大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ

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独逸型イ号潜。

独逸海軍の統帥権。

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 Uボート全廃、この指示はロンメロ将軍からだ。 独逸海軍技官の意見書を観たロンメロ将軍は判断は早かった。 いい環境で、うまい食事で、清潔な潜水艦なら、優秀な人材も集まるはずだ。 絶対数が不足の独逸海軍の建て直しをロンメロは日本人に任せてしまったのだ。 陸軍はロンメロが居る、では海軍は・・・だからだ。 そうすれば、英国も独逸帝国がドーバー越えを考えていないと判断するだろう。 英国は日本と切れない仲だからだ。 海洋性国家どうしだからだ。 そして、米国は英国と同盟国だから、そこに米国が入るのは当然だろう。 独逸帝国のUボートの替わりは、日本海軍のイ号潜水艦の独逸版となる。 そこで、日本近海で、運用していた、旧式イ号を100隻、太っ腹の山田総理は独逸帝国への武器輸出の第一号としたのだ。 その代金で、日本海軍の新型イ号を鎌倉造船に大量発注したのだ。 なんと、100隻だ。 大型予算が組まれた。 それを聞いた野党は、自身を後援する企業から催促だ。  国会は紛糾する。 どうしてかと、それは発注が300隻分すべて鎌倉造船だからだ。 「なぜ、鎌倉ばかり。」 「え、え、それは予算の関係で。」 「どうしてだ、ヨツビシ造船と価格は。」 「ほとんど、同じではないか。」 「しかし、スペックが・・・」 「では、HIH重工は、どうなんだ。」 すべて、同じところでは、疑惑は深まるばかりだ。 「イシカワ重工の見積もり書はどうなんだ。」 議員らは、自身を応援する企業を噛ませろと大合唱だ。 これでは、いつまでたっても潜水艦は建造できない。 「わかりました、では五社で。」 大幅な譲歩で、野党を黙らせた総理だ。 みんな利権に群がるのである。 独逸帝国は輸出する旧型イ号は、それでも日本海軍の正式艦だ。 旧型とはいえ、独逸海軍のUボートなぞより100年はやいわ、と日本海軍技官は鼻息が荒い。 100隻の潜水艦隊は日本から独逸帝国のキール軍港をめざした。 ところで、100隻の独逸海軍Uボートの処分だが、とんでもないことになっていた。 スクラップで、鉄材としての処分を条件にシナが買い取ったのだ。 シナと独逸帝国は武器の独逸側からの売り買いは条約がありOKなのだ。 今回は、ソ連は以前のシュリーマンの件があり黙っていたのだ。 そこにシナが噛んだのだ。 まあ、これは、日本が知らないところでシナに売られてしまったのだ。 スクラップで、解体が条件だから独逸帝国も油断したのである。(あのシナが約束を守るとは思えないが・・・) シナは、まんまと独逸帝国の新型Uボートをスクラップ値段で手に入れたのである。 まさに、漁夫の利を得たのである。 それも、スクラップだから安価だ。 シナは、約束どうり、その100隻のUボートを解体して、資源とするのかな? ( まさか、するわけない!) シャンヘイ軍港の潜水艦桟橋に並んだ100隻のUボートだ。 まんまと、手に入れたのは軍閥の王李だ。 役どころは海軍大臣だ。 シナは100隻の潜水艦の乗員を急遽、募集し訓練することとなる。 なんせ、いままでは数隻しか潜水艦が無かったからだ。 まあ、半年は訓練にかかるだろう。 山田総理は、紛糾した国会の答弁で、それどころではなかった。 まあ、独逸帝国からシナへ潜水艦が渡ったことは、気がつかない日本政府であった。 
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