シンレイチームは緊張する。 たぶん、音声回路がある人形だろう、そう思っていた。 「では、まずシンレイチームからだ。」 「では、行くよ。」 とシンレイが激を飛ばす。 なかなかの激だ。 (アイシャには勝てないが。) タイマーが動き出した。 音速VTOLが飛来する。 後部がパカリと開く。 すると、ロボット兵器がコロコロ回転して降りて来る。 レンジャーと少女らは、音速VTOLのロボット操縦エリアだ。 海底軍艦3番艦では、艦から衛星通信で、ロボットと繋がっていたが。 やはり、電波の遮断は危険な動作も生むのだ。 それで、音速VTOLが作られたのである。 そこからは、ロボットとの距離が近い、近いほどロボットの動きもヤル気も違うのだ。 電波以外で少女らとの繋がりがロボットにあるのではないか、とは変態科学者の須藤博士の論だが。 操縦するウイグル少女との連携は、まさに神がかりだ。 レンジャーが舌を巻くのだ。 レンジャーは、万一の判断や行動のサポートだが、「それは、危険だ。」との判断には少女とロボットは逆らうことなく止めるのだ。 そして、屋敷のシュリーマンの隠れている部屋のドアを蹴破りロボットが入った。(これは訓練です。) そして・・・・・・
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