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放課後の人気の無い、いつもの教室。
小夏と遥、いつも通り横並びで宿題に取り組んでいた時だった。
「あ、あの・・・小夏」
チラチラと顔を窺ってくるような視線を送る遥に小夏は直感でそれと分かって口を開いた。
「えっと・・・遥ごめん、もうキスできない」
「――・・・え」
一瞬で表情が無くなり呆然とする遥。
シンッー―・・・といやに静まりかえってしまった空気に耐えきれず小夏が口を開く。
「や、やっぱさすがに学校じゃちょっと・・・と思って」
「ど、どうして・・・?小夏、やっぱり気持ち悪い・・・?」
途端に声を震わせる遥。
長めの黒髪と眼鏡で表情は見えにくいけれど、悲しげな声に小夏は慌てる。
「それは違うって!だってさ、どうする?もし誰かに見られでもしてたら・・・」
「・・・そうだよね、男同士だし、ましてこんなダサくてデブな僕なんかとキスしてるのなんて見られたら最悪だよね。もう僕帰るよ」
書きかけだった宿題ノートを雑に鞄に入れながら、自嘲気味に笑って話す遥に小夏はさらに焦る気持ちに駆られる。
・・・もしまた傷つけてしまったら、遥はきっと簡単に自分から離れていくんだろう。
小夏にとって遥の居ない毎日で味わった孤独感は、トラウマにも似た感覚になっていた。
「待って遥・・・っ!」
鞄を持ち今にも席を立とうとした遥の腕を掴む。
大事な遥を失う事だけは回避したい・・・!その一心で小夏は口を開いた。
「だからそうじゃなくて・・・っ、学校じゃハラハラしてキスに集中できないだろ!?」
再びシンッと静まり返る教室内。
小夏はまたも咄嗟に口を突いて出てしまった自分自身の言葉にカァッと顔が熱くなる。
何も言わない遥にチラリと目をやると、両手で口を押さえながらも嬉しそうに頬を赤く染めた遥と目が合った。
「えっ・・・、小夏今の意味って・・・う、うれしい」
「や・・・、その、俺、なんか言い方間違ったかも、なんて・・・」
「わかった、学校じゃ我慢するから」
今から僕の家に行こう、そう誘われた小夏は断るすべもなく遥の後に続いて教室を後にした。
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