大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ

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フローラとハンナ。

叔母様が本当の叔母様に・・・

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 「フローラ様、ハンナ様より通信が入っておりますが。」 と侍従が伝言である。 「そう、ではクルマを・・」 「すでに、廻してございます。」 「わかったわ。」 フローラは独逸帝国の公用車で格納庫へ走る。 そう、あの4発ジェット機の衛星通信機を使うためだ。 「なんでしょう?」 フローラはスイッチを入れて、「こちらフローらですわ、おばさ・・・」 「フローラ、あたしよ、助けて。」 「えっ、いまなんて?」 「あたしの主人が引退すると宣言したわ。」 「それは、困るわ。」とフローラだ。 なんせ、山田総理は独逸帝国の民主化には欠かせない存在なのである。 せっかくの、いままでの苦労が水の泡である。 ハンナとフローラは衛星通信で(もちろん、漏洩することは無い、日本の通信技術である。)ああでもない、こうでもない、と作戦をこねて、こねて、練り込んだのである。 フローラにとってロンメロは、すでに手の中の蛙であった。 戦車の指揮が、生きがいのロンメロだ。 そこは、理解しているフローラである。 ・・・翌日のことである。 ロンメロ将軍への手紙や軍関係の通信文をロンメロの秘書がデスクに載せる。 そこに、フローラが現れた。 「フローラ様、ごきげんよろしゅう。」 と秘書だ。 「え、え、おはよう、ここはいいから。」 と手で合図のフローラだ。 秘書は頷いて退出する。 そして、懐から出した書類を紛れ込ませた。 そして、知らぬ顔のフローラは退出する。・・・ ドアがバタンと開いてロンメロが登場だ。 新型の虎戦車に夢中なロンメロだ、今日も訓練は当然なのだ。 日本海軍ではないが、独逸帝国戦車隊に休日の二文字は無いのだ。 真っ黒な独逸帝国戦車隊である。 秘書に、「指揮車を廻して置いてくれ。」 「ハイ。」 「これを読んだら、出かけるからな。」 「本日も・・」 「そうだ、新型の虎はすごいぞ。」 もう、ウキウキのロンメロ将軍だ。 陸軍、そうなのだ、陸軍は独逸帝国の華である。 さて、どうでもイイ書類なぞサインして終わりだ・・・ 「なんだ、これは、幼女・・・」 「12歳だと・・・」 それは、ベトナム幼女を保護した話の詳細を・・・ もちろん、独逸語翻訳はしてあるのだが・・・ 内容がロンメロの怒りをかったのだ。 なんせ、ロンメロは子供好きとして有名だった。 特に、戦争孤児に対しては思い入れが・・・ 「おい、大臣を呼べ。」 「ハイ。」 びっくりした秘書が大臣室に走る。 大臣とは内務大臣のことだ。 ロンメロの様子から秘書は大臣にあわてて・・ 内務大臣は走って入室だ。 「なんでしょう?」 ロンメロは、「これは、事実か?」 「えっ。」 「事実かと聞いてるんだが。」 「え、え、と・・・」 「え、え、い、シナが幼女を、まだ拉致している話だ。」 「それは、条約で二度としないと・・」 「じゃあ、これはなんなんだ。」 と写真入りの書類を見せる。 そこには、華僑船で運ばれた幼女が・・・ 
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