大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ

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シンレイチーム発進。

音速VTOLの初陣だ。

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 「では、いいな。」 「ハイ。」 とシンレイチームがそろってハモル。 山田総理、直々の見送りだ。 多忙な時間を割いての見送りだ。 なんせ、今回の作戦は山田総理の個人的な要望なのだ。 内閣府も知らない。 独逸帝国側もロンメロ将軍とフローラだけだ。 作戦の予算も裏金だ。 数十億円はかかる。 しかし、日本国の国益に、大きく貢献することは間違いない。 独逸帝国政府の動きはシュリーマンのスパイが探っているが、日本国が絡んでくるとは、当のシュリーマンも思っていなかったのだ。 そこに、付け入るスキが生まれるのだ。 初の実戦で、シンレイチームには重い負担だ。 しかし、山田総理は、日本の最新で最高の軍事技術の投入で必ず成功することを願った。 音速VTOLが空の彼方に消えると、「衛星追尾は?」 「大丈夫です。」 「アイシャチームは即応の待機だ。」 「ハイ。」とアイシャが敬礼する。 もう、敬礼が形になったアイシャだ。 「情報部の全力で、サポートを怠るな。」 と山田総理が激を飛ばした。 「この、作戦は日本の将来に大きくかかわる、皆 気合を入れろ。」 山田総理が激を・・・・ アイシャは、こそこそ情報部幹部に、そして幹部の耳に内緒話だ、そして幹部のほっぺにチュだ。 このチュで、日本の将来が大きく動くとはアイシャも夢にも思わなかった。 ・・・音速VTOLは、まずロンメロ将軍が幽閉されていた屋敷をめざした。 まずは、そこから偵察である。 ソ連のモスクワ郊外まで、8時間で、到着予定だ。 高度1万5千メートルの空気が薄いところを超電導磁気エンジンが4基で、音速の2倍だ。 低空では空気との摩擦で、音速の2倍は無理だ。 チタン合金の機体はビクともしない。 機内は、快適だ。 大型バス2台分の大きさに14人だ。 操縦は2人だ。 お局士官である。 メイド服は制服だ。 VTOLはお局が操縦と形が決まっていた。 例外はないのだ。 キッチンも洗浄トイレも、なんとシャワー室まで完備だ。 そして、リーラが全員に挨拶がわりのコーヒーを入れて配っている。 もちろん、コーヒー豆はトヨス自動車のエチオピア農場で栽培されて、天下のトヨス遠赤外線焙煎だ。 自動車会社なのか、軍事産業なのか、コーヒーの会社か、なんともわからんが。 しかし、「うまい、コーヒーはトヨスだな。」 とは機内の古参レンジャーの評価だ。 気合も大切だが、一杯のコーヒーの香りも大切である。 そして、作戦の再確認だ。 「ここで、出入りの人数と・・・」 「そして、これがイワノーシェフから手に入れた、グレゴリー派の名簿だ。」 「いいか、絶対に失くすなよ。」 「シュリーマンはグレゴリーと必ず繋がりがある。」 「最近、冴えないグレゴリーだが、シュリーマンが裏にいるのだ、起死回生を狙うはずだ。」 「そこに、付け入るんだ。」 音速VTOLは、モスクワ郊外の黒い消し炭が目立つ空き地付近に到着した。 
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