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家に帰ると玄関には上品に揃えられた緑川の靴があった。
母親も既に帰宅し、夕飯の準備をしていたようで台所からトントンと包丁で食材を切る音がする。
ただいまと言ってもまな板に視線を向けたままお帰りという言葉だけ返ってきて、あおるは緑川が居るだろう2階の自室に向かった。
「あおる、ほんっとに本好きだな」
自室のドアを開けると、我が物顔であおるのベッドに寝そべっている緑川から呆れたように言われた。
学校に戻っていたなんて少しも勘付かれてはいないようだった。
「うん、休み時間することも特にないから、読書くらいしか・・・」
「うわー、寂しいやつ」
「だってもともとは・・・っ!」
ハッとなって口をつぐむ。
「んー?今なんて言おうとしたんだよ」
緑川はゆっくりベッドから起き上がり、ベッドの前に立っていたあおるに近づくと肩に腕を回して耳元で囁いた。
「気になるだろ。・・・ほら、言えよ」
後から脅されるよりも、優しく聞かれている今のうちに言ってしまった方が賢明だ。
「だ、だって緑川が友達とったから!だから俺は・・・」
「人聞き悪いなぁ。何、あおるは俺だけじゃ不満?」
不満は山ほどあるが直接言えるはずもなく。
「別にそんなわけじゃ・・・、ただ他の人とも仲良くしたいってだけで・・・」
「暗い、ダサいって陰口言うような奴らと?」
「・・・・・・っ」
つまりは仲良くなりたいと思ってくれる人なんて居ないという事なのだろう。そんなこと自分でも薄々分かっていたが、面と向かって言われると傷つく。
だが、今日は美守が自分の話を聞いてくれたし、自分に笑いかけてくれた。
クラスの全員がそうじゃない。それがとても心強く感じた。
「・・・あおる、なんで平然としてんの?」
緑川が顔を近づけてあおるの目をまじまじと見て言った。
「え・・・?」
「あおるいつもすぐ泣きそうな顔するじゃん」
確かにあおるは少々涙腺が緩い。それは自覚しているが、今日は別にそれほど悲観的な感情にはならなかった。
「う、打たれ強くなった」
「それはそれで・・・つまらないな」
そう言うと緑川はあおるから離れた。
何なんだ・・・。
緑川は自分を泣かせたいのだろうか。泣いたら泣いたで早く泣き止めとかウザいとか言うのに。緑川の思考は理解できない。
「っあー・・・ねむ・・・。あおる、夕食できたら絶対起こせよな」
そう言って再びあおるのベッドにボフッと横たわる。まるで自分の家とも同然なくつろぎ具合だが、いちいち気にしてたら身が持たない。
「うん、わかった」
残りの2日も置き手紙をしていこう、綺麗な寝顔の緑川を横目に見てあおるは思った。
そうすれば放課後は美守とたくさん話せる。
あおるは美守と話していくうちにもっと仲良くなりたいと思うようになっていた。
緑川が寝て夕飯ができるまで特に何もすることが無かったため、あおるは今日学校で習った漢字の復習をすることにした。
母親も既に帰宅し、夕飯の準備をしていたようで台所からトントンと包丁で食材を切る音がする。
ただいまと言ってもまな板に視線を向けたままお帰りという言葉だけ返ってきて、あおるは緑川が居るだろう2階の自室に向かった。
「あおる、ほんっとに本好きだな」
自室のドアを開けると、我が物顔であおるのベッドに寝そべっている緑川から呆れたように言われた。
学校に戻っていたなんて少しも勘付かれてはいないようだった。
「うん、休み時間することも特にないから、読書くらいしか・・・」
「うわー、寂しいやつ」
「だってもともとは・・・っ!」
ハッとなって口をつぐむ。
「んー?今なんて言おうとしたんだよ」
緑川はゆっくりベッドから起き上がり、ベッドの前に立っていたあおるに近づくと肩に腕を回して耳元で囁いた。
「気になるだろ。・・・ほら、言えよ」
後から脅されるよりも、優しく聞かれている今のうちに言ってしまった方が賢明だ。
「だ、だって緑川が友達とったから!だから俺は・・・」
「人聞き悪いなぁ。何、あおるは俺だけじゃ不満?」
不満は山ほどあるが直接言えるはずもなく。
「別にそんなわけじゃ・・・、ただ他の人とも仲良くしたいってだけで・・・」
「暗い、ダサいって陰口言うような奴らと?」
「・・・・・・っ」
つまりは仲良くなりたいと思ってくれる人なんて居ないという事なのだろう。そんなこと自分でも薄々分かっていたが、面と向かって言われると傷つく。
だが、今日は美守が自分の話を聞いてくれたし、自分に笑いかけてくれた。
クラスの全員がそうじゃない。それがとても心強く感じた。
「・・・あおる、なんで平然としてんの?」
緑川が顔を近づけてあおるの目をまじまじと見て言った。
「え・・・?」
「あおるいつもすぐ泣きそうな顔するじゃん」
確かにあおるは少々涙腺が緩い。それは自覚しているが、今日は別にそれほど悲観的な感情にはならなかった。
「う、打たれ強くなった」
「それはそれで・・・つまらないな」
そう言うと緑川はあおるから離れた。
何なんだ・・・。
緑川は自分を泣かせたいのだろうか。泣いたら泣いたで早く泣き止めとかウザいとか言うのに。緑川の思考は理解できない。
「っあー・・・ねむ・・・。あおる、夕食できたら絶対起こせよな」
そう言って再びあおるのベッドにボフッと横たわる。まるで自分の家とも同然なくつろぎ具合だが、いちいち気にしてたら身が持たない。
「うん、わかった」
残りの2日も置き手紙をしていこう、綺麗な寝顔の緑川を横目に見てあおるは思った。
そうすれば放課後は美守とたくさん話せる。
あおるは美守と話していくうちにもっと仲良くなりたいと思うようになっていた。
緑川が寝て夕飯ができるまで特に何もすることが無かったため、あおるは今日学校で習った漢字の復習をすることにした。
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