ずっと君だけ。

しゅく

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「最近・・・?」

相変わらず緑川の命令はこうして嫌々ながらも表に出さないできちんとこなしている。思い当たる節のないあおるは、輪郭に添えられた手に戸惑いながらも小首をかしげた。

「ああ、よく笑うようになったよな。つーか、あおるのくせに生意気なんだよ」

確かに最近は美守との会話が楽しくて笑うことも以前よりは、はるかに多くなった。
だが、それは美守の前だけであって、緑川の前では普段通りで別に変わりはない。それどころか、緑川の前であおるはほとんど笑うような事はなかったはずだ。

「緑川、なに・・・いっ!?」

人が話をしている途中だろうがお構いなしとでも言うように顎を掴まれたかと思うとグッと引かれ、緑川と視線が至近距離で交差する。

「・・・見えてんだよ。ここから全部、何もかも」

抑揚の無い緑川の声は、静まり返った教室に響いた。
言いながら窓の下を見下ろす緑川と同じようにあおるも見下ろすと、ちょうどいつも水撒きをしている花壇があった。
緑川の言い方はまるで、今まで美守と一緒にしていた委員会の仕事がいけないことのように聞こえた。


この教室から花壇が見えることや、放課後の2人をここから緑川が見下ろしていたなんてあおるは知るはずも無かった。

どこに居ても何をしててもまるで監視されているようであおるは息苦しく感じた。

ただ美守と話をしながら委員会の仕事をしていただけでなぜ責められるのだろう。
美守とちょっと楽しげにしたからって何がいけないのだろう。

――ああ、それが緑川には生意気に見えるんだっけ・・・


「あおる、明日からサボれ」

掴んでいた顎を乱暴に話したかと思いきや理不尽な緑川の命令。
あおるは握っていた鉛筆を持つ手に自然と力が入った。

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