【R18】愛とキャリアの選択〜

うちこ

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96話 禁欲

「汗がひいてきたな」
果てた後にも関わらず、丁寧に彼女に舌を這わせていた。

「ん…涼太…、お願い…もうおしまいにして」

その言葉を聞き、涼太は名残惜しそうに彼女の下腹部から顔をあげて微笑んだ。

「もう…ほんと舐めすぎだから」
ミクは頬を赤くしながら、呆れたように彼を見つめて、ようやく脚を閉じる。しかしどこか嬉しさが滲んでいる。

「一緒に風呂はいろう」
涼太はそう言って彼女の手を引いた。



ミクは涼太の胸に背中を預けたまま、バスタブの湯に身を沈めていた。
白い湯気がゆっくりと立ち上り、さっきまでの熱を、静かに包み込んでいく。

涼太の腕が自然に彼女のお腹に回り、指先がお湯の中でそっと絡んだ。
しばらく何も言わずに、水滴の音を聞いていた涼太が、ぽつりと呟く。
「ミク……また痩せたな」

責めるでもなく、咎めるでもない声だった。

ミクは小さく息を吐いて、彼の腕に体重を預け直す。
「そうかな。ちゃんとご飯食べてるよ」

「久々に抱いてわかったよ、痩せた」
そう言って、彼女の肩に頬を寄せた。

「またおっぱい小さくなっちゃった?」
ミクは冗談めかして言い、わざと軽く肩をすくめた。

「……そんなことを言ってるんじゃない、そんなことはどうでもいい」
低く、はっきりとした声だった。

「疲れてるんじゃないか、ちゃんと眠れてるか……それが心配なんだ」

ゆっくりと振り返り、肩越しに涼太を見つめた。
「ありがとう。大丈夫だよ」
そう言って、少し照れたように微笑む。

涼太は何も言葉を返さず、両手で彼女の頬を包み込んだ。そして短く何度も唇を重ねる。

「頑張ってるおまえが好きだ」
額に、頬に、唇に、言葉の合間に何度もキスを続ける。
「でも……無理はするな」

ミクの胸がきゅっと縮む。
「うん」
彼女は小さく頷き、涼太の首に腕を回して、彼の舌を吸った。

「今日いっぱい栄養もらえたから大丈夫…」
唇を合わせたまま伝える。

長く深いキスを続けた後に、ふたりはバスルームを出る。
ミクはドライヤーで髪を乾かし、スキンケアを終えた。

「ね、私…30分だけ英検の勉強するから、先に寝ててね」
そう言って、ソファに座る涼太を振り返る。

「日課だから。ほんとに30分だけ」
言い訳みたいな言い方になってしまって、小さく笑う。

涼太は一瞬だけ驚いた顔をして、それから肩をすくめた。
「真面目だな。今日はクリスマスだぞ?それに、あんなに…した後だろ…」
濁すように言う。

「今やらないと、ずるずるしちゃうから」
テーブルにノートとタブレットを並べながら、ミクはもう一度彼を見る。
「すぐ戻るよ」

涼太は何も言わずに頷いて微笑んだ。
「無理すんな。30分な」

「うん」
その一言で、ミクは十分だった。

結局ミクは一時間ほど勉強し、時計を見て0時を回ってることに気付く。
そっと寝室に行くと涼太がまだ起きていた。

「終わったか?」
そう言って布団を捲り、シーツをトントンと叩く。
「シーツ、新しいのに取り替えたぞ」
その言葉にミクは頬を赤くしながら、「ありがとう」と小さく呟き、彼の横に滑り込む。

「あんなことした後に集中できたのか?」
涼太はそっと顔を覗き込む。

ミクは困ったようにふふっと笑う。
「なんかね、スッキリしていつもより捗った気がするよ」

「なんだよそれ。じゃあ毎晩SEXしよう」

涼太の言葉に赤面する。
「やだ…その単語、涼太が言うなんて…」

「禁欲は体に毒だぞ?」

「大丈夫だよ。遠距離してた頃は、何ヶ月もしなかったわけだし」
ミクは先ほど、大きく乱れてしまったことを思い出しさらに赤面する。

「SEXした方が捗るんだろ?」
そう言って彼女を抱きしめた。

ミクは胸がキュっとなる。
「最近、感じすぎて怖いの…自分を見失いそうで…」
そう言って目を逸らす。

涼太は彼女の頬を掌で包み、自分の方に向けて、片側の口角を上げる。
「そうか?初めてSEXした時から、おまえ、イキまくってたよな?」

「ちょ…っ、さっきからSEXって何回も言わないでよ」
涼太からそんな言葉を聞くのはその日が初めてだった。恥ずかしさが増し、布団で顔を隠す。

「今の方がさらに気持ちいいってことだな」
そう言って背後から彼女を抱きしめた。

確かに初めて抱かれた時から、何度も感じてきた。それは彼の器用さと丁寧さ、そして彼を好きだという気持ちが大きかった。
今はそれにプラスして、本能で身体の奥底から感じてしまっている。

「…うん…すごく気持ちいいの」
お腹に回された手をそっと撫でた。

それ以上言葉はいらなかった。
呼吸が重なり、お互いの温もりを感じながら、ふたりはそのまま同じベッドで眠りについた。




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