ずっと君だけ。

しゅく

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緑化委員会の仕事が終わり、美守と別れた後、気が短い緑川をこれ以上待たせてはいけないと思い小走りで緑川が待つ会議室に向かう。
会議室といっても普通の教室と何ら変わりの無い場所で、よく各クラスの学級委員長が集まって話し合う時に使われているだけのようだった。

「っはぁ、・・・着いた」

この扉を開ければ緑川がいる。
一瞬ためらったものの、意を決して扉を開けた。

「・・・おせぇ」

「ごめん・・・」

「まぁいい、こっち来て座れ」

「うん・・・」


校舎の3階、一番端にこの会議室は位置している。
そこから見える夕焼けと景色がとても綺麗だ。
頬杖ついてこちらを見ている緑川の後ろから夕日が差し込んでいて、色素の薄い緑川の茶色い髪やきめ細やかな肌が照らされキラキラと光っていた。

本当にどこかの王子様みたいだ、なんて柄にも無い事を思った。

「おい、どこ座ろうとしてんだよ」

「え・・・」

緑川の座っている隣に座ろうと、椅子に手を掛けたら緑川があおるの腕を掴んでそれを遮った。

「ここに後ろ向きで座れって言ってんだよ」

緑川に腕を引かれ、導かれるまま後ろ向きで椅子に座ると、ちょうど前を向いて座る緑川と向かい合わせになった。
正面に座る緑川が気だるそうにバサッと一冊のノートを投げ置いた。
あおるはそれを手に取り、パラパラとめくる。

「手伝いって、これ・・・学級日誌?」

「ああ」

「え・・・これ3日前から書かれてないんだけど」

「俺が日記なんて面倒なもん毎日書くわけねぇだろ」

緑川はいかにもそれが当然の事のように言った。
ああ、そういやこんな奴だった・・・とあおるは改めて思った。

やる気にさえなればなんでも出来るのに、あきれるくらいに面倒くさがりな上、こうやって人にさせるから質が悪い。おおかた、担任には提出しない理由をうまい具合に繕っているんだろう。

「そんな3日も前の事なんて覚えてないよ・・・」

ほとほと困りながらも、あおるは精一杯思い出しながら日誌に書き込んでいく。

―――確か、この日の3時間目は国語で4時間目が社会で、・・・あれ?3時間目が社会だったか。
ここ3日間の時間割を悶々と思い出していると、ふと緑川の視線に気が付いた。

「な、なに?」

「・・・・・・いや」

そう言われたので続きを書いていくが、ジッと真正面から顔を近距離で見られるとやはり気になって仕方が無い。

「どうか・・・した?」

「・・・いいから続けろ」

「・・・続けにくいんだけど」

「・・・・・・」

「・・・・・・っ緑川!?」

とうとう至近距離での視線に耐えられなくなり、あおるはバッと顔を上げた。
何かを考えているようにジッと見てくる緑川と暫し沈黙が流れる。

「な・・・何かあるなら話してよ」

やっとの事で緑川がゆっくりと口を開いた。

「・・・・・・お前さ、一体何なの最近」

スッと緑川の右手が伸びてきてあおるの輪郭をそっとなぞった。
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